「実務は完璧。でも、ある方の下についた新人は、なぜかみんな元気を失っていく——。」
人事の責任者として現場を見渡すとき、これほど胸が痛む瞬間はありません。
自分の成果にはストイック。けれど、育成を「コスト」と考え、自分の思い通りに動かない部下を突き放してしまう。そんな「個人主義のエース」が役職に就いたとき、組織の歯車は静かに狂い始めます。
今日は、私が今まで見てきた「あるリーダーシップの限界」について
あえて本音で書かせてください。
私たちが今、喉から手が出るほど求めているのは、スキルだけの人材ではないのです。
1. 一般的な「役職者」の定義と主流な考え方
ビジネスの世界において、古くから役職者に求められてきたのは「高い実務能力」と「成果への執着」です。
- プレイヤーとしての優秀さ: 誰よりも現場の仕事を熟知し、高いパフォーマンスを出す人が昇進する。
- 効率の追求: 無駄を省き、最短ルートで目標を達成する論理的思考力が重視される。
- 強いリーダーシップ: ぐいぐいと部下を引っ張り、自分の背中を見せて付いてこさせるスタイル。
これらは、組織が急成長するフェーズや、正解が決まっている業務においては非常に効果的です。
- 実務強者が陥る「個人主義の罠」
しかし、実務能力が高いだけで役職者に就くと、組織に深刻な歪みが生じることがあります。ここで見落とされがちなのが、「管理職の役割は自分の成果を出すことではなく、他者を通じて成果を出すこと」という本質です。
- 「自分と同じ」を求めてしまう: 自分が優秀であるがゆえに、新人に「手がかからず、勝手に動いてくれる人」を求めてしまう。これは「育成」という役職者の最重要任務の放棄に他なりません。
- 論理の押し付けと感情の軽視: 心理学者のダニエル・ゴールマンが提唱するEQ(感情知性)が欠如していると、正論だけで人を動かそうとします。人は「正しいこと」ではなく「信頼できる人」のために動くものです。
- 組織構造の無視: 自分の不満を解消するために、適切なルート(直属の上司や人事責任者)を通さず、他部署の人間を自分の手足のように動かそうとする行為は、組織のガバナンスを崩壊させます。
3. 当社が考える「これからの役職者」に必要な3つの資質
私たちは、単に「仕事が早い個人主義者」ではなく、以下のような資質を持つ人と一緒に組織を作りたいと考えています。
① 「育成」をコストではなく投資と捉えられるか
役職者の役割は、部下の強みを引き出し、自分以上のプレイヤーに育てることです。「忙しいから」と育成を後回しにするのではなく、組織の未来のために時間を割ける方を求めています。
② 高い自己認識と「聴く力」
自分の意見が常に正しいと思い込まず、一般論や他者のフィードバックを柔軟に取り入れる姿勢。専門的な視点では「アンラーニング(学習棄却)」ができるかどうかが、組織の硬直化を防ぐ鍵となります。
③ 組織全体を俯瞰する「システム思考」
目の前の自分のタスクだけでなく、人事、他部署、経営層との連携を重んじること。感情を排除したマシーンのようなマネジメントではなく、人間臭い対話を大切にしながら、組織というシステムを最適化できる能力です。
私たちは、共に「人」を育てる仲間を探しています
当社には、まだ解決すべき課題や、変化が必要な文化が残っています。だからこそ、「ただ実務をこなす」だけでなく、組織のあり方そのものに熱意を持ち、健全なリーダーシップを発揮したいという方に、ぜひジョインしていただきたいと考えています。
あなたの経験を、単なる「個人の成果」で終わらせず、「組織の文化」として刻んでみませんか?