これはとてもナイーヴな話なのですが、最初のことばと言うのはなにからも独立しているべき派と真似て学ぶ派がいるかと思います。
生きている以上、なにものからも独立しているということは原理的には不可能なのですが、そうは言っても方法を知っていると知らないのとでは、出力されるものは大きく違ってくる。
私はいま「採用のなんたるか」を一切調べることなく10年ちょいの社会人生活の中で、漠然と拾い上げたもののみを頼りにして文章を書いています。
たまたま私の認識する「採用のなんたるか」と世間一般的な「採用のなんたるか」が合致していない限り、二度とこんな感じで文章を書くことはないでしょう。
さて。
なにを書くかという段になると、たいていこういう文章は途方に暮れます。
採用活動、とミモフタモナイ感じで言ってしまえば、それなりに書くことは決まってきますが、なにしろ「採用のなんたるかを知らなかったんで」が許されるのは今回限り。実際許されるかどうかは知りませんが、「初回だけは自由にやっていい」というのが今回の文章を書くにあたっての私が私に許した自由なので、自由は存分に使いたいと思います。
社内的ななにかではなくて個人のルールなので、私以外のだれにとっても知ったこっちゃないと言えばそうなんですが。
まあ、文章を書くというのはある意味で超絶自己満足である部分が否定できませんから、初回だけはなんも考えずに書き散らそうかと思います。
私にとって仕事は楽しくはありません。基本的にはマンガを読んだりゲームをしているほうが楽しいです。
私の働き方が悪いのかもしれませんが、趣味以上に仕事を楽しいと感じたことは残念ながらありません。いや、限定的でいいならありますが、せいぜい1週間とか、2週間とか、1ヶ月には満たないくらいのタームです。まあ、だいたいは1時間くらいです。その他ほとんどの時間は趣味の楽しさを仕事の楽しさが超越することはありません。
どんな仕事も必ず責任がついてきます。うまくいっていればいっているなりの、ダメならダメなりの責任があります。
そういうものに長く付き合っていくと純粋に楽しいとは言えないのです。
なので、総合的にはやはり仕事よりも趣味のほうが楽しい。趣味には責任ないですからね。
私はプレッシャーを楽しむとかいうタイプではないし、仕事とプライベートをきっちりわけるというタイプでもないのですが、どうにもめんどくさそうなひとたちはここを二者択一で考えたがる。
仕事を楽しめていない。悪だ。
趣味を持っていない。悪だ。
みたいな感じですね。あーもう、本当にどっちでもいいです。
どのみち、そういうひとたちは私の人生に責任なんて持っちゃくれません。
ただ説教だけしたいひとです。「そうしたほうがいいから」という傲慢極まりない思想でお説教をくれます。そういうひとが「論理的な考え方」を説いたりしていますからタチが悪い。
弊社に入った場合、弊社はあなたが犯罪を犯したり、横領をしたり、顧客を引き抜いて独立をしたりと、まあ、常識的にダメでしょ、ということをしない限りは、ある程度の責任を持ちます。
あなたの私生活にはなにひとつ責任を持ちませんが、社会人生活には責任を持ちます。
大きな失敗をしたら私たちが謝りますし、どうにもならないときは私たちがどうにもならない仕事を片付けます。
いろいろとりとめなく書きましたが、結論だけ言うと、まちがっても面接でビジネス書から引用したことばを使ったりしないで欲しいということです。
私になにひとつ引っかからないし(その知識を使うことは私にもありますが)、それでコーティングしないと受からないほど弊社は人気企業ではありません。
なるべくコミュニケーションコストは低いほうがいいので、最初っから打ち解けているのが互いにイチバン楽なはずなんです。
日常生活を特殊な用語で生きているひとはいませんし(大学時代に「犬君たん萌え」というパワーワード吐いた友人はいましたが)、職歴が過度にカッコイイひとはそもそも弊社受けないと思います。
客観的に見てもそう悪い企業じゃないとは思いますが、とんでもスキルもいりませんし、サクセスフルな職歴もいりませんし、根っからの明るさとか、コミュニケーションが一切苦にならないとか、そういうパーソナリティのひとを求めているわけでもありません(いたらいたで嬉しいです、もちろん)。
ちょっとした常識と決して目立ちはしない程度の文章力や理解力や読解力があるなら、充分に弊社ではやっていけます。卓越した交渉手腕も、海外仕込みのロジカルシンキングも、ビジネス書を書けるレベルのビジネスマナーもいりません(あったらあったですごく嬉しいです、もちろん)。だいたい能力試験的なものは一切ありません。
おそらく能力的には全人類の半分以上の方は通ると思います。
したがって、能力よりはミスマッチのほうを気にします。これはたぶん門戸が狭いです。
この規模ですから、合ってない会社に入るのはあなたにとってとても不幸です。
弊社もそう多くのひとを雇うことはできません。
あなたが入社して弊社に合っていないことに気づくと、とたんに弊社はピンチに陥ります。
弊社はいま、未曾有の案件数に突入しており、早急にひとり立ちしてもらわないと、おそらく1年後にはお客様に満足できるサービスを提供できなくなります。
なので、能力云々よりも、合っているかどうかが重要なのです。
面接で私は最初からオープンで行こうと思います。
オープンかオープンでないかはわかりますから、もうオープンじゃなかったらご縁がなかったということで、くらいの勢いです。
合わなかったらやめましょう。合っているか合ってないかはとりあえず会って決めましょう。
常識的に考えたとき、初回からオープンにしていくというのはなかなかないということは理解しています。
だからまあ、お互いに常識的に敬語は使うでしょうし、平服でとお伝えところでスーツでいらっしゃるでしょうし、職務経歴は簡易なもので結構ですとお伝えしたところでちゃんとしたものをご用意くださるでしょう。
そこまでです。
そこまでで我々はたがいに「常識的な採用」というもののフォーマットは揃えました。
それ以降はもう、オープンでざっくり行きましょう。無礼講ではなく、ざっくり。
面接は通るため落とすためになにかをするというのではなく、合ったら働いてやるかくらいのスタンスで行きましょう。こちらも合ってるなら雇われて欲しいというスタンスで行きます。
つまりまあ、とても平易なことばで締めます。
「ご縁があれば一緒に働きましょう」。