こんばんは!社長室の優一です。
14日(金)は振休だったので、品川のTHE CAMPUS(コクヨ東京品川オフィス)で開催された、Lifestance EXPO2024に参加してきました。
Lifestance EXPO2024は、PARADE株式会社が主催するライフスタンスについて考えるイベント。
「何のために、どんな仕事をしたいのか?」
「どんな人と、どんな場所ではたらきたいか?」
「なぜ、その事業をつづけているのか?」
そんな問いを、いい会社の文化に触れながら、それぞれのライフスタンスを知り・共有する場です。
その中の「組織にルールって必要ですか?制度設計と組織文化の幸せな関係とは」というトークセッションに参加して、色々なことを思ったので、備忘録としてメモしておきたいと思います。
組織文化について
ビジネスモデルとカルチャーモデル(組織文化)は両輪
組織文化は重要だ!とはなんとなく思っていても、組織文化の役割は何か?と言われると、明確な答えを出せない人も多い気がします。
本セッションでは、ビジネスモデルとカルチャーモデル(組織文化)は両輪の関係で、ビジネスモデルの対となるカルチャーモデルが必要と定義していました。個人的に、とても納得感がありました。
会社は、そのミッション・ビジョンを実現していくために事業を行い、その事業を加速させるためにカルチャーモデルがある。カルチャーモデルに沿ったマネジメントが従業員の行動に良い影響を与え、さらに従業員の良い体験が顧客体験の価値向上にもつながっていく、といった感じ。
つまり、ミッション・ビジョンにそぐわない組織文化は見直さなければならないですし、(理論上は)いくら素敵な文化であっても、ビジネスの継続・発展に寄与しない文化はあまり意味がないということになります。
でも個人的には、その会社で働く中で自発的に醸成されてきた文化で、会社の発展に全く関係のないものはあまりない気がします。どちらかと言うと、組織文化による行動に対する会社からのフィードバックがなく、せっかくいい文化なのに「やっても損」と思ってしまうことが発生しているのかも。
良い文化をより浸透・発展させていくために、きちんと言葉にして会社からフィードバックすることが重要なんだろうなと思います。
組織文化は「好き/嫌い」「合う/合わない」の話
世の中にはたくさんの企業があって、いろいろな組織文化がありますが、それらは正解/不正解の話ではありません。あくまで、「好き/嫌い」「合う/合わない」の話。
最近では「トップダウンはダメだ」と一括りに言われることも多い気がしますが、事業モデルや会社のフェーズによっては、トップダウンが必要な場合もあるということです。
また同じ会社であっても、トップダウンでやるべきものと、ボトムアップで取り組むべきことが共存することもあり得るんだろうなと思います。
大切なのは、その企業の組織文化を明確に公開して、働いている従業員や求職者と会社の認識ギャップをなくすこと。
「うちは風通しが良い会社です」と謳っているのに、いざ入社してみたらトップダウンで上司にものを言うことが許されない雰囲気であれば、転職してもすぐに辞めてしまいますよね。
「うちは基本的にボトムアップだけど、こういう場合は○○な理由でトップダウンでやっているよ」と予め伝えておいて、求職者はそれを知った上で「好き/合う」と思ったら働く。そうすれば、入社後のギャップはなくすことができる気がします。
組織文化のメリットは意思決定のスピードが上がること
「組織文化を浸透させることのメリットは、意思決定のスピードを加速させること。組織文化が浸透していないと、何かを決める際にいちいち議論をしたり、いろんな人にお伺いを立てる必要が出てきてしまう。」
この話をきいて思い出したのが、数年前のある学会で名優がランチョンセミナーを主催した時のこと。
そのランチョンセミナーは整理券制で、入場する時に整理券を渡すことで、お客さんがお弁当をもらえる仕組みになっていたのですが。整理券を持っていない方が何人か入場してしまったため、整理券を持った数名の方のお弁当がなくなってしまう事態が発生してしまいました。
会場周辺にお弁当屋さんはなかったのですが、会場の1階にレストランがあったので、急遽交渉し、お弁当をもらえなかった方がそこでお食事できるように対応しました。この時、社長には決裁を取っていませんし、そんな時間もありませんでした。
ミッション・ビジョンに沿った組織文化が浸透すれば、どんどん現場に権限移譲して、意思決定のスピードを上げることができる。
でも裏を返せば、組織文化が浸透していない状態で権限移譲をすると、会社は悪い方向へ転がってしまう可能性もあるということです。順番が大切ですね。
組織文化はリスクにもなり得る
数年前に、大手企業の不正会計問題が大きく取り上げられましたが、そういった問題を第三者機関が調査を進めると「上にものを言えない企業文化がある」といった報告があがってくるそうです。
健全ではない組織文化は、不正などに繋がるリスクもある。だからこそ、ミッション・ビジョンに沿った組織文化をきちんと浸透させていく必要があります。
前に働いたリクルートの部会で「しくじり先生」という企画があったのを思い出しました。仕事で失敗してしまったことを、面白おかしく発表し、他の人が同じ失敗を繰り返さないようにする取り組みでした。
今思うと、会社にとって都合の悪いことをオープンにできる環境を作るための、土壌づくりだったんだなと思います。
組織を変えるのはオセロ
文化は、日々の積み重ねで自然と醸成されていくものでもありますが、意図的に作り出す/変えることができるという話がありました。
組織文化を作る/変える方法として、真っ先に思いつくのが後述するルールですが、誰かが行動で示し続けることでも醸成できる、という話。
例えば、皆が気持ちよく挨拶をする文化を作ろうと思った時。「朝会社に入ったら大きな声であいさつをすること」というルールを作ることももちろんできますが、それだけでは中々浸透しないかもしれません。
会社の中でキーとなる人物、例えば社長が毎朝元気に挨拶をし続けることで、それをAさんが真似し始める。Aさんが元気に挨拶するようになることで、今度はBさんが真似し始める。
「組織を変えるのはオセロ。半分を超えれば勝てる」という言葉が印象的でした。
ルールについて
ルールは組織文化を醸成するツール
ルールと聞くと「○○しちゃダメ」というネガティブなイメージがあるかもしれませんが、ルールは組織文化を醸成していく上でのポジティブなツールです。
さっきのビジネスモデルとカルチャーモデルの関係性でいう、ピープルマネジメントに必要なのがルールであって、良いルールを作成することで、より良いオペレーションやEX(従業員体験)に繋げることができる。
ルールは、ポジティブなものと捉えることができます。
ルールは上流戦略から落とし込む
そんなルールですが、あれやこれやと作ればいいものではなく、上流戦略との一貫性が大事です。
上流戦略からルールを落とし込まないと、従業員が違う方向を向き始めたり、会社との認識ギャップが広がり退職などに繋がりかねません。
メルカリの事例が紹介されていましたが、「Trust&Openness」という組織文化を謳っているのに、傷病休暇を取る際に診断書を提出させるのは従業員を信頼していないというメッセージにならないか?という議論になったそうです。
私が理解した、ルール作成の順番は以下の通りです。
①:会社の経営戦略を策定する
②:①に適した経営スタンスを決める
③:②に沿ったルールを作成する
会社の経営戦略(利益を得る構造)は会社によって違います。その戦略を実行するのに適した、経営スタンスも異なります。
つまり、他の会社で上手くいっているルールが、必ずしも自社で機能するとは限らないということです。また、会社のフェーズによっても、求められるルールは変わってきます。
セッションの中では、経営スタンスを4象限(カリスマリーダー経営・チームリーダー経営・全員リーダー経営・複数リーダー経営)に分類していました。※詳細は割愛します
メルカリのルールはマクドナルドには適さない
セッションの中で例として紹介されていたのが、マクドナルドとメルカリです。
マクドナルドの従業員には、常に同じ品質のハンバーガーを作ることが求められます。なので、全国どこの従業員にも、同じ品質のハンバーガーを作るための共通ルールが設定され、それを逸脱することは許されません。
そこにメルカリのようなクリエイティブな会社の「やりたいようにやってみろ」みたいなルールを入れたとしたら、「私はトマトが好きだから」といってトマトばかりのハンバーガーを作ってしまうかもしれません。
なので、会社によって設定すべきルールは異なる。
これは、同じ会社の中でも言えることかもしれません。
品質維持を求められる部署と、クリエイティビティ―を求められる部署では、設定すべきルールが異なることもあると思います。全社共通のルールと、部署独自のルールが存在するといったような感じ。
ルール化のデメリットは思考停止
組織文化を浸透させるためのポジティブなツールであるルールですが、従業員の思考が停止するというデメリットもあります。
日々ルールに則って業務を遂行していると、それが当たり前になっていき、そしてなぜをその業務をするのか?ということは考えなくなっていく。
既述の通り、戦略が変わればあるべきルールも変わります。思考停止した状態に陥ると、いまは不要なルールを変える/消すことが忘れられてしまうということです。
本来ルールは、企業が社会に対してより価値提供するためのものですが、思考停止になると逆に生産性を落とすことに繋がりかねません。
それを防ぐための方法として「『ルールを見直す』というルールを作る」という事例が紹介されていました。確かに。
ルールは作る段階でほぼ決まっている
最後に、いかにルールを浸透させるか?というテーマの会話の中で一番印象的だったのが「ルールは作る段階でほぼ決まっている」という話。
いくら上流戦略に沿ったルールであっても「こういうことで決まったから」といって上から降ってきたら、納得感がない。だから守らない。
だからこそ、ルールを作る段階でどれだけ巻き込めるかがとても重要で、それが成否を分けると言ってもいいというお話しでした。
確かに、人に決められたルールよりも、自分で決めた約束の方が守ろうと思いますよね(特に私はそういうタイプです)。
でもだからといって、会社のメンバー全員でルールを作るというのも、中々現実的に難しい。
そういう場合は、なぜそのルールを作ったのかという背景を、会社がきちんと言葉にして伝え続けることが重要なんだと思います。
おまけに
Lifestance EXPO2024には、COEDOビールさんとサイボクさんも出展されていました。
実は、COEDOさんとサイボクさんは、名優がSALWAYのブランディングで伴走して頂いているエイトブランディングさんがブランディングを手掛けていいる会社です。
COEDOの朝霧社長がブースにいらっしゃったので、思わず「朝霧さんですか?」と声を掛けてしまいました。朝霧社長にサイボクの笹崎社長もご紹介頂き、エイトファミリー?の皆さんと色んなお話しができて、とても良い時間となりました。
ビールが美味しくて、昼間から飲みすぎてしまった。。。休日なので良しとします。サイボクさんのフランクフルトも絶品でした。
あと、日本仕事百貨さんのブースに飾られていた「見ゴリラ・言わゴリラ・聞かゴリラ」がなんとも愛らしいかった。
どこで売っているんだろう。欲しいな。。。
今週末は、いよいよ日本医療機器学会のランチョンセミナーです!今週も頑張りましょう。
優一