前回は、村田が大手証券会社を辞めた直後に見た現実についてお伝えしました。
家族の不安。
父親や親戚からの反対。
大手の看板が外れた時に感じた距離。
それでも、選んだ道を正解にしていくという覚悟。
では、実際にIFAとして独立した後、何が起きたのでしょうか。
IFAには、自由な働き方や高い報酬率といったイメージがあるかもしれません。
しかし、自由であることと、楽であることは違います。
今回は、村田が0件0円からどのように立ち上がっていったのか。
収入のリアル、保険営業への挑戦、独立初期の苦労について聞きました。
証券時代のお客様を引っ張ってきたわけではなかった
IFAとして独立する人に対して、こんなイメージを持つ人もいるかもしれません。
前職のお客様を引き継いでいるのではないか。
すでに見込み客がたくさんいたのではないか。
だから独立後も、ある程度スムーズに立ち上がったのではないか。
しかし、村田の場合は違いました。
「証券時代のお客様を一人も引っ張ってきていません。年賀状のやり取りをしていた方が数名いたくらいで、ほぼゼロからのスタートでした」
大手証券会社を辞める。
安定した収入を手放す。
そして、お客様も持っていない。
まさに、0件0円からのスタートでした。
だからこそ、最初に向き合ったのは、保険営業でした。
0件0円から、保険営業を始めた
独立後、村田が最初に本格的に取り組んだのは保険営業でした。
証券会社で経験を積んできた村田にとって、保険はまったく別の世界です。
商品も違う。
営業の進め方も違う。
お客様との関係の作り方も違う。
しかも、証券時代のお客様を持ってきたわけではない。
まさに新人のように、ゼロから走り始める必要がありました。
「新人のようにやりました。最初の2年間は、修行のような感覚でした」
身近な人に声をかける。
友人や家族、親戚のつながりに向き合う。
紹介をお願いする。
とにかく会う。
もちろん、抵抗がなかったわけではありません。
大手証券会社で働いていた自分が、身近な人に保険の話をする。
周囲からどう見られるのか。
営業っぽく見られないか。
そういう葛藤もありました。
それでも村田は、そこで踏み出しました。
「どう見られるかではなく、どうなりたいかを優先しました」
証券だけでなく、保険も扱えるようになりたい。
家族や友人の役にも立てる存在になりたい。
お客様の人生全体を支えられるようになりたい。
そのためには、ここを乗り越える必要がありました。
独立したら楽になると思っていた。でも、最初の2年間はほとんど家にいなかった
独立前、村田は妻にこう話していました。
「独立したら、今より楽になる」
「もう少し家にいられるようになる」
投資銀行部門での激務から離れれば、少しは生活が変わる。
そう思っていた部分もありました。
しかし、現実は違いました。
独立後の最初の2年間、村田は土日もほとんど仕事をしていました。
新しい領域で成果を出すために、動き続ける必要があったからです。
「独立したら楽になると言っていたのに、最初の2年間はほとんど家にいませんでした。そこは今でも言われます」
独立すれば、すぐに自由になる。
時間を自由に使える。
家族との時間も増える。
そういうイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかし、実際には、自由になるための土台を自分で作らなければなりません。
最初は、むしろ大変です。
成果が出るまで走らなければならない。
収入が安定するまで、生活も不安定になる。
家族にも負担をかける。
それが独立初期のリアルでした。
収入のリアル。最初の3〜4ヶ月は貯金を切り崩した
独立やIFA転職を考える人にとって、一番気になるのは収入かもしれません。
村田も、ここは隠さず伝えたいと言います。
保険営業では、契約が決まっても、実際に収入として入ってくるまでにタイムラグがあります。
そのため、最初の数ヶ月はかなり厳しかったといいます。
「最初の3〜4ヶ月は、本当にお金がありませんでした。貯金を切り崩していました」
生活コストを下げるために、引っ越しもしました。
収入が落ちることを見越して、住む場所を変える。
生活を守るために、現実的な判断をする。
そこまで含めて、独立でした。
一方で、立ち上がりは決して悪くありませんでした。
保険営業を始めてから、9ヶ月ほどで保険業界の達成基準でもあるMDRT入会基準に到達。
年収1000万円前後のイメージが見えるところまでは、比較的早く到達できたといいます。
ただ、それでも最初から安定していたわけではありません。
「順調な方だったと思います。でも、最初の数ヶ月はきつかったです」
IFAや独立には、夢があります。
しかし、立ち上がりには現実があります。
この両方を知った上で進むことが大切です。
証券マンとしての地力は、確実に武器になる
保険営業に飛び込んだ村田が感じたことがあります。
それは、証券会社で培ってきた金融マンとしての地力は、確実に武器になるということです。
保険だけを説明するのではなく、資産運用、税金、法人財務、相続、家族の将来まで含めて話ができる。
お客様の何気ない一言に対して、金融全体の知見から返せる。
これは大きな強みでした。
「保険営業でも、金融のバックグラウンドがあることは大きかったです。台本通りに話すだけではなく、お客様の状況に応じて、自分の言葉で話せるかどうかは全然違います」
証券会社で厳しい目標に向き合ってきた経験。
お客様の資産に向き合ってきた経験。
相場や商品、法人や個人の資産構造を見てきた経験。
それらは、IFAとしても活きます。
だからこそ村田は、証券会社や銀行で経験を積んできた人に対して、こう伝えたいと言います。
「金融の世界でしっかり経験を積んできた人であれば、IFAとしても戦える可能性は十分にあると思います」
ただし、それは「大手出身なら簡単に成功する」という意味ではありません。
大手の看板が外れた時に、自分で動けるか。
人に会えるか。
紹介を生み出せるか。
学び続けられるか。
そこが問われます。
立ち上がりに必要なのは、覚悟と現実的な準備
村田の独立初期は、決して華やかなものではありませんでした。
証券時代のお客様を引っ張ってきたわけではない。
0件0円から保険営業を始めた。
最初の数ヶ月は貯金を切り崩した。
生活コストを下げるために引っ越しもした。
独立したら楽になると思っていたのに、最初の2年間は土日も仕事だった。
それでも、そこを乗り越えた先に、金融アドバイザーとしての新しい可能性がありました。
証券だけでは届けきれなかった提案ができる。
保険や不動産、法人財務も含めて、お客様の人生全体を見られるようになる。
自分の学びや努力が、お客様への価値提供に直結する。
IFAになることは、自由を得ることではあります。
しかし、最初から自由になるわけではありません。
自分で土台を作り、自分で信頼を積み上げ、自分で道を切り拓いていく。
それが、IFA立ち上がりのリアルでした。
次回は、IFAとして長く活躍する人にはどんな特徴があるのか。
保険業界出身者の可能性、営業スタイルの作り方、そしてFinancial Escortが一緒に働きたい人についてお伝えします。