急拡大を続けるWewillでは、フルリモート環境下でも「自律的に働く」カルチャーを根付かせるため、入社後のオンボーディング体制を試行錯誤しながら整えてきました。教育や研修制度だけでなく、「どうすればWewillらしいカルチャーを体現できるか」を軸に、人事チームは日々工夫を重ねています。
前回に引き続き、人事部の浅井、坂倉、山本が、オンボーディングの仕組みや工夫、そしてカルチャー浸透の考え方について、ざっくばらんに語り合いました。
※前回の記事(採用編)はこちらです!併せてご覧ください。
オンボーディングの目的は「適切な自己認識」
――組織が急拡大する中で、入社後のオンボーディングにはどのような課題がありましたか?
坂倉:毎月の入社者が増えてくるタイミングで、体系的なオンボーディングカリキュラムに基づいた研修を行う必要性を感じるようになりました。また同時に、入社受け入れ時からフルリモート体制に移行することとなったため、「フルリモートでもきちんとオンボーディングしてもらえる仕組みづくり」を行うことが急務となりました。
――人事として、オンボーディングプログラムを設計するうえで意識していることは?
坂倉:軸にしているのは、行動指針のひとつ「適切な自己認識」です。オンボーディングのゴールは、単に会社のルールを覚えることではなく、「自分がどんな人間で、どんな価値観で働くのか」を見つめ直すこと。自己理解を深めながら、主体性を持って行動したり、物事の優先順位を整理したり、自分が組織の中でどんな役割を果たすのかを考える。そんな機会にしたいと考えています。
山本:Wewillのオンボーディングは、誰かに教わるというより、「自分の言葉で語る」ことを中心にしています。受け取った情報をどう解釈し、どう行動につなげるかを言語化する。いわば“思考を整理する場”として機能しているんです。
坂倉: そうですね。教育というよりも、「自分と向き合う時間」に近い感覚かもしれません。
浅井: とはいえ、人事として「持ち帰ってもらいたいこと」はきちんと設計しています。 そのうえで、自分なりに考え抜いた結果をアウトプットしてほしい。そんなスタンスで取り組んでいます。
オンボーディングで鍛える「考えを言語化する力」
――現在のオンボーディングプログラムの流れを教えてください。
坂倉: 大きく分けて「研修」と「面談」の2本柱です。
まず「研修」では、入社初日~2日目に人事オリエンテーションを実施します。セキュリティなどの基本知識のほか、現場メンバーとの面談も行い、今後のアサインについて話す時間を設けています。
2週目には、リモートワークの進め方に関する研修を実施。そして、「簿記3級チャレンジ」というオリジナルプログラムもあります。ここでは最終的にチームメンバー全員が“100点を取る”ことを目指してもらいます。経験者であっても「カンペキ」は難しいもの。仕事をやり切ることの難しさや、チームで取り組むことの面白さを経験していただく取り組みです。その後は、代表・杉浦による「独立自尊研修」があります。WewillのMVVや大切にしている考え方を、代表から直接学ぶ時間です。
さらに、入社から3か月間は月1回の定期研修を行い、現場での実践と振り返りを繰り返しながら理解を深めてもらいます。
山本: 先ほどもお伝えしたとおり、Wewillの研修は「ただ聞くだけ」や「学びを受け取るだけ」ではありません。研修で学んだことを「自分はどう捉えたか」「どう行動につなげるか」と振り返り、まとめることで、理解が“自分ごと”になります。
坂倉: もうひとつの柱である「面談」では、入社1.5か月目と3か月目に、直属の上司・人事・本人による三者面談を行います。
1.5か月目は、ミスマッチの有無を確認し、相互理解を深める場です。当社は入社から4か月を試用期間と定めているため、3か月目の面談では、5か月目以降の働き方を見据えながら、「将来的にどうなりたいか」を言語化してもらいます。
山本: この面談はかなり“濃い”と思います。Wewillでは職務等級も本人発信で決めていくので、しっかり自分の考えを整理する必要があります。常に「あなたはどうしたい?」を問われる会社なので、自分の考えを言語化する力が自然と鍛えられますね。
坂倉: 研修や面談に加えて、「分報(ふんほう)」という取り組みも行っています。これは、上長・人事・本人の3人でチャットグループを作り、入社後3か月間、業務や気づきを日報のように共有してもらう仕組みです。
山本: 分報から拾える情報は本当に多いですよね。前向きな発信が多い人は、自然と仕事にも前向きですし、リモート環境でもその人の“今”が見えるのがいいところだと思います。
“SOFS”でつながる、Wewillのカルチャー
――フルリモート環境下で、どのようなルールや仕組みを運用していますか?
坂倉: 当社では、「余計なルールは作らない」ことを大切にしているため、基本的なルールは最小限にしています。とはいえ、ログを残すこと、勤怠や工数を分単位で記録すること、カレンダーで予定を共有することは全員で徹底しています。これらはすべて、行動指針のひとつである「事実に基づく」という考え方に基づいた運用です。
山本: 例えば、当社開発のSYNUPSにはストップウォッチ機能があり、私たちは常に工数を記録しながら業務にあたっています。管理のためではなく“自分の働きの証明”のため。 「この仕事にこれだけ時間をかけた」という記録があるからこそ、負荷の見える化ができます。スケジュールの共有も、ルールというより「マナー」に近いかもしれません。お互いに迷惑をかけないための配慮ですね。
浅井: あと、チャットでのやりとりも、基本的にDMは使いません。個人情報などを除き、原則オープンなチャネルでやり取りします。個別のフィードバックも含め、全員が見える場で伝えることで、ノウハウ共有にもつながります。もちろん必要に応じて個別フォローもしますが、まずは「シンプル・オープン・フラット・シェア」の姿勢を大切にしています。
――フルリモート環境下で、新メンバーが安心して働けるような工夫や文化づくりで意識していることは?
山本: 例えば「5分Meet」の文化があります。ちょっと聞きたい、話したいときに気軽に使える場で、想像以上に現場に浸透しています。コミュニケーションも自然に生まれるんです。
そういう意味で、当社は新しい言葉や概念の浸透が早いですね。誰かが“シンプル・オープン・フラット・シェア”の頭文字を取って「SOFS」と呼んだら、すぐに社内に広がったり(笑)。新しい行動指針も、すぐ日々の業務に反映されました。
浅井: 代表や役員が日常的にそれらの言葉を使っているのも大きいと思います。トップが率先して体現しているからこそ、カルチャーの浸透が早いんです。
坂倉: フルリモートだからこそ、役員陣ともフラットに話せる環境がありますよね。そのおかげで、カルチャーが根付きやすいのだと思います。
一人ひとりが愉しく働ける組織を目指して
――組織の拡大に伴って、カルチャー浸透の難しさを感じる場面はありますか?
山本:これまでは暗黙知でうまく回っていた部分もありますが、人数が増えるとそうはいきません。とはいえ、ルールでがんじがらめにしたくもない。あくまで“マナーの範囲”でおさめたいという難しさがありますね。
浅井: 私も同じです。判断の基準は常にMVVに置きたいんです。でも、縛られすぎると「独立自尊」から外れてしまう。やらされ感が出ると、本質から離れてしまうんですよね。
山本:細かなルールを定めずとも、ちょうどよい塩梅で回していく。もちろん人数が増えるとある程度の枠は定める必要はあります。その中で自分たちなりに工夫し、チーム全体が自律的に動ける状態を作っていきたい――と個人的には思っています。
部活や、自治会のような組織、というのがイメージと近いかもしれません。
――「これだけは失いたくない」と思うWewillのカルチャーは?
坂倉:「独立自尊」です。当社のOSのような、組織の根幹をなす部分ですね。
山本: 人事的な観点では「性善説」の考え方です。メンバーを信じ、委ねて、任せる。このようなあり方が、Wewillの文化を支える土台になっているように思います。
浅井: 真面目で誠実な人が多い会社なので、現状では細かなルールがなくても組織は回っています。だからこそ、採用も含め、この文化をしっかり維持していく必要があると感じています。
――最後に、人事メンバーとして、Wewillを今後どういう組織にしていきたいですか?
浅井: 今後、規模が拡大しても、この雰囲気を保ちながら進めていきたいですね。「大人な組織」を目指し、世の中で最先端の働き方を実践するロールモデルになれれば、当社のミッションの実現にもつながると思います。
坂倉:決して従業員だけが満足できる環境を作ればよいわけではありません。会社の方向性を理解したうえで、各メンバーが「自分たちならできる」と自信を持って、「愉しく働ける」組織になれば理想です。このような視点を忘れずに、組織と向き合いたいと思っています。
山本: 今回の対話を通じて、独立自尊を大事にしながらも、互いに助け合える組織を作る必要があると改めて感じました。各メンバーがやりきる力を持っているからこそ、困ったときに支え合える。人数が増えると「誰かがやってくれる」という意識が生まれがちですが、そうではなく、一人ひとりが主体的に頑張れる状態を維持していきたいと思います。
これからも、Wewillらしい自由で自律的なカルチャーを大切にしながら、組織をより良くしていきたいですね。