「うちの会社に来たらね、ご飯が絶対に美味しくなりますよ(笑)」
そうやって少年のような笑顔で語るのは、株式会社タイガーカワシマの4代目代表取締役社長・川島廣大(43歳)です。
タイガーカワシマは、お米の選別機や温湯消毒機といった農業機械をはじめ、野菜の洗浄機などの食品機械を手がけるメーカーです。1940年の創業以来、80年以上の歴史を重ねてきましたが、社内には古くささや堅苦しさは一切なく、どこかベンチャー企業のようなスピード感が漂っています。
今回は、2023年に社長に就任した川島に、自社のリアルな社風や経営理念、そしていま挑んでいる「第二創業」について、社内の広報・採用担当がじっくりと話を聞いてまいりました!
43歳の代表・川島廣大が語る、タイガーカワシマのリアルな社風
——本日はよろしくお願いします!社長は43歳とお若いですが、入社当初から経営を目指していたんですか?
川島社長(以下、川島): いやいや、最初は大学を出てからしばらくフラフラしてたんですよ(笑)。別の仕事を少し経験したあと、父から「戻ってこないか」と声がかかって入社しました。
入社して最初の2年間は工場の現場で組み立てを担当して、そこから営業になって新潟を回ったり、台湾やタイへ行ったり……。少しずつ担当エリアが遠くなっていって、気づいたら社長になっていた感じですね。
【プロフィール:川島 廣大(かわしま こうだい)】
株式会社タイガーカワシマ 代表取締役社長
1983年生まれ(43歳)
現場の組み立て作業からキャリアをスタートし、国内営業・海外事業を経て2023年に代表取締役に就任。
趣味は食べ歩きと、仲間との美味しいお酒。
——現場の組み立てから海外営業まで、すべての部門を経験されてきたんですね!
川島: そうですね。だからこそ、工場でものづくりをする大変さも、現場でお客さまと話す営業の面白さも一通り分かっています。
うちは社員数113名(※2026年8月現在)の組織なので、全員の顔が見える距離感なんです。だから、社長室に閉じこもるんじゃなくて、日常的に社員と同じテーブルでフランクに会話ができる。この風通しの良さと距離の近さは、タイガーカワシマの自慢できる社風ですね。
機械を売るのが目的じゃない。農家さんに「余白」を届ける新ミッション
——改めて、タイガーカワシマが社会で果たす役割やミッションについて教えてください。
川島: うちはお米の選別計量機「パックメイト」や種モミの温湯処理装置など、農家さんの作業を助ける機械をつくっています。累計25万台以上をお届けして、日本の主食であるお米づくりを支えてきました。
でも、私たちが本当に提供したいのは「機械そのもの」ではありません。一番の目的は、食と農の現場で働く方々の時間と身体の負担を減らして、心と時間に「余白」を創り出すことなんです。
——「余白」ですか?もう少し詳しく教えていただけますか?
川島: 日本の農家さんって、平均年齢が69歳を超えている地域も珍しくないんですよね。そんなお年寄りの方が、30キロもあるお米の袋を1日に500袋も手作業で運ぶなんて、本当に大変な重労働なんですよ。
それをうちの機械を使えば、ボタンひとつで持ち上げられるようになる。これまで1日かかっていた苗箱の洗浄作業が、数時間に短縮できたりするわけです。
- 重労働から解放されて、身体の負担が減る
- 作業時間が短縮されて、時間にゆとりができる
- 生まれた「余白」で、新しい作物の栽培や家族との時間など、また新たな挑戦やエンジョイができる
機械を売るのではなく、働く人の人生にこの「余白」を届けることこそが、私たちが存在している意義だと思っています。
形式的なお付き合いは断る!現場と社員に向き合う独自の経営スタイル
——地方の製造メーカーと聞くと、「昔ながらのお付き合いが多そう」「年功序列で古い」というイメージを持つ求職者の方もいるかもしれません。実際の社風はどうですか?
川島: ああ、そこはバッサリと言っておきたいですね(笑)。よく周囲の年配の方から「地元の団体や組合の集まりに行かないと経営が成り立たないぞ」なんて言われました。
でもね、私はそういったお付き合いの集まりには99%行っていません。全部欠席でお返ししました。
——えっ、99%もですか(笑)?!
川島: だって、現場でお困りのお客さまや、一緒に働く社員に向き合う時間の方が100倍大切じゃないですか。
「付き合いに行かないと売上が落ちる」なんて脅かされましたけど、結果は一切関係ありませんでした(笑)。むしろ、社員みんなが愚直に現場と向き合ってくれたおかげで、直近では創業以来の最高売上を更新しています。
内向き・下向き・後ろ向きな会話や、形式的な無駄なお付き合いは私が全部カットします。社員には、もっと前向きで面白い仕事に時間を使ってほしいですからね。
1940年創業の安定基盤から、本気で100億企業を目指す「第二創業」へ
——最高売上の更新はすごいですね!最後に、これからのタイガーカワシマが目指すビジョンについて教えてください。
川島: いま、タイガーカワシマはまさに「第二創業期」を迎えています。
1940年から培ってきた農業機械での盤石な全国ネットワーク(1,500店)を守りながら、2013年からスタートした「食品機械事業」を第二の柱として伸ばしています。大手コンビニの食品工場やホテルのセントラルキッチンなど、納品先が全国へ広がっているんです。さらに、タイやベトナムといった海外への展開も加速させています。
目指しているのは、カテゴリを代表するヒット商品を複数生み出し、売上100億円規模の企業へ成長することです。
——100億円企業!すごくワクワクする目標ですね。
川島: ただ人数を増やすだけの採用をするつもりはありません。
「出来上がった大企業で歯車になりたい」という人よりも、歴史のある確かな安定基盤の上で、「自分の手で新しい製品や仕組みをつくり、会社を変革させてみたい!」とワクワクできる方と一緒に働きたいですね。
次回の中編では、タイガーカワシマの誇る「一気通貫のものづくり」や、農業から食品機械・グローバルへ広がる仕事の面白さ、そして若手が掴めるキャリアについて深掘りします!
(中編へ続く)