官公庁の採用支援・公務員の転職支援を行うパブリックコネクト。代表平田への インタビュー前編 では、官公庁の採用変革に着目した起業の背景を伺いました。後編では、サービス開発の裏側や、事業を通してどんな未来を実現していきたいかを聞いていきます。
公務員の採用と転職を変革する2つの事業 ー 創業後の事業展開について、まずは「Gov2Carrer」の背景から教えてください。 官公庁の採用支援と、公務員の転職支援。公共と民間の壁を打ち破るには、この二つの事業展開を両輪でやらねばと思っていたため、まずは創業後の2022年3月に公務員の転職サービス「 Gov2Carrer 」を開始しました。
公務員の転職支援に取り組んだ理由は、実際の転職現場で、職務経験を民間企業に通じるように変換して語ることが難しいといった声や、公務員は民間企業では役に立たないんじゃないかという悩みを多く耳にしたためです。そこで、私たちが媒介して、官公庁のキャリアを民間のキャリアに翻訳して伝えるような転職サービスを立ち上げました。
今日まで、官公庁向けの事業を展開する企業に提案を重ね、採用枠や推薦の土壌をつくってきました。実際の入社者が、半年後に営業のMVPになったという連絡をもらったこともあり、行政でユーザーに真摯に向き合ってきた姿勢が、営業現場でも活かされたんだと感じています。今後もより多くの公務員の方に活用いただけるよう、ゆくゆくはプラットフォーム化していく予定です。
ー 官公庁の採用を支援する「PUBLIC CONNECT」はどのように開発を進めましたか? 「 PUBLIC CONNECT 」は官公庁に特化した採用プラットフォームとして、これまで関わってきた自治体の方々にもお願いをして、現場視点のフィードバックをいただきながら開発を進めてきました。実際の採用活動では何に困っているか、どんなサービスになるべきか、パッケージやシステムの中身からカスタマーサクセスの伴走など、あらゆる観点でのユーザーインタビューを重ねて改良し、ついにこの8月から提供を開始します。
PUBLIC CONNECTは官公庁の採用に関するほとんど全てを担うプラットフォームを目指し、求人掲載や選考管理などこれまで別々のツールを使っていたりデジタル化されてこなかった業務が集約されます。日本全国の官公庁の求人が一元化されるので、求職者側も求人の発見から応募、選考完了までのプロセスをサービス内で完結できます。
特徴的なのは、各官公庁がPRコンテンツを発信できる機能です。求職者に向けた記事や動画のコンテンツを通じて、選考や採用後のミスマッチを起こしにくい情報提供が可能になりますし、官公庁の仕事のポジティブな側面を世の中にPRする場にもなります。
実は、正式ローンチ前から 約50もの官公庁 がPUBLIC CONNECTの導入に向けて動いてくださったんです。官公庁からすると非常にリスキーだしすぐに大きな対価があるわけではないのに、真剣に向き合ってくださるのは、採用活動の変革や、それを通した行政サービスの向上に対して大きな想いを持っているからこそだと感じています。
ー 前人未到のフィールドで、壁を感じることも多かったのではないでしょうか。 サービス開発で一番悩んだことは、ゴールの設定です。PUBLIC CONNECTは官公庁の採用を成功に導くサービスですが、開発にあたって現場の声を聞くほど新たな課題が見えてきました。たとえば、離職率の増加です。これは一概に悪いとは言えず、公務員が新しいキャリアを考えられる柔軟性という意味では良いことでもあります。でも、離職の原因が官公庁での働き方や業務のミスマッチであれば、そこには改善すべき課題があります。
なので、現在置いているゴールは、今働いている公務員の方も含め、官公庁に入った人が幸せに働き続けられるようにすることです。今は採用マッチングの精度を高めている段階ですが、今後は人材採用後のフェーズに向けたアプローチをしていきたいですし、それがまわりまわって公共サービスの向上につながっていくと考えています。
>> PUBLIC CONEECT サービスページ
公共と民間の隔たりをなくし、当たり前に交わる世界をつくる ー 両サービスの提供が始まった今、パブリックコネクトが掲げる「公共の可能性をひらく」未来とはどうあるべきだと考えますか? ずっと変わらず根底にあるのは、公共にはいろんな可能性があると信じる気持ちです。だからこそ、日本中の人材が官公庁と何かしらの形で関わり合える社会を実現したいと思っています。
たとえば地域や社会への貢献には、転職に限らず複業やボランティアなどいろんな形がありますが、公務員から民間、民間から公務員への転職の垣根やハードルをなくしていったり、企業に務めながらも複業で行政の仕事を探したり、役所の人材が企業で経験を積んで持ち帰るなど、公民双方の行き来が当たり前になる世界をイメージしています。
今はまだ官公庁と民間企業の間には隔たりがあり、それによって官公庁の労務環境が変わらなかったり、働く方々のモチベーションを下げている側面もあるのではと感じます。採用活動にしても、民間企業との垣根をなくしたり自治体間での健全な競争を生むことで、働き方の改善や待遇の向上につながり、公務員全体がより幸せに働くことができると思うんです。
私たちのサービスで官民の距離を縮めていくことができたら、公共で働く人、民間で働く人、どちらにとっても良い形で、それぞれが所属する団体や企業にも還元していけると考えます。なので、事業を通じて「公民の隔たりをなくす」ことが私たちのミッションであり、公共の可能性をひらいて官公庁と人々が当たり前に交わる世界をつくっていきたいです。
ー 公共と民間が交わる世界に向けて、今必要と考えていることは何でしょうか。 私たちは、PUBLIC CONNECTはプラットフォームであり、メディアであり、官公庁や自治体の採用をプロデュースする立場にあると考えています。そのためには採用の専門性を持つ人材だけでなく、ライティングや他のクリエイティブに長けた人材も必要です。今年はベンチャーキャピタルANRIの投資プログラムに応募し、一期生として採択されたことで資金調達を実施できたので、採用や開発強化をしている最中です。
実は、創業当初はVCからの資金調達は視野に入れていませんでした。でもANRIが”女性”や”社会課題の解決”といったテーマの取り組みを重視されていることを知ったことや、その後担当キャピタリストの丸山さんと出会い「このサービスは日本の未来にあるべきだ」という言葉を頂いたことで、この人たちと一緒に取り組んでいきたいと強く感じました。
ー そんなパブリックコネクトが求める人材とは! 公共、地域、自分自身の生活や暮らしなどの領域に対し、課題意識やもっとこうしたいという気持ちを持っている方と働きたいです。私の場合は「公教育」への関心から始まりましたが、「子育て」や「地域の持続可能性」などいろんな視点があると思うし、そこに関心を持つ方々はめちゃくちゃ楽しんで働けると思います。
私自身、今、仕事がめちゃくちゃ楽しいです。これまでのキャリアでも楽しい仕事や環境に恵まれましたが、その中でもやっぱり一番面白いです。現在のサービスをはじめ官公庁や公務員、人、企業などをもっともっとつないでいきたいですし、今は公共の中でも採用に特化していますが、公教育をはじめ公共にはあらゆる観点があるので、まだまだやってみたいことは尽きません。すごくいい毎日を送っていると思います。
今唯一の社員である高井は、10代の頃から一番仲のいい友人なんです。創業時から参画してくれて、仕事に関してはお互い割り切って評価し合う関係を大切にしてきました。遠慮せずに意見を伝えることは一番大事にしていて、創業してからは毎朝日報を書き合い、互いにコメントしています。
今後、日本全国いろいろな場所にいる方と働きたいと思っていますし、これから参画してくれるメンバーともそういったカルチャーを大事にしながら、一緒に公共の可能性をひらくチャレンジをしていきたいと思っています!
平田さん、ありがとうございました!
パブリックコネクトでは、下記の職種を積極採用中。少しでも興味を持った方、公共や地域、生活や暮らしをもっとこうしたいという想いのある方、「話を聞きに行きたい」からぜひご連絡ください!
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