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3Kを飛び越えて、社員を幸せにできる会社に。もとぶ牧場からさらに広がる沖縄の魅力【代表インタビュー】

沖縄県で牛の飼育から流通、販売、さらに堆肥の出荷までを一気通貫で行っている私たち、もとぶ牧場。この牧場で飼育されたもとぶ牛は、2015年日本ギフト大賞の沖縄県賞を初め、数々の賞に選出されるほどの逸品で、県内4店舗で展開しています。

今回は、そんなもとぶ牧場を経営している代表の坂口泰司に、事業好転の鍵となった循環型農業の裏側や、若いメンバーで賑わう会社づくりの秘訣を伺いました!

=紆余曲折を経て、オリオンビールから事業が好転!?=

ーーーもとぶ牧場を設立されたきっかけを教えていただけますか?

牧場経営に関わるようになったきっかけは、恩師のサポートをしていたことなんです。どうやら「ブラジルでサトウキビの絞り粕からアルコールの燃料を採って、絞った粕から牛のエサが作れるらしい」という話を恩師が聞きつけて来ました。

だけどバイオの世界はそんな簡単にはいかなくてね。沖縄ではサトウキビの搾り粕が取れるっていうことで、ここにはリベンジで来たんですよ。恩人のツテで岡山のバイオの会社にいた化学者の一人が、サトウキビの絞り粕(バガス)を分解する発酵菌を探してくれたんです。

すごく簡単に説明すると、牛は繊維分解していないバガスを食べると下痢しちゃうんですよね。最初にうまくいかなかったのはそれが原因だったんです。でもその発酵菌を添加することによって、サトウキビの繊維質が分解されるから、牛も下痢をしなくなるだろうってことが分かったんです。

ーーーおお!解決策が見つかったんですね!

ところが実際にやってみて、サトウキビの絞りカスを集めるのが想像以上に困難でした。次の解決策として「オリオンビールのビール粕を発酵させたらそれがエサが出来るんじゃないか?」という話がヒントになって。ラッキーなことに、ここから車で20分の距離にオリオンビールの名護工場があるんで、実験してみたら発酵菌が上手く作用してくれたんですよ。

そこから「サトウキビの搾り粕じゃなくって、ビール粕を代用しよう!」ってことで発酵飼料にしたのが弊社のスタートだったんです。

ーーーそうだったんですね。昨日牧場を見学させていただいたときにエサをちょっとだけ食べさせていただいたんですが、オートミールのような味がしました。

そうそう、人も食べれるんだよ。無味無臭っていうか、少し酸味っぽくって。下痢にもならないし、消化に良いエサだから、牛もどんどん食べてどんどん大きくなるんです。

それに、牛舎って臭いイメージがあると思うんだけど、オリオンビールの発酵飼料は消化に良いから全然臭くないんだよね。嗜好性が良くて、オール発酵飼料の利点はうちの専売特許みたいなもんですね。で、発酵飼料が完成して、牛舎を建てて、牛を買ってきて、今の飼育形態に近付いたという流れだね。

=もとぶ牧場が歩んできた6次産業化までの道のり=

ーーー全国の一次農業を見渡しても、ここまでの規模でやられているところって少ないんじゃないかと思うんですが、社長が理想とする畜産業のあり方を教えていただけますか?

結論から言うと、今うちがやってる、"生産して、流通して、販売する"っていう循環型の農業はここ数年で『6次産業化』って呼ばれてるサイクルなんだけど、我々からしたら6次化っていうのは必要に迫られて、その度の対策と結果の産物なんですよね。

最初にエサを作って、次に牛を市場から買って来て、エサをあげて、牛を育てて、出荷しましたっていう中で、かけたエサ代や人件費と牛の売上を比較した時に、必ずしも採算が合うものじゃないことがわかったわけです。

じゃあ「自分たちで流通しようじゃないか!」「そこで売ったらいいじゃないか!」ってことに気付いて今のレストラン経営に繋がったんです。

ですから、常に目の前の課題を解決しなきゃって動いてきたら、結果的に6次化産業になっていた、ってことなんですよね。

ーーー課題が出てくるたびに、外部を頼らずに自社で乗り越えられてきたのがすごいなと。

結局、一番牛のことを見てるのは外部じゃなくて現場なんですよ。「今日はたくさん食べてるな」とか、「今日はよく寝てるな」とか、「今日は調子悪いな」と、誰よりも現場の人がわかるんじゃない?

現場のスタッフなんかは、「一番の仕事は牛を観察すること」って言ってるくらいだからね。

ーーー現場見学させていただいたときも、みなさんがすごく愛情を込めて牛と接しているのが伝わってきました。

牛は生き物だから、毎日変化があるんです。そうすると牛個体毎の対処の方法も変わり、一見同じような毎日に見えるかもしれないけど、実は変化に溢れてるっていうのがこの仕事の面白いところなんじゃないかな。

ーーー現場のスタッフは、地元だけでなく全国各地から集まってますよね。

そうだね、全国各地から興味を持って来てくれてますが、やはり、沖縄の離島も含め地元の活性化を考えると、若い人達にどんどん来て欲しいですね。

沖縄は、国内だけじゃなくて海外からもたくさんの観光客が来てくれる場所じゃない?だから、海外の方にうちのレストランでもとぶ牛を食べてもらいたいんですよね。

旅行に行けば見たいところがあるし、食べたいものがあるでしょ?『旅行で楽しく遊ぶ』っていうその中には、”食”も大きなポイントとして含まれるわけ。だから「沖縄にもこんなに美味しい和牛があるんだぞー!」って地元の子が誇れるようなものを作りたいよね。沖縄で生まれて、沖縄を愛してる子が社内にいるっていうことは、きっともとぶ牧場をもっと前進させてくれる存在になるんじゃないかなと思ってね。

ーーーぜひ地元の方に届いてほしいメッセージですね。

ひいてはそれが街づくりに繋がると思うんですよね。地元で働きたい人が集まってくれて、観光客の人に「こんな美味しいものがあったなんて」って喜んでもらえたら尚更嬉しいじゃないですか!私たちが、私たちの地元で育てたんです、ってね。



美味しいものを食べて怒る人はいないからね。「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」「また来てくださいね」って笑顔で提供できれば、この上ない幸せですから。

=店づくりは人づくり。社員が生き様を覚えられる職場に=

ーーー魅力のある会社にするために行っていることはありますか?

その人を尊重するってことでしょうか。地位っていうのは、権威だったり特権だったりするもんじゃないから、トップがしなきゃいけないのは、威張ることじゃなくて責任を取ることなんですよね。

社員が失敗をしたときもそうだけど、社員が人間として成長するための責任も社長にあると思うんです。例えば成長してもらうために社会学を教えたり心理学を教えたり、経営学を教えたりしてさ、一人ひとりを尊重していったら、みんなが活躍してくれる会社になって、彼ら彼女らの人生も充実して、それが結果企業の力になるんじゃないかな。

コロナが落ち着いたら講師を呼んで、人材教育にも力を入れて、もっと魅力のある会社にしていきたいなと思ってます。

ーーー社長が思う魅力のある会社とは、具体的にどんな会社でしょうか?

社員の立場で考えるならば、働きやすい環境があって、良い給料をもらえる会社だろうね。

ーーー100点満点中、現状は何点ぐらいだと思いますか?

100点なんてあり得ないからね。どれくらいだろう。大学の合格点って何点ぐらい?

ーーー60点ぐらいですかね?

じゃあ、70、80くらいって言いたいな。きっと課題はずっと出てくるだろうから100点にはならないと思うんだけど、ずっと70、80点の満足度を維持していきたいですよね。

大人になって、結婚して、子供ができて、また孫ができる、そんな社員の人生があったとして、「子どもにはやりたいことをさせてあげたい。」って思ったときに、ちゃんとやらせてあげられるような人生を送ってほしい。そのためにお膳立てするのが経営者の役目だと思います。

時給1000円の仕事と時給1500円の仕事があったら、みんな1500円で働きたいじゃない?ただ、魅力ある人を集めていくためにはお金だけじゃダメだと思うからさ。キツイ、汚い、危険だとかの、いわゆる3Kって呼ばれてる業種だからこそ、そのイメージを払拭する会社を目指していかないとね。

ーーー魅力的な会社にしていくにあたって、どんな方が仲間になってくれたら嬉しいですか?

誰でも歓迎です。興味持ってくれればさ。ただ仲間と働く以上は、喧嘩したりいがみあったりしてほしくないね。相手を思いやって、尊重できる協調性さえあれば、あとは誰だって自分磨きだからね。

ーーー牧場、レストランとさまざまな活躍の場があると思いますが、双方の関わりはあるのでしょうか?

もちろん!それがうちの強みだからね。レストランの社員は牧場に視察に行ったりしてますよ。

今、レストランの国際通り店を自分に任せてください!って言ってる社員がいてさ。よし、やる気あるなら任せるからやってみろ!みたいなね。



ーーー個人に任せてくださるスタイルですね!

やる気のある人が一番興味のある人じゃない。興味のある人がやればその分結果が出るわけだからさ。彼は「マーケティングをしたことがあるからお店をやってみたい!」って言うから、任せたんだよね。

新しい店舗だから、彼なりに仕込んでるんじゃないかな。どんな店づくりが出来るか、これからが楽しみです。

ーーー最後の質問です!これからどんな会社にしていきたいですか?

「この会社、この仕事おもしれーぞ」って言える人たちが集まってくれたらいいな。かっこよく言えば、夢を見られる人が集まる会社だね。

食べ物だってさ、どんなに遠い場所にお店があっても、美味しければみんな車で来てくれるんだよね。そういう、都会に出れなくても地元に残ってここで働きたいとか、遠くてももとぶ牧場で働きたいから沖縄に住みたいとか、社員さんにそう思って貰える会社にしていきたいよね。

うちの事業が結果的に6次化産業になったみたいに、その都度「次は何が出来るかな?」って考えながら、みんなでその時間を楽しんでいけたらワクワクしますよね。

毎朝目が覚めてテレビを見て、ビール飲んで今日も終わり、っていうそれだけの生活に、人生の夢があると思えないんだよね。人それぞれ違うだろうけどね。

だからうちに来てくれる人には「仕事って楽しいぞ」って思いながら、有限の時間を過ごしてほしいと思いますよね。

ーーーいいですね!一緒に働く仲間だからこそ、もとぶ牧場に来てよかったと思ってもらえるような会社を一緒に作っていきたいですね。社長、これからもよろしくお願いします!

ここまで読んでくださりありがとうございました!
少しでも興味を持っていただけたらぜひお気軽に「話を聞きにいきたい」ボタンからのご連絡をお待ちしております!

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