【はじめに】

本記事では、飲食店経営におけるデータの利活用に着目し、前回同様、米Replica社による具体的事例を取り上げたいと思います。
Replica社は2019年に設立され、データ可視化ソフトウェアの開発や分析、シミュレーションなどを通じて、幅広いクライアントのまちづくりを支援しています。
今回は、データを用いて飲食店の経営戦略にアプローチした事例をご紹介します。

【事例研究：Borne社】

案件概要

パンデミック以降、飲食店の閉店が相次いでおり、飲食店業界では飲食店の約65%が開店後3年以内に閉店すると言われています。
サンフランシスコ発のBorne社は飲食店の健全な経営をサポートするコンサルティングファームであり、独自の予測モデルによって適切な立地や開店のタイミングを提案しています。Borne社は、Replica社が保有する網羅的なデータセットを活用することで、飲食店の現状把握を実施しています。

Replica社のアプローチ

Replica社のデータセットによって、訪問客の導線や傾向、属性が可視化されます。こうした情報から、飲食店の立地や訪問客の属性がどのように飲食店のコア層に影響するかを分析することができます。
下図は、人々の移動手段や滞在目的を詳細に分析し、これをもとに飲食店の利益を予想するサービス、 “Trends”です。他にも、車での訪問客には欠かせない駐車場の分析を実施することで、飲食店のアクセスの良し悪しを評価します。

アウトプット

例えば、ピザチェーン店のオーナー会社に対し、Replica社はエリア内の平日の夕方の人流を分析し、適切な出店形態を検討する際のヒントを提供しました。
下図では、平日の17:00から20:00にかけての目的地の分布と、人々の年代・収入が可視化されています。

結論

Replica社のデータによって、Borne社は顧客に対し、仮説に留まることなく、定量的な根拠に基づく提案を行っています。

【最後に】

本事例では、既存のビジネスにデータを組み合わせることで、これまではなかったシナジー効果が生み出され、飲食店の健全な経営に対する効果的な提案が可能になりました。
このように、GEOTRAもデータを基盤に多様なアプローチを展開し、あらゆる手法で社会課題の解決に貢献する方針です。

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