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再起のキッカケは恩師からの一言。クライアント課題の本質にとことん向き合う。

サッカー一筋から広告業界へ。挫折を経験しながらも常に這い上がり成長し続けました。どのような経験がそうさせるのか。過去の経験から紐解いてみました。

<インタビュアー:渡邊>

伊藤真二/営業本部 営業部 部長
2012年度4月、D2C新卒入社。入社後電通出向。約6年間デジタルマーケティングプランナーを経験し、2018年3月にD2C帰任。
2020年4月D2C R出向。現在、営業部に所属し、部長として活動中。デジタル総合に向けてがむしゃらにメンバーと奮闘中。
趣味はサッカーとお酒。最近は肝臓が悪くなってきて怯える毎日。

精神的に成長をした高校3年間

渡:よろしくお願いいたします。以前も別のインタビューをさせていただいた時に、サッカーの話しで盛り上がりましたね!

伊藤:よろしく!そうそう、学生時代=サッカーみたいな感じだからね。

渡:サッカーは何がきっけかで始められたのでしょうか?

伊藤:小三から本格的に始めたんだけど、きっかけは体育のサッカーだね。たまたま授業でやった時に誰よりもうまくて。それを見ていた友人が誘ってくれて本格的なサッカー生活がスタートした。

渡:スカウトですね笑

伊藤:かっこよく言うとそうだね笑 最終的にはキャプテンになって、チームを引っ張っていく立場だった。中学に進学する時は、クラブチームに行くか、部活でやるか悩み一緒にいたメンバーで話し合い、全員部活でやることにして、中学に進学したな。

渡:中学進学のタイミングで分かれ道きますよね。

伊藤:くるね。ただ、中学の部活でやると決めたものの、1つ上の先輩達がみんなクラブチームでやっていてサッカー部が休部状態で…。中学に上がる前に小学生ながら当時の校長先生に直談判して活動できる状態にしてもらったよ。顧問はまさかの校長先生でスタートしたんだよね。

小学校でキャプテンを経験したから、そのまま部長になったんだけど、当時一年生主体で対戦相手は三年生中心みたいなケースも多くあって。体格の差含めてまったく歯が立たなかったな。

渡:中学生ではサッカーが学生生活の中心になっていると思いますが、高校でもサッカーをやるために進学をされたのでしょうか?

伊藤:いや、当時の学力で進学できる一番いい高校に進学したよ。たまたま行った先の高校が都立で一番強く、そこの監督に教わりたいために進学してくる部員も多くいたね。同期だけでも45人くらいいて、部全体だと150名をくらいの組織だった。

渡:高校では選手権出場(全国大会)をされていたんですよね?

伊藤:自分達の代で選手権に出場し、初出場ながらベスト8まで行ったことはいい思い出だな。有名な監督の元、365日サッカーのことだけを考えて過ごした日々は懐かしいね。

進学校の一面もあったから、テストで赤点取るとめちゃくちゃ怒られるし、朝6時から毎日朝練をしていて…。何かミスをすれば無期限に走ることもあって、精神的にも人としても成長した3年間だったな。
それでも不思議と辞めたいと思ったことは一度もない。入部して最初は3軍からスタートをして、2軍、1軍とステップアップをしている感もあったし、何より本気でサッカーと向き合うメンバーと常に一緒にいたから充実していたね。

結果が出ずにもがいた社会人2年目

渡:サッカーでの経験は、大学時代の就活にも影響をもたらしていますか?

伊藤:影響はしていると思うよ。本で読んだんだけどサッカーを日本に根付かせたのは電通みたいで、こういう大きな仕事をしたいと思い広告業界を中心に就活を実施していた。元々広告業界には興味があったんだけど、その影響は兄貴の存在だね。2つ上の兄貴がいて、広告業界で働いていたから少し意識をしていたんだと思う。

渡:お兄さんの存在ですか?

伊藤:そうそう。常に兄を追い越すことを意識して学生生活を過ごしていたので、社会人になっても、兄貴より仕事で結果を出そうと当時は考えて同業界を選択肢の中心に就活をしていたね。

渡:数多くある広告業界の中で、D2Cに入社した決め手は何だったのでしょうか?

伊藤:ちょうど3.11の年に就活をしていたので、地震で一気に採用が止まっちゃったんだけど、その中でも一番最初にD2Cから内定をいただいたんだよね。D2Cの面接官や社内の雰囲気、これから組織が大きくなり、世の中にインパクトのある仕事ができるのではないかと感じたことが一番の決め手だね。

渡:3.11の年に就活されていたんですね。ご入社後の業務内容もお伺いしてもよろしいでしょうか。

伊藤:初配属から希望していた電通に出向して社会人がスタート。せっかく広告業界で働くなら業界TOPの企業で負荷をかけ、様々な経験してみたいなと思い、入社当初から「電通に行かせてください!」と人事に伝えていたんだよね笑

渡:体育会系の考え方ですね笑

伊藤:せっかくだし、チャンスがあるのに挑戦しないのは勿体ないなと。ただ、望んでいた部署とは異なる部署に配属され納得いかなかった1年目だったな、振り返ると。

上司にも直談判したものの、論理的に説明されて何も言い返せなくて。ただこの部署でとことん実績にこだわって評価してもらえれば、希望の部署へ異動ができるのではないかと、自分に言い聞かせて突っ走っていたね。

渡:実際にご異動は叶ったのでしょうか?

伊藤:叶った、うん。異動したまでは良かったけど、そこから挫折の日々が…。自ら希望していた部署にも関わらず、まったく結果を出せなくて。前部署で特定メディアに対する知見は深めてきたものの、デジタル全体の知識を当時持ち合わせていなかったため、思うように形にして提案ができず、上司から手厳しいフィードバックを貰うことが増えていったんだよね。

ただ同時に気づきのタイミングでもあった。当時よく言われていたのが「クライアント課題の本質を理解しているか」と。今まで何となく仕事をしていて、うまくいっていただけだったんだなと考えるようになり、仕事や自分と向き合う時間を意図的に作って志向を変化させていったね。何事もまずは「クライアント課題の本質」を理解するように。

渡:考え方を変える中で思い出に残る案件はありましたか?

伊藤:3年目で担当をした出版社の案件かな。電通社内では、アプリ案件の実績が少なく「D2Cからの出向者しかわからないのではないか」と話しになり、結果として自分が担当することになったんだけど、今まで結果を出せていなかったのでチャンスだなと捉えて意気込んでいたね。

コンペの準備は基本1人で行い(わからない部分は周りの方にも協力をしていただきながら)、結果3日間くらい寝ずに対応をしてコンペに勝利することができたんだよね。

渡:執念ですね‥。勝利した要因は振り返ると何でしょうか?

伊藤:やはり「クライアントの本質を理解する」ことだと思う。案件の話をいただき、解決する課題はこれで合っているのか。違った見方をすると別の課題も見えてくるのではないか。と情報収集と仮説立てを徹底的に行い、提案に落とし込んだよ。

受注後は当時の上司から「よくやったな。もう真二に心配していることは何もない」と言われてほっとしたと同時に喜んでいる自分がいたのを覚えてる。

責任者として仕事の見え方が変わった

渡:電通に在籍をした最後の1年で責任者をされたと伺っています。

伊藤:1つの営業局のデジタル責任者を担当してた。任された当初はプレッシャー感じながらも、よっしゃ、やってやるぞと意気込んでいたのを覚えているよ。

渡:いかがでしたか?

伊藤:あっという間に1年が過ぎていって。振り返るとよくわからないくらいの予算が下りてきて、どう達成するか考え、部長陣(40代くらいの方)へプレゼンを実施。チームには年上の方も在籍されていたので、うまくコミュニケーションを取りながら走りきったよ。

渡:責任者を経験したからこそ、得られた気づきはありましたか?

伊藤:2つあって。1つ目は、仕事を見るスパンが変わったな。1カ月や3カ月の短期スパンで考えていたものが、半年、1年、3年という長期スパンで考えるように変わっていった。「中長期的にクライアントと付き合っていくにはどうしたら良いか」を強く意識するようになったね。

2つ目は、部下をどう成長させていくかと考えるようになったね。責任者とはメンバーの成長に責任を持つという考えを持ち、当時若い社員もいたので「どうしたら成長をさせてあげられるか」「成長を実感できるか」は徹底的に考えていたよ。

渡:責任領域も増えていかれたんですね。

伊藤:そうだね、負荷もわりとかかったと思う。だけど自身の成長も感じていたため、あまり大変だなと思うことはそこまで無かったね。1年を振り返ると結果としてチームの予算も達成でき、帰任はしたけど当時の仲間とも今でも連絡を取ることもあったりするよ。

目指す先は明確に。パートナーとしての地位確立。

渡:帰任されて以降、現在の業務をお伺いしてもよろしいでしょうか?

伊藤:クライアントのマーケティング課題の解決と営業部のマネジメントがメイン業務。単純にマーケティング課題と言っても会社や部署ごとに異なるからそこがまたおもしろい。

そのため部全体でクライアントの細かな部分までより理解しようと意識してる。メンバーによって理解に差があってはいけないことだし、全員が同等の知識を持ち合わせないとデジタルマーケティングのパートナーとしての地位確立ができないからね。

渡:目指すべきゴールが明確な中で具体的に取り組まれていることはありますか?

伊藤:いくつかあって。役員と具体的に何をいつまでにやらない(できるようにならない)といけないのか年単位でスケジュールを考えて、走り出したタイミングだね。

渡:ちょうど今から色々と始まっていくということですね。例えば、新たな取り組みをする上で、責任者として何か今までの経験を組織に還元することなどありますでしょうか?

伊藤:広告そのもののおもしろみをメンバーにしっかり伝えていくこと。ルールや制限は何事にもつきものだし、提案を考える中で、前回ダメだったからここまでしかできないと閉塞感があるんだよね。

見方の角度を変えるだけで、色々と提案できるようになったりするけど、そこにたどり着けていないと思う。広告のおもしろみは固定概念に振り回されないところだと思うので、しっかり伝えていきたいと思ってる。

渡:最後に真二さんご自身のキャリア目標をお伺いしてもよろしいでしょうか?

伊藤:組織として向き合うクライアントのデジタルマーケティングのパートナーを掲げているけど、その中心にいたいと思っている。多くの代理店がある中で、D2C Rとしての独自の武器を作り、しっかりとしたパートナーとしての地位を確立したい。

激動で負荷もかかると思うけど、たどり着いたことを想像するとわくわく感しかないね。

インタビューの中で、何度も言葉にされていた「クライアント課題の本質を理解する」。本質の理解は、どの業務にも通ずることだなと思いました。

組織はまだまだ作っていくフェーズです。変化も多く大変な環境ではありますが、そこを面白いと捉えて突き進むことができるのは、伊藤の強さだと実感しました。

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