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【Vol.5】点を線で結ぶ

近年、地方活性化の切り札として観光が注目されるようになって久しい。正直、成功例はわずかでほとんどが失敗。何故ならお客様目線ではなく地元目線での取り組みだから。特に行政主導のものは目も当てられないほどお粗末なものも多く、広告代理店に丸投げして、イベントに頼り、このデジタルの時代に幟旗、ポスター、パンフレットの”三種の神器”を作ってご満足(笑)。ここ数年ようやくデジタルマーケティングの需要性を意識し始めているが、お決まりのように著名なインフルエンサーを招いてInstagramやTwitterで投稿してもらう程度で「うちの村はデジタルマーケティングに取り組んで出ます!」と自己満足。それで結果が出るはずも無いですよね。

また、良く見かけるのが「うちの町は海の幸が美味しいですよ!」「当市の山からの景色は絶景なんです!」と観光協会や自治体職員、旅館の女将さんたちが法被をきて駅前や空港でPRをしているけど、島国の日本はどこでも海の幸が美味しいし、山からの景色が良いところなんていくらでもあるわけです。

つまり何が言いたいかというと、どこにでもある素材を使ってみんながやっている手法で集客をしようとしても難しいということ。やはり観光で地域を活性化するなら、ユニークな素材を活用するだけでなく、地元の民間企業が主体となって取り組まないとそう簡単には上手くいかないと考えます。


放ったらかしでは観光客はしんどい

この20年ほどで国内の観光スタイルは団体から個人へ移行してきたが、コロナ禍によって完全に個人ベースの旅行へシフトしたと言っても過言ではない。また、屋内より密にならない屋外を好む傾向が強まり、食事もテイクアウトが普及してきた。そんなポストコロナに求められている観光のスタイルは何か?
しっかりと分析して戦略を練る必要が有ります。

そんな中、コロナ前より急成長していたのが”シェアリングエコノミー”。観光で言えばレンタサイクルやカーシェアリングが急速に普及して来た。しかし、ここに落とし穴があると考えている。「レンタサイクルに乗ってどうぞ街を散策してください! 今はスマホが有るから大丈夫ですよね!」みたいなことをいう人がいるが、初めて訪れた街をいきなり迷うことなく巡れと言われてもかなり厳しいわけで、多くの観光客がレンタル場所の周辺を30分程度回って終わり。何となく観光した気分になっているが、満足度は低い状態で帰路に着くことだろう。しかし、自転車は活用次第では非常に有効な2次交通になり得ると考える。歩くと遠い、車で回るのは面倒。だけど自転車ならば自由に回ることが出来、歩行と車の中間を埋めることができる優れた乗り物なんです。



点在する観光資源を結びつけることが大切

先程、自転車は便利な乗り物だけど、セルフで巡るのは厳しいと話した。そこで当社ではガイド付きのサイクリングツアーの商品化に取り組んでいる。現在、シークルーズのある天草とグループ会社の球磨川くだりのある人吉の2箇所で取り組みを進めており、モニターツアーを開催し練度を高めている。
この記事で使用している写真は全て人吉のもの。球磨川くだり人吉発船場をスタートし、人吉城址・国宝青井阿蘇神社・人吉駅に整備が進んでいる復興商店街”モゾカタウン”などを巡り街の雰囲気を感じて頂く。また、地元のお茶屋さんや醤油醸造所に立ち寄り地元の方の説明を受けながら見学を行い、地元人との交流を行なっている。これまでの人吉ではそれぞれのスポットをピンポイントで訪れることはあっても、ここまで周遊する観光客は皆無だった。つまり、ガイド付きのサイクリングツアーを開催することで”点が線”になったと言えるのでは無いだろうか。



結局は地域に観光プランナーが必要だということ

地域の良さを伝えるためには、周遊することで地元の風土を感じ、人と触れ合うことが重要。そのためにも地域を深く理解して、最適なルートと素材の組み合わせを行う企画者が必要なのは間違いありません。これからの地方において観光産業を伸ばしていく鍵はイベントでもなく、補助金でもなく、”観光プランナー”だと確信しています。そんなこともあり、シークルーズでは地域の魅力を引き出してくれる観光プランナーを募集しています。

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