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【協会メンバーの本棚】ジェンダーおすすめ本①~当たり前に違和感(IWAKAN)~


こんにちは。インターン生の王です!

街路樹の緑も日に日に鮮やかさを増し、風が気持ちいい季節になってきました。

先日のGW、皆さんはいかがお過ごしでしたでしょうか。

私はほとんどステイホームでしたが、大学院の同期と飲み会に行ったり、読書をして有意義に過ごせました。今回はぜひ皆様にもおすすめのジェンダー本を皆さんにご紹介いたします!

『IWAKAN 特集:多様性?』Creative Studio REING(2022年4月発売)ーーーー

カバーデザインとタイトルに一目惚れしてしまいました。

IWAKANは世の中の当たり前に“違和感”を問いかけることをコンセプトに、”違和感”を抱く人たちに寄り添う雑誌です。それらの違和感に100点の答えを出すのではなく、共に考え、新たな当たり前を共に創造し、提案していきたいという素晴らしいコンセプト。2022年4月の特集は「多様性」ということで読んでみました。

冒頭で早速心に響く言葉と出会いました。

自分たちは「ふつう」で、そうではない「多様」な人たちという線引き。当事者ではない人たちによって描かれる、「多様」な表象を称賛。書くことがゴールとなって、わたしたちが直面する困難にはだんまり。(引用)※表象とは…象徴シンボルまた、象徴的に表すこと。直観的に心に思い浮かべられる外的対象像をいう。(小学館)

この雑誌は、メディアや広告などが「多様性」を謳っていると同時に、それらが再生したステレオタイプを作ってしまっていることに注目し、議論をしています。

そういえば、先日東京レインボープライドのパレードが代々木公園界隈で開催されていました。それを見た協会メンバーが、カラフルなレインボー旗の風景を楽しみながら、マジョリティの中でマイノリティがどんどん疎外されていくことに戸惑いを覚えたという話をしていました。これも「性的多様性」を表現するにあたって一種の違和感ではないかと思います。

本来マイノリティの居場所を作り権利を伝える場なのに、むしろマジョリティではないところを過剰に強調してしまっているような感覚を覚える人も存在しているでしょう。それはマイノリティを可視化させるときの新たなジレンマです。

本雑誌のポスター:「何もしなければ、炎上することもありません。」

しかし、何もしなければ、後退することはあります。やらないのではなく、やることへの問いかけ力を磨こう。


多様性の偏りについて、本雑誌の知見を共有すると、OLの表象問題が問われていました。

OLとは、1975年頃に定着し、オフィスで働く女性全般に対して「OL」が使用されるようになりました。昭和後期には、丸の内のビジネス街オフィスで働く女性を指して「丸の内のOL」と称され、また、特に優秀な女性に対して「キャリアウーマン」が用いられました(wikipediaより一部抜粋)

このような「OL」の定義があり「あなたはOLですか」と聞かれたらどう思いますか。編集者が企業勤めの女性たちに質問をしました。すると

・「会社員です」と答える人が多い。

・OLは制服を着て、お茶汲みして、電話を受け取るイメージですから、OLって自分を形容されると嫌な気持ちで、違和感を感じる人が多い。

続いて、OLの表象に対してインタビューイーが思うことが取り上げられています。

・タクシードアでよく見かけるけど、OLのイメージ像は固定化されたまま。サポートする系の仕事や役目に女性の写真やイラストが多く使われている。女性は気を配れる、丁寧な仕事ができるというイメージ。

・OLという言葉そのものが古い印象がありこれから廃れていくと思うものの、すぐに描かれ方は変わらない。

書籍からわかるように、多様性やジェンダーのバイアスというのは一筋縄に語れるものではなく、知識がなく触れてしまうとかえって目的から逸れた方向に進んでしまうこともあります。

日常生活において、ジェンダーを表象するメディアや広告はもちろん、一人ひとりが物事のイメージを伝えるとき、その表現の偏りに加担してしまう恐れがあります。ただし、表象する側はもっと「表象の責任」を担い、バイアスの繊細さに気づくまでだいぶ時間がかかるのではないでしょうか。

また、あえて「多様性」を作り出そうとすると、逆にバイアスを再生産してしまうことにも注意が必要だと、本を読んで思いました。

そのため、大企業や行政は時代に即したガイドラインを設定することで、これらの問題を少なからず解消に近づける必要があるのではないでしょうか。今までの常識にすがるのではなく、民間企業や専門家の知恵を借り、変化に対応をしなければならないと感じました。

今回読んだ本はコチラ!ぜひ読んでみてください。

【IWAKAN】 Volume 04|特集 多様性? | IWAKAN (iwakanmagazine.com)

次回は、引き続き【企業のジェンダー平等の疑問】をお届け致します!お楽しみに!

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