オフィスステーション 労務|アラカルト型の人事労務クラウドソフト
人事労務にまつわる労働保険・社会保険・雇用保険・労災保険などの手続きや管理業務をペーパーレス化。業界最低水準のコストで導入できるアラカルト型の人事労務クラウドソフト「オフィスステーション 労務」。対応帳票116種類以上。e-Gov電子申請APIにも完全対応。
https://www.officestation.jp/roumu/
こんにちは!Wewillのマネージャー黒野です。
僕の紹介はこちら
企業における経理や総務の代行を通じて、バックオフィスの生産性を高めるお手伝いをしています。この仕事で欠かせないのが、SaaSの活用です。
そんな視点から、さまざまなサービスを比較検討したり試したりしています。
先日は、人事労務手続きのSaaSを導入しました。自社の課題に対して、僕自身でサービスを比較検討して社長に導入を提案したので、そのときの様子をシェアしたいと思います。
人事労務手続きクラウドにはどのようなSaaSがあって、メリット・デメリットはそれぞれ何なのか。そして、導入後の使い勝手はどうだったのか。このあたりをお伝えします。
本業のほかに人事労務手続きを兼任している人や、1人で人事労務を担当していて大変だと感じている人などは参考にしてもらえると思います。
「小さくスタートする」を心がけているWewillのチャレンジ精神や社内の雰囲気も伝わると嬉しいです!
じつは人事労務系のSaaSは幅広く、やりたいことによってサービスを選ぶ必要があります。人事労務系のSaaSは、「人事労務(手続き)」と「勤怠管理」、「給与計算」の3つに分かれます。
人事労務手続きSaaSでできるのは、入退社の手続きや、住所・扶養といった従業員情報の変更手続きなどです。勤怠管理SaaSでは、出退勤(打刻)や有休、残業、工数などが管理できます。給与管理SaaSは、ほぼ自動で給与計算をしたり、経費精算や給与明細の発行を行えたりします。
Wewillでは、「勤怠管理」と「給与計算」はクラウド化が済んでいます。以前から人事労務SaaSの人事労務freeeを使っているからです。
ただし、現在の人事労務freeeの機能だけでは、人事労務手続きにおける煩雑な課題をすべて解決できるわけではない、と思っています。従業員情報の管理や入退社手続きなどはアナログに寄っていて、すこし負担に感じ始めていました。
「履歴書の管理をどうにかしたいな」
これは、通常業務との兼任で人事労務の手続きを行っている僕が、日ごろ感じていたことです。というのも、紙で預かった履歴書をそのままファイリングして管理していることを、やや疑問に思っていたんです。
履歴書には、住所や生年月日といった個人情報が詰まっています。かといって、破棄するわけにはいきません。保管義務がありますし、メンバーの情報を参照することもたまにあります。その都度分厚いファイルを取り出す手間と、何より事務所に行かないと確認ができないのがネックでした。
履歴書はファイリングして棚に保存するだけでなく、クラウド上にも保管できたらセキュアで良いのに……。
そんな中、ふと思ったんですね。こうした履歴書にまつわる課題を解決してくれそうなSaaSも出ていたな、と。
社会保険や雇用保険をはじめとする役所の手続きも、SaaSを通じた電子申請が可能になっていたはずです。
そこで、Wewillが今後、人事労務手続きにおいてSaaSで実現したいこと・SaaSに求める機能を整理すると、以下の4つがあるなと気付きました。
やりたいこと(ほしい機能)が決まり、さっそく各種SaaSを調べてみました!
とはいえ、求める機能が備わっているSaaSを探すと、次の2社がメジャーどころのようでした。
オフィスステーションは、1990年創業の中小企業向け情報サービス企業が提供しており、老舗の印象が強いサービスです。SmartHRは、スタートアップが提供しているサービスで、利用者数が急拡大しています。
続けて、それぞれのメリット・デメリットを整理してみますね(Wewill調べ、2021年4月現在の情報です)。
調べてわかったSmartHRのメリットは、おもに次の5つかなと思います。
とにかく、シンプル。ボタン配置や機能がわかりやすいのが特長です。どこに何を入力して、次に何をすればいいのかが、直感的にわかります。
人事労務を誰かに引継ぐことを想定しても、これくらいシンプルなUIなら、僕が特段説明をしなくても良いだろうなと思うくらいです。
サービスも人事労務手続きに特化しています。その分、必要な機能が使いやすくまとまっています。
給与計算や勤怠管理はサービス上でできませんが、人事労務freeeと連携(※)できるのでWewillの状況とマッチして問題なし。
SmartHR上の人事マスタを「正」として運用・管理して、人事労務freee上の従業員情報と連携できるのも便利です。
※SmartHRでは、40以上の外部SaaSと連携が可能。外部連携サービスの一覧はこちら。
SmartHRなら、僕から発行する申請フォーム上に、メンバーが情報を入力してもらうだけでSaaS上に必要情報が登録されます。この機能があれば、入社時の手続きと人事マスタの作成がだいぶラクになるな、と思いました。
従業員情報に変更があったときも、申請フォームを発行するだけです。SmartHRは、通勤経路や給与振り込み口座などの変更から、資格取得といった自社特有の申請までに対応しています。
そんなSmartHRは、30アカウント(30人分の従業員情報)まで無料で使えるとのこと(※)。まずは試しに使ってみたい、使いながら慣れていきたい、というときに便利ではないでしょうか。
※0円プランでトライアルを開始し、15日間は無料で使える。30アカウントまでは、無料期間が過ぎても無料で利用可能(一部、機能が制限されます)。
▼SmartHR上でできること
画像引用:機能|SmartHR|シェアNo.1のクラウド人事労務ソフト
一方、オフィスステーションには、どのようなメリットがあるかをお伝えします。僕がいいなと思ったのは、次の5点です。
画像引用:オフィスステーションとは | アラカルト型人事労務ソフト「オフィスステーション」
オフィスステーションのメリットはまず、人事労務に関する業務全般の機能を備えていることだと思います。年末調整の作業から給与明細の発行、有休の管理までオフィスステーション上でできるんです。
その上で、使いたい機能だけを選択できます。いらない機能は付けなくていい。そのため、月額利用費を必要最低限に抑えることが可能です。
We Will AAでは、人事労務freee上で管理できている部分が多いので、機能を取捨選択できるのは大きなメリットだと感じました。
初期費用は無料、利用費もリーズナブルです。ためしに、公式サイト上で料金シミュレーションをしてみてください。
従業員数10名の労務機能だけなら、月額917円(税込み)の概算になります。従業員1人あたり約92円/月で利用できる計算ですね!
※オフィスステーションでは、利用人数と利用サービスによって利用費が変動します。料金シミュレーションはこちら。
また、オフィスステーションでは、人事労務に関わる119種類の帳票を作成できます。
画像引用:対応帳票・イベント | 9つの安心機能| アラカルト型人事労務ソフト「オフィスステーション」
メンバーが増えて人事労務の手続きでやるべきことが多岐にわたるようになったとき、より便利かもしれません。
それぞれのメリットを紹介したところで、僕がデメリットだと感じたことも簡単にお伝えしたいと思います。
SmartHRでは、機能が限られている点と費用が割高になる点がデメリットになり得ると思いました。
※SmartHRの料金プランはこちら。
オフィスステーションでは、クラウド上で管理したい情報を一部取り込めないことや外部連携サービスがまだ少ないことが気になりました。
そのほか、以下の機能は両方に共通していました。
オフィスステーションのデメリットである「履歴書のクラウド上保管ができない点」を除けば、どちらも充実したサービスだなと感じました。
人事労務手続きSaaSが、SmartHRとオフィスステーションの二強になるのも納得です。
僕がやりたいと思っていたことのほとんどは、両方に共通してできるとわかりました。機能面はどちらも良さそうなので、直感的に好きなほうから始めようと思いました。お試しでダメなら、止めればいいのですから。
僕はもちろん、We Will AAのメンバーも人事労務手続きのSaaSを使うのは初めてなので、使い勝手(UX)はやっぱり大事です。シンプルで、直感的に操作がわかるSmartHRを試してみよう、と思いました。
今後は、SmartHRを使っていく中で、できないことや不便な点もわかっていくと思います。その中で、ほかに最適なSaaSが見つかれば、乗り換えていくこともあります。もしもfreeeに人事労務手続きの機能が付与されれば、そちらに一本化するだろうとも思っています。
でも、それでいいんです。いまは、現状の課題が解決できれば成功なので。
まずは試してみて、ダメなら違うサービスに変更してもいいですよね。「お試し」ができるのが、SaaSの強みでもあると思っています。
しかも、はじめは無料ですからね!
ちなみに、人事労務freeeとSmartHRをかんたんに比較すると、以下のとおりです。
・人事労務freeeでできないこと:行政手続きの電子申請、履歴書の画像添付、身上変更ワークフロー(※履歴書、身上変更については最上位プランのみ可能)など
・SmartHRでできないこと:給与計算と勤怠管理(freeeでは給与計算から振込までクラウド上で完了できる)
SmartHRで一番残念なのが、給与計算はできないこと。外部の給与計算ソフトを併用しなければいけなくて、We Will AAの場合は人事労務freeeで行っているのは、前述のとおり。
ただ、freeeの開発動向を見ていると、まだまだ人事労務手続きの領域には踏み込む気配がなさそうです。一方、SmartHRは人事労務の最新情報へのキャッチアップが早い。
そういう意味では人事労務freeeとの比較においても、まずは自社としてSmartHRを導入することにしました。とはいえ、自社により適したサービスが出てきたら、すぐさまトライアルする準備はできています。
SmartHR上の導入は、思った以上にラクでした。導入だけ(使用開始まで)なら、1日あれば十分だと思います。
ちなみに、利用料金については必ず見積もりを取ってください。登録人数や使う機能/プランによって費用が変わるためです。僕も見積もりを取りました。
見積もりで費用を確認したあとは、すぐにトライアルが開始できました。
https://smarthr.jp/ 上の登録フォームから必要情報を送信すると、データベースが作成されます。データベース上に企業情報を入力すれば、アカウントの作成が完了。この時点で、すでに“導入ができている”状態です。
使いたいと思ったらすぐに導入できるのって、すごいですよね。
導入した日のうちに、人事労務freeeも連携してみました。すると、人事労務freeeに登録してある従業員情報がSmartHR上の人事マスターに登録されました。配偶者の情報や部門・部署といった多くの項目が連携していたので、SmartHRの初期設定がとてもラクでしたね。
さらに、ちょうど4月1日に入社するメンバーがいたので、その人自身でSmartHRに必要情報を登録してもらおうと思いました。
SmartHRから招待メール(アカウント登録と情報を入力するフォーム)を送ると、すぐに入力を対応してくれましたね。報告をもらってSmartHR内を見てみたら、必要な情報がきちんと入っていたので、便利だな、と思いました。
今後は、電子申請の機能も使ってみたいです。現状、入社時の手続きは顧問社労士さんに委託していますが、自分でも電子申請を実際にやってみたいとの考えからです。
そのとき、SmartHR上に登録しているのが間違いなくご本人であることを証明する「電子証明書」が必要になります(法務局で発行)。その申請手続きだけ手間に思いますが、一度行ってしまえばそのあとはラクになると思うので、がんばります(笑)
お陰さまで人事労務手続きがオンラインで行えるようになり、本当にラクになりました。10名規模のWewillでも、導入して良かったと思っています。
他部署の人が人事労務を兼業しているという企業や、人事・採用担当が1人しかいない企業は、人事労務手続きのSaaS導入を検討してもいいのではないでしょうか。
ちなみに、SaaSを利用する大きなメリットは、少額で試せることだと僕は思うんですね。
業務を効率化したり、生産性を高めたりするために、ツールって導入するものですよね?SaaSに限らず、いろんなシステムやソフトウェアを使って、いかに業務を改善するかをみなさん考えているわけです。
ただ、システムやソフトウェアは、導入したらキホンは後戻りできません。使い勝手が悪いくらいなら、改修で対応できることもあります。
でも、「やっぱりコレじゃなかった」ときに、昔のシステムに戻したり、別のシステムをすぐ入れなおしたりするのは難しいはずです。
そんなとき、SaaSなら、「自社/自事業に合うかどうか、まず試してみよう」ができます。利用費も安い場合が多いです。SmartHRとオフィスステーションに至っては、無料で始められます。
現行のシステムやソフトウェアを止めることなく、より使い勝手のよいSaaSを試してみることもできる。合わなければ止める、または、代替サービスへスイッチすればいいのです。
だからこそ僕もSmartHRがベストだと言うつもりはなくて、「僕もつねに奮闘している」ということを伝えたいな、と思いました。SmartHRについても、使っていく中で新たに気づくことがあると思うので楽しみです。
SaaS導入は、DXや業務改善の一部。
Wewillの業務とSaaSは、切っても切れない関係です。僕たちも日々、さまざまなSaaSやITツールを小さくお試ししています。
みなさんの参考になったら嬉しいので、「#DX奮闘記」として僕たちのトライアルを今後もシェアしていきますね!
経理や総務といった企業のバックオフィスを支えるみなさん、ともに成長していきましょう^^
ぜひ参考にしてみてください! #DX奮闘記