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【後編】ただのドライバーが2億円企業を立ち上げるまでのお話。 あと物流業界の問題とか。

※ ここでは創業当初からの社員が独断と偏見で会社の創業秘話をお伝えします。社長、ごめんなさい。

前回のストーリーでは創業から今までの歩みを説明しました。(->前編)

たった3年間ですが、密度の濃い時間でした。多くを学びました。他の業界にいたら見えることのなかった物流業界ならではの内情を深く知ることができました。

労働時間

忙しい時期では1日25時間は働きました。ええ。運転時間が長いのではなく、待機時間が長いのです。

主な理由は「お客さんに待たされる」からです。最悪の場合、一日中待たされることもあります。

先ほど、引越の荷物も運ぶと申し上げました。この文章を読んでいる皆さんはおそらく社会人で、人生で一度は引っ越しの経験があることでしょう。

このストーリー読んでくださっている物好きの読者のみなさんにお聞きしたいのですが、その引っ越しは時間通りに進みましたか。業者に言われた通り、全部ちゃんと梱包しましたか。本棚は空っぽにしましたか。作業員が到着する前にベッドは解体しておきましたか。積み忘れはないですか。作業員や、トラックの運転手を待たせているという自覚はありますか。そんなの金払ってるんだから関係ないですか。

僕自身、20回以上、引越しの輸送を担当しましたが、一度も時間通りに進んだことがありません。ただ、作業時間が延長したからといって、運行開始から8時間が経過しても帰宅することはできません。作業はまだ終わってませんし、トラックをそこに路上駐車しっぱなしにすることはできません。途中で帰ろうにも自宅は何百キロも先です。どれだけ作業予定時間が延長しようとも必ず最後まで運び届ける必要があるのです。

冒頭冗談で1日25時間働いたと申し上げましたが、本当に笑えないほど働いたこともあります。

この問題に関しては具体的な解決方法がわかりませんが、テクノロジーの力でなんとか変えられると強く信じてます。

会社間のやりとり

FAXってご存知ですか。かつて世界で広く使われていた古のテクノロジーです。

物流業階では未だにこのテクノロジーが蔓延っています。

理由は「いきなり変えられない」からです。なぜなら他も使っているから。自分たちが大手なら立場の弱い他の運送会社に新しいアプリやクラウド上でのやり取りを強要できるのですが、中小企業がひとつ改革を起こしても、他の企業は変えてくれません。

具体的にどのように使うのかと言いますと、輸送の依頼に使います。お客様から依頼書を受け取り、その依頼書の空欄、運転手名や車番、電話番号を記入し、またFAXで返送します。現場での確認のために使用します。メールでもいいのですが、お客様がFAXを希望する場合はそれに従うほかありません。

ここに関してはいろんなソリューションアイデアがあります。クラウド上で依頼書をやりとりできるプラットフォームや、スマートフォンでFAXの送受信ができるアプリなどです。工夫をすればいくらでも代替するサービスはあるのですが、我々のターゲットとする層はスマホの使いかもままならない年配の方々です。とにかく導入が簡単で面倒な工程のない、使いやすいサービスを導入する必要があります。

どんどん値下げされる運賃

上記2点は副次的な問題に過ぎません。人件費、ドライバーの給料に直結する運賃が法外に低いがために労働時間が延び、社内の業務改革に割く時間がありません。頭脳労働ではありません。より少ない時間で生産的、効率的な働き方よりも、睡眠時間を削ってとにかくより多くの時間働く方がより運賃 — 給料を稼ぐことができます。ギリギリまで働いて余剰を稼ぐ。もともと、そのつもりでそんな働き方を迎合していたのでしょう。が、不況になると依頼主はコストカットを行います。それまで余剰を稼いでいた気のいい運ちゃん達は運賃の値下げ交渉に応じました。おそらくそのころから負の連鎖が起きていたと思われます。人件費のコストカットは全ての業界で起きます。給料が減ると消費が減り、全体の売上が減少する。そうすると企業はまたコストカットを行う。デフレの到来です。

睡眠時間を削ってでも働く、が常態化していたドライバーたち、運送事業者たちはいつしか今まで通りの労働環境で、自分たちが生きていける最低限の給料に甘んじることになりました。お客さんの言うことは絶対ですから。でないと、契約を切られ他の運送会社に仕事を持っていかれます。

ウーバーを使用したことがあるでしょうか。ウーバーイーツではありません。タクシー事業としてのウーバーです。ジャパンタクシー、GO、DiDiでも構いません。使用したことのある方は思い出してください。そうでない方は想像してみてください。

アプリを立ち上げると「どこまで行きたい?」と聞かれます。目的地を打ち込むと現在地からの距離を取得、大体の運賃が表示されます。そのタクシーが目的地に到着してもその場で料金を支払う必要はありません。アカウントに紐づいたクレジットカードや銀行口座から引き落とされます。

このシステムに衝撃を受けました。このシステムを駆使すれば運送業界の運賃問題は解決するのでは?と感じました。

あらかじめアルゴリズムに基づいた大体の運賃が表示される、運行後、実際に走った走行距離から料金の支払いを求めることができる。もし待機させられたらその時間も含めて。

まだまだ、解決策としての案があります。我々の強みは現場経験があるため、実際に現場で使えるサービス作りをユーザー視点で行えることです。

最後に

物流業界は民間企業が行っている事業ですが、文明社会にとってなくてはならない業界です。

コロナ渦であっても仕事がなくなることはありませんでした。物流業界は日本社会を作るインフラの一部です。

労働基準法や運送事業法令で定められた労働時間を遵守しているとドライバーたちは生活が立ち行かなくなります。冒頭申し上げました。我々はたびたび待機させられます。待機した時間、予定時間を超過した分に関しては追加料金をいただけません。

我々はこの社会問題の一部をテクノロジーの力で解決するためにこのたびIT事業部を発足、渋谷にオフィスを構え優秀なエンジニアを集めることにしました。

地味でニッチな業界ですが、必ずどこかで誰かに感謝されるサービスを提供できることを信じてます。

地方で創業しました。関東市場への参入は夢の1つでしたが、東京オフィスはmirai計画の終着点はではありません。創業当初から、日本一など目指しておりません。東京はグローバルビジネスへの扉です。今回は新規事業としてIT業界に参入しますが、他にも伸び代のある業界、国、文化圏はたくさんあります。

常に業界の外にもチャンスと活路を見出していきます。

我々は共に邁進できる仲間を探してます。

あなたのお話もお聞かせください。

少しでも共感、いいなと思った方はぜひお話しさせてください。

ご連絡お待ちしております。

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