プロフィール 幸脇かおる(こうわきかおる)
静岡大学情報学部3年生・Garageの長期インターン生
大学2年生の時に大学の先輩からの紹介で、Garageで長期インターンを始める。現在(2023年1月時点)、長期インターンとして1年勤務中。大学ではアカペラサークルに所属し、副代表を務めていた。
インターンをはじめた背景
ーーGarageインターンを始めたきっかけを教えてください。
将来、社会に出た時への不安を強く感じていたからです。あと2年で社会人として働くと考えた時に、自分は職場でコミュニケーションを上手くとることができるのか、勤務において主体的に動くことができるのか想像がつきませんでした。そのためインターンをはじめてみたいという気持ちはありましたが、インターン先の見つけ方など分からず動き出せずにいました。そんな時、Garageのインターンをしている大学の先輩と知り合い、Garageインターンの存在を知りました。浜松市内で社会人の人とも交流できるインターンということでとても魅力を感じ、大学2年生の2月に学生インターンとしてWewillに入らせて頂きました。
ーーそうなんですね。どうしてGarageのインターンにしたのですか?
Garageはコミュニティを重視したコワーキングスペースなので、企業や行政機関の方から、起業している方まで様々な人が出入りしています。そんなGarageインターンの業務で、Garageコミュニティを盛り上げるために、学生と社会人を巻き込むような仕事を行うと聞き、社会人とコミュニケーションを取る経験を積むことができると考えました。私はコミュニケーション力や行動力に不安があったので、Garageは自分の不安・課題を乗り越える訓練の場になるのではないかと感じました。また、私は将来のキャリアについて明確なビジョンを持てていないため、様々なキャリアや価値観を持つ社会人の方との交流が持てれば、自分の将来やりたいことや、ビジョンの想像をしやすいと思いました。このようなことから、Garageのインターンに参加させていただくことにしました。
初めてのイベント企画
ーー現在、定期的にABDの企画・運営を行っているようですが、その仕事を任された経緯について教えていただきたいです。
Garageのインターンに入って4か月経った頃に、ABDイベント(アクティブブックダイアログ)の責任者を任せて頂きました。このイベント企画では、Garageを利用する社会人と私を含む学生の交流機会を作ることが目的の1つでした。なのでこのイベントの企画・運営が主体性やコミュニケーションを身につける絶好の機会になりそうで企画前からワクワクしていました。しかし、実際に取り組みはじめ、集客や企画の策を練るうちに、自分が主催でこのイベントを開催することに段々と不安を憶えていきました。
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ABDとは....
ABD(アクティブ・ブック・ダイアローグ®)は、読書が苦手な人も、本が大好きな人も、短時間で読みたい本を読むことができる新しい読書手法のことを指しています。著者の伝えようとすることを深く理解でき、能動的な気付きや学びを得ることとともに、グループでの読書と対話によって新たな関係性が育まれてくる可能性も広がります。GarageでのABDでは、主にオープニング・サマライズ・エンディングの3部構成で開催しています。
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ーーなぜ不安を感じたのですか?またどのように乗り越えましたか?
大学やこれまでの学校生活で自分が責任者の業務かつ、イベントの企画や運営を行ったことがなかったので、初めてのことだらけだったからです。いざ始めてみると、ゴールまでの道のりの見当すら付かないことに気付き、ハラハラが止まりませんでした(笑)。
その不安から、開催するまでに何をいつまでに行うのかということを細かく決めたり、何度も学生インターンの先輩に相談し、協力して頂いて、テーマにする本の選定や当日の流れを想定した練習を行いました。また、実際に回を重ねることで分かってきた自分の至らない点を書き出して、先輩からフィードバックを受けながら次の回に向けて改善するということにも取り組みました。
その結果、これまでにABDを無事に5回開催し、現在は運営・企画のどちらにも慣れてきて、イベントをスムーズに行うことができるようになりました。また、自分の課題を振り返ったり、それを克服する訓練も意識してできるようになりました。
ABDの企画・運営からの学び
ーーABDの開催を通して、どのような学びがありましたか?
ABDの開催は自分の特徴を知るきっかけになったと考えています。また、私がイベント企画・運営を通して感じた、気付いた知見や学びとして主に3つあります。
1つ目に、事前に準備することの重要性です。この仕事は、初めて自分が責任者となって他人を巻き込むような企画をやりきった経験になりました。それまで私は、このような企画や進行役に苦手意識を持っていました。そこで念入りに、開催までに何をすべきかまず最初にリストアップし、当日までの計画を立てることを前持って行っていました。また、参加者が理解しやすいようなスライドの用意、どのような流れでイベントを進めるか何度もリハーサルしました。事前に準備・練習をしておくことで、当日はスムーズに説明の言葉に詰まること無く、話すことができました。何度かそのような経験を積むうちに、挑戦したことがなかったから勝手に苦手に思っていただけで、きちんと準備すれば自分は企画・進行役でもできるということに気づきました。
2つ目に、参加している人に対して隅々まで目を配ることの重要性です。第1回ABD・第2回ABDの時には、イベントを進めることに精一杯で、「どのようなスライドを作成すればよいか」「プレゼンの進め方」などの、参加者目線に立った時に必要とされる情報の説明ができていませんでした。そのため、ツールの使い方が分かっていない人や周りと話せていない参加者に気付かず進めていました。このような反省を活かし、その後からのABDでは、参加者全体を確認して、困っている人はいないか、客観的に周囲を見て行動することを心がけるようになりました。また、参加した学生、社会人共に、運営側として声をかけコミュニケーションを取ることの大切さも学びました。
3つ目に、相手目線で考える事の重要性です。ABDイベントは社会人と学生の交流やコミュニティの活性を狙っているので、社会人と学生のどちらも集客する必要があります。しかし、新しい学生を取り込むことが上手く行かなかったり、社会人の参加者が少なかったりと思ったような集客ができず、苦労していました。なぜ、集客が上手く行かないのかと考えた時に、自分には、相手の興味に合わせたアピールが不足しているということに気付きました。そこで、参加者の意見を聞く時間を設けたり、1回1回の振り返りを行い反省点を見つけたり、学生と社会人の集客時の声の掛け方を変えるといった、様々な工夫をするようになりました。実際に参加者には、「2時間半という短い時間であるから参加しようと思う」という意見や、「本の内容が実際の生活と関連していると興味が湧く」という感想をいただきました。多様な視点に触れ、再度ABDイベントについて考えることで、イベントの時間、発信の方法などを変えてみると興味を示してくれる人が増えるのではないかという発見もできました。このように相手目線を知って考え、改善のために動いた結果、少ないときは5人ほどだった参加者が、平均10人前後になりました。それぞれの立場や興味を踏まえて、様々なパターンを広い視野で考える事の大切さを学びました。
ーーなるほど。普段あまり体験することのない経験で、イベントを開催するうえでの必要な力を実践を通して学んだのですね。
そうですね。運営側に回り、前もって準備をすることで人前で話したり円滑なコミュニケーションを取れるようになったり、相手目線に立って物事を考えたり、自分ごと化して自ら気付き改善をしていくことの大切さを学びました。話すことに不安がある私でも、準備をちゃんとすれば、人前で話すこともできるし、社会人の方とコミュニケーションをとることもできるという自信が付きました。1回1回経験を積み改善に向けて動くことで、「今回の本はとても読みやすかった」「社会人の人とも話せて実りの多い時間だった」という声をかけてもらえました。参加してくださった方が、このようなお言葉をくださり、私自身も達成感を強く憶えました。イベントを通じて繋がりが生まれたりという場になることで、コミュニティを広げるという本来の目標に少しずつ結びつける事ができていますし、自分の成長も感じています。
今後の目標
ーー幸脇さん自身の今後の目標について教えてください。
自分の意見に自信を持って発言し、伝えられるようになることが目標です。Garageのインターンを通して、コミュニケーションや人前で話す、説明するということは向上してきていると感じます。しかし、まだ自分の意見に自信を持って行動したり発言したりすることが苦手意識を感じており、自分の意見をはっきりもって主張出来ているとは言えない状況です。社会人、同級生、誰に対しても自分の考えを上手に話せるようになりたいと考えています。
ーー最後に記事を読む方にメッセージをお願いします。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。 Garageは、起業家の方から、企業に勤めている方、浜松市の行政に携わる方まで様々な職業の方が利用されています。そのため、様々な考えやキャリアに触れる事ができますし、会話をすることによって自分の目標の明確化や刺激に繋がります。
そんな場所で開催されているABDをはじめとしたイベントに参加することによって、イベントの内容を学べるということはもちろん、社会人との交流の場にもなります。学生生活を送っているだけでは体験できないような、社会人の人も交えたコミュニティに参加することができます。これから社会に出る学生も新たな考え、環境に触れる機会になると思います。
興味を持った方は是非参加してください!Garageでお待ちしています。