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久しぶりの更新です。ありがたいことに色々な媒体から応募頂けるようになり、改めて弊社の採用スタンスをお伝えしたいと思い徒然に書いてみます。
なぜキャリア面談を行うのか
弊社の選考においては、初回は会社紹介をメインとしたカジュアル面談、2回目は一次面接ではありますが「キャリア面談」という形式をとっています。
企業における選考過程は、基本的には「惹きつけ」と「見極め」に分かれます(正確にはこの2つのグラデーションですが)。
初回の会社紹介は、「惹きつけ」がほぼ100%です。但し、良いことばっかり言っていると色々と弊害が出てくるので、ネガティブポイントもちゃんとお伝えします(詳細は、『#5 ダメなとこを話しておこうと思う』のストーリーをご覧ください)。
会社紹介で興味を持ってくださった方には、後日、「見極め」フェーズに入る前に、一次面接のキャリア面談を行わせていただいております。内容としては、これまでのキャリアの入社理由や退職理由の深堀り、今後のキャリアプラン・ライフプラン、それを目指す上での今回の転職のきっかけや転職先選びの軸のヒアリングなどです。
問題は、なんでそんな面倒なことを求人する側の企業が、しかも代表がやっているのか、ということです(現状、弊社の採用活動はすべて私が行っています。申し遅れました。弊社のストーリーを記載しているのはすべて私(代表)です)。
スタートラインにすら立っていない人が多すぎる
1つ目の理由は、肌感としてですが、(誤解を恐れずに言いますが)転職に際してほとんどの応募者の方にはまともな相談相手がいないのだなぁと感じています(私も最初はそうでした)。
私は幸いにも、NPO・大手企業・伸び盛りのスタートアップ・スタートアップの共同創業者・独立(スタートアップではなくスモールビジネスとしてのベンチャー)と、だいたいのカテゴリの企業を経験してくることができました(外資系も経験しておきたかったです)。一番の転機は、「大企業から伸び盛りのスタートアップに転職」した時です(可処分所得は半分になりました)。当時、とりあえずビズリーチさんに登録していたところ、10名以上のエージェントの方から連絡が来ました。ただ、そのほとんどが、「より年収の高い同業他社」などの紹介がメインでした。エージェントさんのビジネスモデルを考えると当然です。転職先の年収の約30%程度が彼らの手数料になるので、年収の高い企業に転職させる方が稼げるからです。しかし、1人のエージェントの方だけは違いました。その方は、大手人材コンサルティング企業のリンクアンドモチベーションさんから独立されたばかりの方で、社員もゼロという状態で、だからこそその人とマンツーマンでお話しをさせていただくことができました。私がどうなりたいのか、何のために転職するのか、その為にどんな企業を選んだらいいのかをとても親身に話してくださいました。そして、私はその方が紹介してくださった企業の中から転職先を決めました。
私の話が長くなってしまいましたが、何を言いたかったかというと、「誰に相談するかはめっちゃ大事」ということです。正直、色々な企業や行政の転職相談窓口的なところに居る人は、ほとんど転職を経験してないでしょう。エージェントさんも然りです。※偏見まみれですみません。
で、見出しの話になるのですが、そういった方としか相談していない、もしくは誰とも相談していない人は、正直スタートラインにすら立っていないと思っています。それはすごくもったいないと思っています。その状態で普通に面接を行ってしまうと、「ちゃんと教えてあげたら伸びるような、実はめっちゃいい人・ポテンシャルがある人」でも私は落選にするしかなくなってしまいます。だからキャリア面談を行い、きちんと転職活動を行ってもらってから、「また来てください」とお伝えしています。
キャリア面談を受けてからの行動でその人がわかる
2つ目の理由は、キャリア面談後の転職活動への取り組み方から、その方の仕事への取り組み方・向き合い方が見えてくるからです。上記のようなキャリア面談を行った結果、だいたいの方に「しっかりと転職活動をしてからまた来てください」というネクストアクションをお伝えするのですが、その後に再度面談を希望してくださった方に対しては、『前回との変化幅』を視るようにしています。何も善意だけでキャリア面談をしているわけではありません。これも立派な選考過程(見極め)だと考えています。
転職活動というのも一種のプロジェクトです。決められた期間までに(期日)、投下できる時間(コスト)をコントロールし、最良の結果(品質)をアウトプットする(内定をGETする)。その過程においては、論理的思考力や行動力、戦略思考、時間管理、リサーチ力、プロジェクトマネジメント力などが問われます(ちょっと粒度の異なるスキルを雑に並べてしまいましたがご容赦ください)。
また、私との約束へのコミットメント力もそこには現れてきますし、どういった転職活動を行ったかを共有いただく際にはプレゼン力も大事になってきます(実際にプレゼンいただくわけではありません)。
転職が今や当たり前になったとはいえ、正直自分自身の人生の一大イベントですら真剣になれない方は、恐らく弊社のような創業間もないベンチャーに就職されても活躍されるのは難しいかなと思います。
よりよい転職活動がその後のコミットメントに繋がる
前提、「正しい決断」というものはないと思います。これは前述の転職活動中にある経営者の方から教えていただいたのですが、「正しい決断はわからない。大切なのは"強く"決断し、あとはそれを正解にする為に努力するだけ」という言葉です。正直、何が正解なのかなんて誰にもわかりません。一方で、どう考えても失敗する確率の高い決断はあります。成功には様々な要因がありますが、失敗はだいたい同じ法則があります。だから、明らかに失敗する法則を避け、『強く』、つまり何かしら信念(軸)のようなものを持って決断し、あとは頑張るだけってことです。
創業間もないベンチャーなんて(楽しいこともいっぱいありますが)苦労の連続です(一方で、何も捨てずに何かを得ようとするのは虫のいい話です。気の合う仲間、やりがいのある仕事、得難い経験、未経験から経験を積むこと、など、何かを得たいのであれば何かを犠牲にしなければいけないので、一定の苦労はむしろ買ってでもすべきだと考えています)。一方で、やはり隣の芝生は青く見えるものです。友人が仮に転職に成功し「年収が上がった」「こんな面白い仕事をすることができている」という話を聞いたら、「あぁ、あっちに転職しておけばよかった」と思ってしまうことはゼロではないと思います。そうならない為に、中途半端な転職活動はしてほしくないのです。
よく「ご縁を大事にしています」と言って、1社ずつしか選考を受けない方が沢山いらっしゃいます。私も、新卒の時は真っ先に内定をくださった企業に決めたということもありますし、これまでも多くのご縁には恵まれてきたと思うので、「ご縁」自体は否定するつもりはありません。一方で、「ご縁」「運」というのは、”あとから振り返った時に”感謝の気持ちや謙虚さを忘れない為に使うものであって、まだ掴んでもいないものを「ご縁」と言うのは早計な気がします。
長くなりましたが、私としてキャリア面談をすることでその方がより良い転職活動を行い、結果として弊社を選んでいただき、弊社がその方と一緒にお仕事をしたいと思えたなら、恐らくそれは"双方にとって"一緒に働く上での大切な繋がり(=コミットメント)になると考えています。
結び
さて、タイトルに戻るのですが、『ぜひウチに!』とは絶対に選考の過程で私は言いません。これも以前ある経営者の方から教わったことです。「こちらから積極的に勧誘した場合、将来的にそれは言い訳に繋がる」というお話しです。何か嫌なことがあった時、「あの時社長が熱心に誘ってくれたから入社したんだけどなぁ~」みたいな感じです。なので、私は「自分の意志で」弊社への入社を決断いただきたく、こちらから『ぜひウチに!』とは、どれだけ優秀な方であっても言いません。覚悟を問う為です。
ま、大前提選ばれるような企業に弊社がならないといけないわけですが(自分への戒め)。
繰り返しになりますが、弊社のストーリーの目的は採用におけるミスマッチをなくすことを目的としています。それは選考過程においても同じです。よりよい転職活動が双方にとってよりよい結果となると考えておりますので、ご理解いただけますと幸いです。