その人が大切にしている言葉を知ることで、その人の考え方や生き方に、もっと触れられるかもしれない。「あ、もっと知りたい」そう思う、きっかけになるかもしれない。
そんな想いで始めた、名優で働く人が大切にしている言葉についてインタビューする「a motto(ア モット)」。
第12回は、営業サポート課で働くK・Nの a motto です。
ー 大切にしている言葉を教えてください。
「生きてるだけで丸儲け」ですね。
明石家さんまさんが、座右の銘としていることで有名です。
常にそればっかり考えているわけではないんですけど。1日の終わりとか、お風呂に入ったりして。
今日も1日無事に終わったなとか、生きてるっていいなとか。
しみじみしながら、1日を終えますね。
ー お風呂で1日を振り返るんですね。
そうですね。
ちょっと前に、すごく大きな病気をしたんですね。まだ、子供もすごく小さかったんですよ。小学生と幼稚園くらいで。
その時に「これで死んじゃったら、この子たちどうなっちゃうんだろう」って。本当に、精神的にも辛くて。
そういう経験があったり、最近地震とかもあったり。本当に、人はいつ死んじゃうかわからないなって強く感じていて。
だから子供が成人して就職するとか、大学に入学したとか。そういう節目で、余計にここまで生きてこれてよかったなって、すごく感じていますね。
ー 生きてこれてよかったな、と思う。
嫌なことがあった時とかは、特に強く思うかもしれません。
日々、ちょっと嫌なこととか不満があっても、命あるだけいいかみたいな。
私は親の面倒をみることがあるので。「なんでこんなことできないの」とか、正直思ってしまうこともあるんです。
一緒に住んでいるわけではなくて、幸いまだ体は動くんですけど。やっぱりもう歳なので、いろんな手続きとか、わからないってなれば、その度に出向いたりして。
それでも、生きていればこそ面倒もみれる。しみじみ、そう思いますね。
あとは、そういう思いを、新しい事とかに挑戦する時の言い訳にしている部分もあります。
ー 挑戦する時の言い訳?
新しい事をやったり、辛いことをやったり。
別に、そんなことしなくても、生きてはいけるじゃないですか。
「生きてるだけで丸儲け」って言葉を、そういうマイナスな方向に使いたくないんです。
せっかく生きてるんだから、もっと頑張ろうとか。新しいことに挑戦してみようとか。
そういうプラスな方向に使うようにしています。挑戦してダメだったとしても、生きてるだけでいいか、という感じ。
命って何よりも大切だから、確かに「生きてるだけで丸儲け」なんですけど、あきらめみたいな意味あいではなくて、前向きな方向で捉えたい。
日頃、易き方向へついつい流されてしまいがちなので、私。
最近、松田聖子さんが中央大学の法学部の通信課程を卒業されたんですよ。通信課程でも、かなり大変らしくて。
すごいなって。たぶん、松田聖子さんは私より年上なんですよね。
そのニュースを見た時に、私もまだまだ勉強しなきゃなって思いましたね。
(聞き手:優一)