一保堂茶舗では2022年3月から、お茶の移動販売車「イッポドウカー」を始めました。店舗で待っているだけでは出会えないお客様との新たな出会いを求めて、商業施設、寺社、酒蔵、ホテル、観光地、キャンプ場など。え、こんなところにお茶?と思うような場所にも出店しています。この取組を運営しているのは、一保堂茶舗の法人営業部飲み場グループです。
新たなお客様と出会うには?
お茶には、喉の渇きを潤す「水分補給」のキャラクター。そしてもう一つ、暮らしに彩りを添えてくれる「嗜好品」としてのキャラクターがあると、私たちは思っています。
皆さまは、普段からお茶は召し上がりますか?
水分補給として、日常で飲まれている方は多くいらっしゃると思います。それもお茶の持つ大切な役割です。でも、嗜好品としてのお茶の顔、ご存じですか?ひとことお茶と言っても、知れば知るほどこんなに種類豊富なのか・・・と圧倒されるほどのラインナップ。些細なことで美味しさがグンと増す淹れ方の妙。ミルク、フルーツ、チョコレートと合わせたアレンジドリンクのバリエーション。大好きな味に出会えたり、自分ならではの淹れ方・味わい方を見つけたりする楽しさは、まさに嗜好品です。
私たちはこの嗜好品としてのお茶をもっともっとお伝えしたく、「対面販売」を大切に思っています。京都本店、東京丸の内店、NY店(現在休止中)、全国各百貨店の売り場や、国内外での催事イベントを運営しているゆえんです。お茶の移動販売車も、この延長線上にあります。どこの店舗でも出会うことが出来ない方。でも嗜好品を暮らしに取り入れたい方。まだまだ沢山いらっしゃるはず。お出会い出来そうな場所を探し、京都からイッポドウカーを走らせて出向いていっています。
イッポドウカーが出来るまで
実はこの車両は、日ごろはレストランのお得意先様にお茶をお届けする「配達車」なんです。配達車を更に活用しよう、移動販売に取り組んでみよう!そこから話は始まりました。
社内の決裁を取り、予算を確保して、限られた予算で何が必要だろう?と吟味し・・。車のサイズに合わせて専用家具を作ることにしました。家具のサイズ感は、機能性は、お客様からの見え方は。あれこれ議論した家具が出来上がれば、今度は装飾品。装飾の備品(茶筒や茶櫃)は、昔は使用していて長く倉庫に眠っていたものたちが活躍することに。ピカピカにして、再びお客様の前に立つことになりました。
いざ、じゃあ何を売るの?いつも店舗で売っているお茶と同じもので良いの?
皆で考え、試行錯誤しながら取り組み、ひとつの形が「お茶の物販とセルフテイクアウト」です。
お茶のセルフテイクアウト
移動販売車で美味しいお茶が飲める。お客様は嬉しいかもしれないけど、自分で美味しくお茶が淹れられたら、もっと嬉しいんじゃないか。「お茶の淹れるところからご自分で」楽しんで頂く、それがイッポドウカーで取り組んでいるセルフテイクアウトです。
ご自分で淹れることで、こんなに簡単なんだ、お茶って意外に面白い、そう思っていただけるように。スタッフが丁寧に淹れ方をレクチャーします。といっても、簡単に美味しく淹れられる便利アイテムを取り揃えているので、小さなお子さんでも楽しそうに取り組んでくれています。
抹茶の1回分スティックと、オリジナルデザインウォーターのセット。抹茶を、もっと気軽に楽しむには?お水とセットで販売し、その場で抹茶を作れたら面白いのでは?とは前々からあるアイデアでしたが、「移動販売車」が出来たことで、一気に実現しました!お客様がご自身で抹茶を作る、セルフテイクアウトのメニューで大活躍しています。新たな取組をスピーディーに導入でき、お客様のリアルな反応をキャッチできる場としても、移動販売車はとっても有用です。
移動販売のこれから
飲み場グループが中心となって、移動販売車は運営していますが、社外にも社内にも、もっと周知を高めたい!そんな思いで、毎度異なる場所へ出店し、そして毎度、他部署メンバーを誘って運営スタッフに巻き込んでいます。販売スタッフだけでなく、お茶の製造担当、海外事業部などの本社スタッフも。接客したことないけど・・・というスタッフとも、一緒に取り組みます。違う視点を取り入れ、改善点や課題を見つけ出し、そのたびに振り返ってどんどん良い取組にしていこう!と意欲的です。まだまだ試したいアイデアが複数あります。
移動販売の取組は、大きな売上にはなり得ないかもしれません。でも、雇用の維持に繋がる可能性は大いにあると思います。京都は繁閑の差がとても大きい街。繁忙時期は人手が要るけど閑散期は・・・とはよく聞く話です。閑散期があるなら、たくさんイッポドウカーで出店できるじゃないか!スタッフが活躍する場所を作ることも、移動販売車の役割の一つです。
京都は随分と以前の賑わいに戻ってきましたが、ここ数年は観光のお客様が激減しました。私共の店舗も休業を余儀なくされる時期もありました。店舗が開けられないことが、万一またあったとしても、移動販売のような機動性のある取組は、不測の事態への備えにも、なってくれると期待しています。
一保堂茶舗 法人営業部 飲み場グループは、更なる新たな挑戦のために新メンバーを募集しています。一緒に働いてみたい!ちょっと興味あるかも、という方、まずは是非お話をさせてください。