「エンジニアの仕事は難しそう」と、技術の世界に飛び込むことに不安を感じている学生さんも多いのではないでしょうか。でも実は、エンジニアの仕事には、資料作成や関係者とのやりとりなど、コーディング以外の業務も多くあります。
生物学を専攻し、プログラミング未経験でエンジニアの道へ進んだ板谷さんも、最初は同じような不安を抱えていました。複数の企業での開発業務に携わる働き方を通じて、多様な現場を経験。
今回は、入社4年目でリーダーとして12人のメンバーを率いる板谷さんに、新卒エンジニアのキャリアと若手が活躍するための仕事のヒントを聞きました。
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板谷さん / システムエンジニア チームリーダー / ITエンジニアリング事業本部・東日本エンジニアリング部 千葉システム課
大学院で生物学を専攻し、2022年4月に新卒でBREXA Techへ入社。現在は大手住宅・建設系グループのシステム会社で、Access VBAやRPAを用いたツールの開発・改修を担当。社内ではチームリーダーも務める。愛犬と過ごす時間を大切にしており、特技は愛犬を喜ばせること。
生物を専攻し、修士まで進学。異分野からエンジニアになった理由
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──新卒でエンジニアを目指した背景を教えてください。
もともとは大学院まで、生物系の分野で研究を続けていました。生物の学び自体はおもしろく、日々の探究にやりがいも感じていたのですが、研究成果が社会に届くまでには長い年月がかかります。そうした中で、「もっと日常で人の役に立てる仕事にも挑戦してみたい」と思うようになりました。
そんなときに興味を持ったのがエンジニアです。ホームページの作成から業務システムの開発まで、エンジニアの仕事は幅広く、スキルを活かして身近な課題の解決にも貢献できる点に魅力を感じました。
また、技術を身につけることで、社会の変化にも柔軟に対応できるのではないかという期待もあり、「手に職をつける」観点からもエンジニアを目指すようになりました。
──BREXA Techに入社を決めた理由は何ですか?
正直に言うと、就職活動では何を基準に選んだらいいのか、どのような職場が自分に合うのか、判断が難しいと感じていました。経験してみないと自分に合うかどうかも分かりませんから。そこで、さまざまな現場に赴き、多様な経験を積めるBREXA Techの働き方に魅力を感じたんです。
決め手となったのは、会社の規模が大きくプロジェクト数が豊富で安定している点と、評価制度が明確でしっかりキャリアアップしていける点。そして採用担当が、一学生である私の話にも真摯に耳を傾けてくださり、その姿勢に信頼と安心感を覚えたからです。
働きながら独学でVBAを習得。前向きな姿勢が評価され、高度なプロジェクトにステップアップ!
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──入社してからは、どのような業務を経験してきましたか?
1社目は、アナログで保存されていたデータを電子化するプロジェクトでした。スキャナーで読み込んだデータの誤字脱字を修正したり、データ登録基準に合わせて全角記号を調整したりする作業が中心でした。
必要なスキルはExcelが使える程度でしたが、Excel VBAを独学で学習してツールを作成し、業務効率化にチャレンジしました。その経験が評価され、次のプロジェクトではExcel VBAをメインとした業務を担当することになりました。
営業担当が私のスキルシートを確認して、実際にVBAのスキルを活かせるプロジェクトにアサインしてくれて。そこでは、1年ほどかけて要件定義からテストまで開発の一連の流れを経験しました。
──業務の中で、大変だったことはありますか?
2社目のVBAを使ったプロジェクトでは、他のエンジニアが作成したツールの解析や資料作成に苦労しました。見慣れない記述方法やクラスモジュールなど、新しい技術要素も多く含まれていたので、読み解くのに時間がかかってしまって。
さらに、資料作成をするには、単に自分が理解できればいいという段階から一つ上がって、お客さまにツールの内容を分かりやすく説明する必要があります。専門的な内容を整理し、伝わるように言語化する難しさを実感しました。
また、業務量が非常に多い時期も大変でしたね。その際、一人で抱え込んで無理に残業するのではなく、お客さまと状況を共有し、「期間の延長」や「作業量の調整」などを交渉することが大切だと気づかされた経験でした。
残業するにも、お客様の大切な予算を使うことになりますから、まず相談することが重要です。若手のうちはどうしても与えられた業務をこなすことに精一杯になってしまいがちですが、自分から提案して仕事量を調整する主体的な姿勢に切り替えられたことが、一番の成長につながりました。
「コミュニケーションは笑顔から」。仕事を任せてもらえる“信頼”こそ、成長への近道!
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──現在の業務内容について教えてください。
大手住宅・建設系グループのシステム会社で、設計・製造に関わるプロジェクトに携わっています。主な業務は、Access VBAやExcel VBA、RPAを使ったツールの改修・新規作成、エラー原因の調査です。
具体的には、先方のお客様と営業担当者をつなぐシステムの改修・改善を行っています。お客様がホームページから入力した情報をデータベースに登録し、適切な営業担当者に割り当てる仕組みです。
Access VBAは初めての技術で苦戦しましたが、通勤時間や帰宅後に調べながら少しずつ理解を深めました。現在は主要なツールをほぼ把握し、改修依頼に対しても迅速に改修箇所を特定し、見積もりを提案。これによりスムーズに受注につなげられています。
──仕事の中でやりがいを感じた瞬間はありますか?
最近、RPAツールが雷の影響で障害を起こし、動かなくなってしまったことがあって。その復旧作業はやりがいがありましたね。月初のタイミングで複数のツールが停止し、手作業での対応を心配する声も上がる中、障害対応チームの一員として参加させていただきました。
本来はノーコードで操作できるツールでしたが、障害によってプラットフォーム自体がストップしてしまったので、ソースコードを読み込んで影響を調査する必要があったんです。2日連続で夜11時頃まで復旧作業を行い、ようやく解決した時は大きな達成感がありました。
復旧後、メンバーから「ありがとう」という言葉とともにお菓子とジュースをいただいたときは、本当にうれしかったです。これまで積み重ねてきた知識と経験があったからこそ、迅速に調査・報告できたのだと実感して。大変でしたが、今振り返ってみるといい経験でした。
──「板谷さんなら対応できる」と信頼されていたからこそ、復旧作業を任せてもらえたのではないでしょうか。周囲からの信頼を得るために、普段から意識していることはありますか?
「コミュニケーションは笑顔から」が私のモットーなんです。仕事においてコミュニケーションはとても大切ですが、暗い顔の人にはどうしても話しかけにくいと感じてしまいますよね。普段から話しやすい雰囲気作りを大切にすることで、些細なコミュニケーションが取りやすくなり、重要な仕事も任せていただけるようになると感じています。
12人チームのリーダーに抜擢!BREXA Techの成長環境とは
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──社内ではリーダーも担当されているんですよね。
はい、12人ほどのチームを取りまとめています。主な業務はメンバーとの面談や業務調整、月に一度のチーム会での連絡事項の共有などです。チーム会では、堅苦しくならないように小さなボケを交えて和やかな雰囲気を作るよう心がけています(笑)。
一方、技術的な質問については、自身の経験を交えて具体例を示しながら、分かりやすく丁寧に説明することを大切にしています。先日、キャリアの相談をしてくれた若手メンバーにVBAのデモンストレーションを行ったところ、「これならできそう!」と言ってもらえました。自分の言葉で誰かの背中を押せるのは、リーダーならではのやりがいですね。
──BREXA Techの社内の雰囲気はいかがですか?
経験を重ねた社員ほど、穏やかで話しやすい雰囲気の人が多いです。同じ研修を受けた同期メンバーとはプライベートで食事に行くこともあり、配属先やチーム以外でのコミュニケーションも活発です。
──会社の制度で、特に良いと感じている点はありますか?
資格取得支援制度が充実しているところです。特定の資格を取得するとお祝い金が支給されたり、評価にも繋がるため、勉強のモチベーションになります。
私自身も、ITパスポートをはじめ、基本情報技術者、応用情報技術者、Excel VBAスタンダードなど複数の資格を取得しました。特に応用情報技術者試験は、参考書とYouTubeの解説動画を活用して効率よく学習し、約2ヵ月で合格できました。
営業担当がエンジニアの取得したスキルを把握し、一人ひとりのスキルアップやキャリアアップにつながるプロジェクトを積極的に紹介してくれるのも心強いです。
「他者のやる気を引き出すことが、私のやりがい」。理想の上司を目指して。
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──今後の目標を教えてください。
まずは、任されている業務を、より高い精度で、よりスピーディーにこなせるようになることが直近の目標です。
そのうえで、将来的には「職場の雰囲気をつくる立場」を目指したいです。というのも、職場の空気は上に立つ人のふるまいによって大きく左右されると感じているからです。たとえば、上司がいつもイライラしていれば、部下は萎縮してしまいますよね。
私の理想の上司像は、メンバーのやる気やモチベーションを常に高く保てる存在です。だからこそ、自分がそうなれるよう、状況に応じて最適な言葉を選び、モチベーションを下げる発言は絶対にしない。「どうすればチームの士気が上がるか」を常に考えていられる人でありたいと思っています。他者のやる気を引き出すこと自体が、私のやりがいでもあるんです!
──最後に、エンジニアを目指す方に向けてメッセージをお願いします!
「エンジニア=難しい」と思われがちですが、実際に高度な技術が求められる場面はごく一部です。ツールの改修でも、コーディングより要件の整理や資料作成、テスト、レビュー対応といった“人とのやりとり”が多くを占めます。技術力以上に伝える力が重要になる場面も少なくありません。
最近ではAIを活用することで、コードを完璧に書けなくても、読んで理解し、AIに指示できれば十分活躍できる時代です。その点で言えば、文章力や読解力、そして質問力が武器になります。
小さな一歩を積み重ねていけば、未経験でも必ずできるようになります。難しく考えすぎず、安心して飛び込んできてください!
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