創業社長インタビュー!「スキルなし」「知識なし」の就活生が観光マーケティング会社のJAPAN SELECT株式会社を創業するまで。
「学生起業家」として、大学時代に1社目の営業会社を立ち上げた梅野社長。
大学時代から食品ロスに注目していた彼が目の当たりにしたのは、収穫もされずにトラクターで潰されていく“規格外品”の野菜たち。
ビジネスとしての理想と現実のギャップに悩まされながらも、「地元農家(作り手)の想いをいかに伝えるか」に着目。
この出来事が、JAPAN SELECT株式会社を設立するきっかけとなりました。
「起業しても、自分がやるべきことは変わらない」と語る、代表の梅野。
現在の「揺るがない信念」とは裏腹に、就職活動時代は苦悩の連続だったそうです。
学生起業家から現在まで、3社を経営してきた梅野社長だからこそ見える「景色」「考え方」「今後の展望」について伺いました。
JAPAN SELECT株式会社 代表取締役社長 梅野涼太
<プロフィール>
・同志社大学在学中に学生企業(現在3社目を設立)
・47都道府県のInstagramアカウントを運用し地域貢献を
・地域の食材の想いをのせた高級チーズテリーヌANO TERRINEを販売
SNSマーケティングの最前線を突き進む、JAPAN SELECT株式会社とは?
- “総フォロワー数120万人超え”の自社メディア「JAPAN SELECT」を運営し、47都道府県の魅力を発信中
- 現在はInstagramを利用したSNSマーケティング支援を中心に、SNSの運用代行やクリエイティブ制作で活躍中
- 日本各地の「食文化」「季節感」「奥ゆかしさ」に注目。各都道府県を代表する食材を使用した、高級チーズテリーヌ「ANO TERRINE」を設立
- 広告業界の最前線を走り続ける企業として、「まだ世間に知られていない”作り手の想い”」の発見・情報発信を目指す
SNSマーケティングのプロとして、“総フォロワー数120万人超え”を達成!自社アカウントを運用する強みとは?
JAPAN SELECT株式会社といえば、総フォロワー数120万人超えの自社メディア「JAPAN SELECT」が強みですよね。
「JAPAN SELECT」の特徴といえば、47都道府県別に開設したInstagramアカウント。
各都道府県別に分けてアカウントを作るというのは、地道な作業の連続だったのではないでしょうか?
<梅野>
正直、苦い思い出の1つですね…(苦笑)
しかし、「地域密着型の情報発信」が武器の弊社にとって、絶対に欠かせない作業でした。
普通なら、1つのアカウントで全国の情報発信をした方が手っ取り早いと考えますよね。
あえてアカウントを分けたのは、何か戦略があってのことですか?
<梅野>
そうですね。
アカウントを1つに分けてしまうと、地域密着型の意味がないというか。
弊社の“持ち味”が出せないんですよ。
と、いいますと?
<梅野>
弊社の考え方として、まずは「地元の人たちに向けて、地元に関する情報発信がしたかった」という想いがあります。
各都道府県別にアカウントを開設した理由もその1つです。
たとえば、お客様からの依頼が「大阪の飲食店をPRすること」だとします。
飲食店の集客・売上アップを狙いたいなら、“大阪府民”に向けて情報を発信した方が、効果が高くなるんです。
つまり、地域別に情報を発信することで、“情報の無駄打ち”が無くなるというわけですね。
アカウントを1つにして全国規模にしてしまうと、「フォロワーの中に大阪府民が何人いるか」が分からないですから。
なるほど、あえてアカウントを都道府県別に分けたのは、そのような戦略があったからだったんですね。
<梅野>
そうですね。
ですが、それだけではありません。
アカウントを都道府県別に分けることで、アカウント同士が点と点のように繋がっていくんです。
最終的には「全国規模の情報発信」が実現できるというわけです。
お客様の中には、地元だけではなく全国規模で情報を発信した方が、集客効果を狙えるケースもあります。
お客様のサービスや特徴によって、発信規模をコントロールできるのも弊社の強みです。
「アカウントの開設」や「ファン化」など、47個分の作業量は相当なものでしたが、得られるメリットは大きかったといえます。
やはり「継続力」がものをいいますね。
なるほど、情報発信の規模をコントロールできるメリットは大きいですね。
集客効果以外にも、得られるメリットはあったのでしょうか?
<梅野>
そうですね。
弊社が地元の魅力を発信することで、「地域を一緒に盛り上げたい」と、弊社に賛同・協力してくれる方たちが増えました。
地元の情報発信に特化したことで、「地方創生」の取り組みにも繋がったんです。
誰だって、自分の住んでいる街には“愛着”や“思い入れ”があるのだと思います。
弊社の事業に共感していただける方が増えていくのは、大変ありがたいですね。
一度関わったお客様とは、継続的にお付き合いが続く方ばかりです。
我々が成長すれば、お客様にもたらす利益も大きくなる。
まさに、二人三脚のような関係です。
「一般企業に就職して働く自分」が想像できなかった就活時代
現在は「SNSマーケティング支援」「高級チーズテリーヌ専門店 ANO TERRINE」「画像・動画などのクリエイティブ制作」など、順調に事業を拡大させている梅野社長。
学生時代は、どのように過ごされていたのでしょうか?
<梅野>
大学時代は学生起業家として、営業会社を立ち上げていました。
それ以外は、ごくごく普通の大学生として過ごしていましたね。
だからなのか、いざ就職活動が始まると「このまま就活しても、いい結果が望めないのではないか?」と焦り始めたんです。
なので、まずは「学生インターン」として、営業を学ぶために一足早く社会に出ることにしました。
周りの学生が就活生として歩んでいる道が、どうしても自分に合っているとは思えなかったんですよね。
インターン生として活動する中で、毎日さまざまな社長に出会ってきました。
魅力的だなと思う社長は、「好奇心旺盛」「日々ワクワクしている」「自分の軸がはっきりしている」ような人が多かったですね。
そんな彼らの姿に刺激を受け、「このまま就職せずに会社を設立した方が、自分は輝けるんじゃないか?」と思ったんです。
「“就活生”という枠から飛び出して、自分に合う道を作る。」
これが後に、JAPAN SELECT株式会社を設立するきっかけとなりました。
今は「企業としてやるべきこと」がしっかりと見えているので、大変ながらも充実した毎日を過ごしています。
自分があのまま一般企業に就職していたら…うん、ちょっと想像出来ないですね(苦笑)
捨てる野菜がない?!やりたいことをビジネスに転換する難しさ
JAPAN SELECT株式会社が独自で運用する地域密着型メディア「JAPAN SELECT」は、グルメ・お出かけに関する情報を発信しています。
拝見すると、素敵なホテルや飲食店を紹介する投稿ばかりですね。
もともと、グルメや観光には興味があったのでしょうか?
<梅野>
そうですね。
学生時代から、「食品ロスの解消」や「地方創生」に注目していました。
その中でも自分がこだわったのは、「規定外品」として扱われる食材たちです。
「売りものにならないから」と捨てられたり、収穫する手間を省くためにトラクターで潰したりと、悲惨な現状を目の当たりにしていました。
この状況をなんとかしたいと、自分から農家さんに声を掛けたこともあります。
規定外品の野菜を集めて販売したときは、やりがいを感じましたね。
でもあるとき、「譲ってあげたいけど、うちには捨てる野菜がない」って言われたことがあったんです。
普通なら、食品ロスがないのは喜ばしいことですよね。
でも、食品ロスを集めるだけではビジネスにならないんだと痛感したんです。
この出来事をきっかけに、理想と現実のギャップを感じ始めました。
今の自分じゃ、この現実をどうしようもできないし、ビジネスとしてもやっていけない。
一方で、「農家さん・作り手の想いを知ってもらう機会はまだまだ少ない」という思いも芽生え始めました。
「まだ世に知られていないもの」を発掘する面白さは、まさに宝探し
日本にはまだまだ世間に知られていない「素晴らしいもの」が埋もれている。
この事実を知ってもらうために、JAPAN SELECT株式会社が誕生したんですね。
総フォロワー数120万人を超え、今では作り手の想いを発信する「ツール」へと成長しました。
改めて、社名にも含まれている「JAPAN SELECT」に込められた意味を教えていただけますか?
<梅野>
社名でもある「JAPAN SELECT」とは、「日本の数々の素敵なものをセレクト・ピックアップし、情報を発信すること」にあります。
セレクトするといっても、ただ「有名店や流行りの店を選べばいいわけではない」ところが難しいところですね。
あくまでも「素敵なことをしているのに、日が当たっていないお店・場所」をセレクトし、集客アップを目指した情報を発信しています。
流行りの波に隠れた“素敵なもの”をセレクトする作業は、まさに「宝探し」です。
有名店や流行りの店ではなく、「何か光るもの」を持ったお店・場所をセレクトしているのですね。
各都道府県別にセレクトしていくとなると、かなり大変な作業だったのではないでしょうか?
<梅野>
そうですね。
大変な作業でしたが、やはり「継続力」がものをいいますね。
どんなに大変でも、とにかく続けることが大事です。
とはいえ、社内の力だけでは限界があるので、各都道府県のアンバサダーさんに協力を仰いだり、行政と連携したりして選定しています。
JAPAN SELECTは多くのご支援を受けながら成り立っているのですね。
梅野社長はJAPAN SELECTを通して、社会のどのような部分を変えていけると思いますか?
<梅野>
SNSが欠かせない存在となった昨今でも、流行りの波に埋もれた「素晴らしいもの」は山ほどあります。
日々情報を発信する中で「こんなにも素晴らしい“想い”を持っているのに、まだ世間に知られていないなんて。」と、無力さを痛感することもありますね。
JAPAN SELECTを通して、こうした社会の負の部分を変えていきたいと思っています。
JAPAN SELECT株式会社として事業を続ける上で、最も苦労したことはありますか?
<梅野>
やはり、自社で運用するアカウントを都道府県別に作成したことですかね。
今でこそ総フォロワー数120万人以上を突破していますが、1つ1つ運用していくとなると途方もない作業です。
しかし、「絶対に成功させるぞ」と信念を貫き、とにかく「継続すること」に重きを置いていました。
失敗しても、それを原動力にして、とにかく続ける。
何事も、この考え方がベースにあります。
事業を成功させるには、「失敗」を「原動力」に変える能力が必要なのですね。
チャレンジ精神溢れる梅野社長が、JAPAN SELECT株式会社を立ち上げてから最も感動した経験はなんでしょうか?
<梅野>
会社がSNSマーケターとして成功すればするほどお客様も成長していく、このサイクルが出来上がったことですね。
これは、自社メディアを運用する弊社だからこその強みともいえます。
売上・集客アップにより、お客様に大きく貢献できたときは、いち起業家として大きなやりがいを感じました。
月並みな回答かもしれませんが、弊社にとってはこれが全てと言っても過言ではありません。
お客様に貢献し続けることで、弊社の事業に共感・賛同してくださるお客様が増えていく。
ご縁がご縁を呼んで、大きな輪ができていくイメージですね。
なので、これからも感動は続いていきますし、お客様にも貢献し続けられる企業を目指していきます。
成長の秘訣は「軸をブレさせないこと」
広告業界の最前線を走り続けるJAPAN SELECT株式会社。
企業が成長していく上で、重要視していることはありますか?
<梅野>
そうですね、シンプルな回答になってしまいますが…「会社の軸をブレさせないこと」でしょうか。
弊社にとっての軸とは、「まだ世間に知られていない“素敵なもの”を発見し、情報を発信し続けること」…これに尽きますね。
あれもこれもと手を出さず、やるべきことを1点集中で行うことが重要なんですね。
はい。
SNSマーケティング支援事業・制作クリエイティブ事業・高級チーズテリーヌ専門店の設立も、元を辿れば考え方は同じです。
この軸がブレたらJAPAN SELECTの存在価値がなくなってしまうし、協力・賛同してくれる方の信頼を裏切ることになると考えています。
企業として目指すべき方向が決まっているからこそ、やるべきことに全力で取り組めるんです。
お客様の存在こそが原動力なので、結果を出し続けることが全てです。
これは、どの業界・企業にも言えることですけどね。
「企業としての成功」と言うと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、やっていることは非常にシンプルです。
お客様の期待は裏切れないし、裏切らない。
「多くのお客様に賛同していただき、いかにプロジェクトを成功させていくか」が、成功の秘訣です。
業界のトップを目指し、最前線を走り続けるJAPAN SELECTですが、今後の展望についてはどのように考えていらっしゃいますか?
<梅野>
弊社は、人と人との「ご縁」によって成り立っています。
ですので、事業の成長を通して、より「お客様に恩返しができる企業」になることが目標です。
1人でも多くの方に「JAPAN SELECTと出会えてよかった」と思ってもらえたら、最高ですね。
いち社長、いち社会人として、皆さんにメッセージ
いち社長として、今後どのような人材が求められていくと思いますか?
<梅野>
社会経験の有無を問わず、「チャレンジ精神溢れる人」ですね。
チャレンジ精神があれば、いくらでも成長する機会を得られ、いつまでも進化し続けられます。
1番もったいないのは、「自分にはできない」と諦めてしまうことですね。
よく「成功」と「失敗」を切り離して考えている人が多いのですが、自分はそうは思いません。
失敗は、あくまでも成功へのプロセスなんですね。
失敗を繰り返した先にこそ成功があると思っているので、失敗しても自分を責めずに前進することが重要です。
たとえ失敗したとしても、その失敗を自分の原動力に変えて、挑戦し続けていく…どの業界であっても、このような人材が求められていると思います。
また、「素直に助けを求められるかどうか」も非常に重要ですね。
企業としても、人としても、できることには限界がありますから。
中には、人に助けを求めることに「恥ずかしさ」を感じる人もいるかもしれません。
しかし、「助けを求める度胸」を身に付けることで、「自分に協力してくれそうな人を見つける能力」が得られるんです。
時には人の力を借りてでも、物事を成功させる「貪欲さ」が求められますね。
企業として、人として成長していくには、「挑戦することを恐れないこと」「素直に助けを求められるかどうか」が重要なんですね。
最後に、いち社会人として、就活・転職活動中の人たちにメッセージをお願いします。
<梅野>
就活時代の自分は、周りと逆の方向を向いていた人間なので、常に逆境の中にいました。
けれど、大学時代から今日まで「諦めずにやり続ける」ことで、人間としても企業としても成長してこれたと思っています。
広告業界としても、まだまだ上を目指せる自信がありますし、業界トップをとれる自信もあります。
しかし、日本中の素敵なものを探し出すには、まだまだ人材が必要です。
ぜひ我々と一緒に、「まだ世に知られていない素敵なもの」を発掘・発信する面白さを感じてもらえたらなと思います。
ありがとうございます!
ここまで、学生起業家から急成長を遂げた、JAPAN SELECT会社 代表取締役社長 梅野涼太さんからのメッセージでした。