今回は取締役COOのジェイ・ルーに生い立ちやIVAの創業秘話、事業にかける想いをインタビューしました。
■プロフィール
1995年生まれ。広東外語外貿大学(GUFS)で、中国市場、経営管理を研究後、来日。2019年 IVA株式会社を相原と共に創業し、COOとして事業戦略、組織管理、中国開発拠点の立ち上げを牽引するなど幅広い領域で会社のグロースをサポート。中国語・日本語のバイリンガル。取締役 執行役員COO 兼 SVP of Authentication 兼 中国法人代表。
積み上げてきた知識や経験が、IVA創業のきっかけに
ー幼少期や学生時代のお話を聞かせてください。
中国の浙江省で生まれ育ちました。幼少期はどちらかというとシャイな性格で、日本のゲームやアニメに親しんでいました。振り返れば、この頃の体験が日本に興味を抱くきっかけとなったのだと思います。
大学では経営情報学を専攻して、経営や市場について学びました。これは経営者であった両親を見ていて、幼い頃からずっと「自分で事業を起こしたい」と考えていたからです。
大学時代は友人の影響でファッションにも興味を持ちました。日本に留学していたときは、アルバイトに精を出す留学生たちを尻目に、フリマアプリでSupremeやNIKEなどを販売していました。これは「お金を稼ぎたい」というよりも「好きなものや好きなことで商売する」ことに喜びを感じていたからです。このときの経験が、今の私のビジネス観につながっていると思います。
ーCEOの相原と出会ったきっかけを教えてください。
驚かれることが多いのですが、彼との出会いはフリマアプリでした。最初はごく普通の「出品者と購入者」という関係でしたが、定期的にやり取りを重ねていくうちに興味を持ち、実際に会うようになりました。彼と私は真逆の性格でしたが、お互いに補完し合える相性の良さや可能性を感じ、すぐに意気投合しました。
ー相原と共にIVAを創業することになった経緯を教えてください。
彼はその頃からアパレルの輸出事業を行う会社を経営していたのですが、仕入れた商品が「本物かどうかわからない」、鑑定士に依頼しても「信頼性・効率性に欠ける」という悩みを抱えていました。当時はSupremeが大人気で、マーケットには偽物があふれていたんです。そこで私から、彼の悩みを解決できる方法を提案しました。
当時から中国では偽物に敏感で、リセールショップなどで購入した商品は鑑定アプリや個人の鑑定士に真贋判定をしてもらうカルチャーが根付いていました。私自身も仕入れ販売の経験を持ち、鑑定に関する情報収集やネットワークづくりに力を入れていたこともあって、この知見を役立てられると思ったのです。それからほどなくして、相原から「真贋鑑定を主軸にした事業をやらないか」と持ちかけられ、二人でIVAを立ち上げることにしました。
このことは、ある国では当たり前だったビジネスを別の国に持ち込んで、新たなマーケットを生み出したとも言えます。時間や距離のギャップを活かしながら、フレキシブルに事業を展開するIVAの持ち味は、創業当時から発揮されていたといえますね。
IVAが持つ独自の競争優位とは
ー外国人として日本企業を経営することに懸念はなかったのですか?
経営自体には意欲的でしたが、日本で働き続けることには少し勇気がいりました。言語や文化の違いだけでなく、ビジネスにおける暗黙の前提を理解するのは容易でありません。ただ、不安よりも「自分の好きな場所、好きなことでビジネスしたい」という気持ちの方が大きかったですし、そのような人生も面白いと思いました。結果的に、その選択は間違っていなかったと思います。幸いにも、相原も私と同じように日本語と中国語のバイリンガルであったので、事業のあらゆる面においてサポートし合えることができ、現在もうまく舵取りができていると思います。
ーIVAではどのような役割を担っていますか?
COO(Chief Operating Officer:最高執行責任者)として、事業戦略の実行、組織やオペレーションの設計、グローバル展開などを担っています。相原が描くビジョンを、実際に「回る仕組み」として組織に落とし込むことが私の役割です。例えば、鑑定できるブランドを増やす、エンジニアや鑑定士の体制を整える、オペレーションを構築するなど、事業を「完成させる」ところまで責任を負っています。属人化せず、誰が関わっても再現性を持って成果を出せる状態をつくることを常に意識しています。
ー「フェイクバスターズ」など、参入障壁が高い事業を展開できている理由はどこにあるのでしょうか?
特別なことをしているというよりも、自分たちが持っている強みを余すことなく活かしている感覚です。フェイクバスターズの強みは、1社目から積み上げてきた鑑定の知見や、鑑定士とのネットワークがベースにあります。リセール事業者向けの卸販売についても、学生時代から培ってきた独自の取引先がベースとなっています。鑑定士の育成、オペレーションの精度、取引先との信頼関係まで含めて、ひとつの事業として確立させるのは容易ではありません。それでも、手間のかかる領域だからこそ真似されにくく、結果として高い参入障壁を築けていると思っています。
ーIVAでは多国籍なメンバーが在籍しています。 日本拠点で働くメンバーの活躍や、期待している点について教えてください。
彼らを非常に高く評価しています。能力が高く、真面目で責任感が強いメンバーばかりです。言語や文化の違いを乗り越えながら、日本のチームと同じ基準で成果を出し続けているのはすごいことです。一方で、成果や価値を表に出せないシャイな人も多いので、自身を「見える形」でアピールすることを意識してほしいですね。国籍や職種に関係なく、きちんとコミュニケーションができる人は間違いなく活躍できます。
ーその他に、IVAで活躍するメンバーに共通する長所はありますか?
スピード感をもって仕事を「完成」できることでしょうか。途中で止まらず、どうすればゴールできるかを考え抜き、テキパキと結果を提示できる人は信頼され、任される仕事も増えていきます。正解が用意されていない場面でも、仮説を立てて判断できる人は、結果的に成長が早いと感じています。完璧である必要はなく、考えることを止めない姿勢が重要だと思っています。
メンバーそれぞれの裁量が大きい会社なので、重要な仕事ほど信頼できる人に任せています。一緒に働く中で「この人なら任せられる」と判断した人に、代わりがいない仕事や責任の大きい業務を任せています。逆に言えば、そういう業務を任されている人は、信頼されている証拠だと思ってほしいですね。
IVAは拡大から深化へ
ーこれからのIVAをどのように成長させていきたいですか?
一人ひとりがプロフェッショナルとなり、組織として安定して成長できる会社にしたいです。現在は新しい事業を増やすよりも、既存の事業を磨き上げるフェーズに入っています。メンバーには各分野のプロを目指してもらい、さらに上のクオリティを生み出してほしいです。もちろん、ひとりの力には限界がありますが、全員が力を合わせれば大きな力になると信じています。個人も組織も一緒に上を目指し、進化していけたら嬉しいです。
その上で、仕組みやカルチャーの構築が必須になってきます。挑戦できる余白を残しながら、皆が安心して働ける基盤を整え、将来的にはグローバルでも通用する組織をつくっていきたいですね。
ー最後に、IVAで働く魅力を教えてください。
社員が会社と共に成長できる点だと強く感じています。現在は複数の拠点を持ち、多くの優秀なメンバーが揃っていますが、創業当時は小さなオフィスに二人だけだったのです。この過程をずっと見てきたので、いかにIVAが社員と共に成長できるのかを実感しています。また、経営陣との距離も近いため、率先して事業や組織を作っていくことに面白さを感じる方は、とても挑戦しがいのある環境だと思います。IVAは完璧な会社ではありません。私自身も完璧ではないからこそ、社員の皆さんと共に成長し続けたいと思っています。
現在も、皆さんが普段使っているフリマサイトやSNSプラットフォームのように、日本人なら誰でも知っているようなサービスに成長させるために具体的な計画を実行しています。「自分が好きなもの、好きなことでビジネスをしていきたい気持ち」は学生時代から変わっておらず、今もそれを渇望できているのも、IVAならではでしょうか。
少しでもIVAに興味を持っていただけた方は、国籍問わず気軽にお話ししましょう。お会いできる日を楽しみにしています!