ヒトツメには、キャリアアドバイザー(CA)として経験を積んだメンバーが、人材紹介事業で独立することを会社として後押しする仕組みがあります。
社員の独立は、一般的には「人材の流出」と捉えられがちです。それでもヒトツメが独立を歓迎するのはなぜか。制度の中身と、独立後のリアルな数字について、木山さんに聞きました。
木山 和英(きやま かずひで)|代表取締役
新卒紹介のパイオニアである就職エージェントに新卒入社。1年目から100社近くの新規クライアントを開拓し全社MVPを獲得。2年目には新規事業に携わりながら全社ギネスの売上を達成。その後、シンクトワイスの創業に参画し、新卒紹介事業の責任者、大阪支社立ち上げ、中途採用統括などを担う。自身で800社近くのクライアントを担当し、入社支援した人数は4,500人を超える。2020年12月、ヒトツメ株式会社を設立。
未経験入社でも対象。独立支援制度の条件と全体像
── まず、制度の全体像を教えてください。どんな条件を満たせば独立できるのでしょうか。
ヒトツメでは、キャリアアドバイザー(以下、CA)として経験を積んだメンバーが人材紹介事業で独立することを、会社として後押ししています。
細かい条件をガチガチに決めているわけではありませんが、目安は2つです。
- CAとしての実務経験:入社時点では未経験で構いません。ヒトツメで2~3年を目安にCAを経験すること
- CAとして一定の成果を出していること
2つ目について補足すると、学生のキャリアを支援するということは、それだけ責任が重い仕事です。だからこそ、経験年数を重ねただけで軽い気持ちで独立する、という形はあまり歓迎していません。
ここは曖昧に濁してもしょうがなくて、成果を出せていない人が独立してうまくいくわけがないですから。逆に言えば、社内でそれなりに力のある人なら、独立は十分に現実的な選択肢になります。
── 対象になるのは、どういう経歴の方ですか。
経歴は問いません。未経験から入った人でも、営業出身でも、人事出身でも構わないです。実際に独立したメンバーも、人事からCAになった人、営業を経てCAになった人と、バックグラウンドはバラバラです。
ヒトツメに入ってCAとして経験を積み、独立に必要な座組みを理解して、成果を出す。そこまで来たなら、会社として全力で後押しします。
一時的に売上が減っても、独立を歓迎する理由
── なぜこの仕組みをつくろうと思われたのでしょうか。
一番はキャリアの幅を広げるためです。
「独立したい」「もっと稼ぎたい」「リスクを取ってでも挑戦したい」。そういう人が今後出てきたときに、ヒトツメから完全に離れていくよりも、うちのパートナーとして動いてもらったほうが、お互いにメリットがあるんですよね。
それに、「そういうキャリアもあるんだ」と思って頑張る人が社内に出てくるかもしれない。入口としても、「そんなキャリアが描けるならヒトツメで働きたい」という人が増えるかもしれない。そう考えました。
── 独立されると、会社の売上は一時的に減りますよね。
減る可能性はあります。ただ、僕たちはエージェントシップをいかに大きくしていくかで、この業界を変えていこうとしているので、仲間が増えること自体は全然歓迎なんです。
成果を出していた人が独立して、その人が自分で組織をつくって動いてくれたら、一人でプレイヤーを続けていたときよりも何倍ものポテンシャルが出る可能性が十二分にある。
「辞めます、はいお別れ」ではなく、独立してうちのパートナーになってもらうほうが、僕らの目指すビジョンのゴールにも近づく。そういう構造をつくりたいと思っています。
免許取得から事業計画、求人、システムまで。支援の中身
── 具体的にはどこまで支援いただけるのでしょうか。
基本的には全部です。有料職業紹介の免許取得、事業計画の壁打ち、収益構造と仕入れの設計、求人のシェア、管理システムの提供。これはエージェントシップのパートナーに対してやっていることと同じ内容です。
もっとも、CAのスキルやKPIの感覚は、独立前にヒトツメの中で身についている前提です。2年もやっていれば、どの指標を追えばいいかは熟知しているはずなので。
日々の業務の中でも、週1回の1on1と、月1回のCA同士の勉強会でノウハウを共有しています。そこで積み上げたものが、そのまま独立後の土台になります。
── 初期投資のハードルはいかがですか。
ほとんどありません。免許の費用はかかりますが、そこを会社として賄えるような設計も、今まさに検討しているところです。
たとえば、独立を前提にする人は在籍中から独立資金を積み立てていき、新卒入社なら3年で500万円、中途入社なら2年で300万円といった形で独立資金をつくる。そんなイメージです。
ただ、その場合に社内のポジションや評価とどう整合させるかは、まだ整理しきれていません。制度としては現在進行形で設計中、というのが正直なところです。
独立後、1~2年で年商3,000万円規模へ。数字で見る独立のリアル
── 実際に独立された方は、どのくらいの事業規模になっているのでしょうか。
ヒトツメでCAを2年ほど経験して独立したメンバーの場合、売上規模にして3,000万円前後で推移しています。組織は本人を含めて3〜4名、プラスアシスタントという体制です。
── 木山さんから見て、独立後の収益はどのくらいが現実的なラインですか。
2〜3年しっかり経験を積んだ人がやれば、初年度で年商2,000〜3,500万円、利益ベースで1,000〜2,000万円は見えてくると思います。
社内で年収500万円前後をもらっていて、それなりに力のあるメンバーなら、独立初年度で収入が3倍というのは余裕で射程に入る。もちろん、そこから人を採って投資し、自分の組織をつくっていくという選択もできます。
リスクは当然ある。それでも「ゼロから」よりは圧倒的に小さい
── 逆に、リスクはどう捉えていますか。
フリーランスになるのと同じリスクはあります。自分で仕入れをしなければいけないし、保証もない。そこは正直に言っておきたいです。
ただ、「自由に働いて稼ぎたい」と言ってフリーランスになる人に、僕はいつも冷静に伝えています。年収1,000万円を個人で稼ごうとすると、月120万円。月200時間働いても時給6,000円の仕事を取り続けないといけない。これは簡単なことじゃない。
その点、人材紹介であれば1,000万円は堅い。力があれば2,000万円も目指せる。しかも成功パターンも失敗パターンも僕が見てきているので、ゼロから一人で独立するのに比べれば、リスクは圧倒的に小さいはずです。
── どんな方がこの制度に向いていると思われますか。
大きく2つあります。
1つは、そもそも独立願望がある人。手段は人材紹介でなくてもいい、むしろ何で独立するかはこれから決めたい、という方も含みます。「そんな座組みがあるならありがたい」と感じてもらえるなら、相性はいいと思います。
もう1つは、自分のビジョンを掲げて、自分ならではの組織をつくりたいという人。人材紹介は、一人で稼ぐところで終わらず、仲間を集めて事業として大きくしていける。「どんな支援をする会社にしたいか」を自分で決められるのが、この道の面白さだと思います。とにかく挑戦したい、という熱量がある方には、挑戦しがいのある環境です。
独立は、あくまで選択肢のひとつ
── 独立が前提の会社、というわけではないですよね。
もちろんです。社内でCAとしてプロを目指す道も、マネジメントや事業責任者を目指す道もあります。
むしろ力がある人なら、「それだけ稼げるなら会社に残って、より大きなことをやる」という選択も十分にあり得る。独立は、キャリアの選択肢を増やすための仕組みであって、ゴールではありません。
── 最後に、興味を持った方へメッセージをお願いします。
ヒトツメは今、新卒の求人プラットフォームとして業界内でも有数のポジションを築きつつあります。取り扱い求人は1,500件前後。本来であれば競合にあたる他社エージェントとも協業し、そのネットワークは90社以上に広がっています。
この基盤の上でCAを経験できること自体が、独立を考える人にとって大きなアドバンテージになるはずです。
まずはCAとして、学生と企業に向き合うところから始めてほしい。そこで積み上げたものは、社内でキャリアを広げるにしても、独立するにしても、必ず資産になります。その先に独立という道を選ぶなら、僕らは全力で後押しします。
「いつかは独立したい」「人材業界で挑戦したい」。そんな思いがある方は、ぜひ一度カジュアルにお話ししましょう。