みなさんこんにちは。
愛知県豊田市で“とび職”をしている、株式会社SSです。
ここ数年、アメリカでは“ある現象”が話題になっています。
名門大学を出ても職がない若者が増える一方で、配管工や製造業など現場職の需要と収入が急上昇。
原因はAIにより、頭脳労働がどんどん奪われていっていること。
ホワイトカラーよりブルーカラーのほうが重宝され、高収入を得るケースもあるそうです。
そんな動きを、メディアは「ブルーカラービリオネア」と呼んでいます。
――では、日本の建設業でも同じことは起きるのか? 現場職の価値は、本当に上がるのか?
この問いを、10代からとび職をはじめて、現在は正社員・業務委託合わせて約50名の職人を束ねる当社社長・榎本にぶつけてみました。
目次
社長「今の仕組みじゃ、正しく報われない」
安全は、大切なのに見えにくい
僕たちが、建設業の価値を伝えていきたい
もっと大きな変化を、一緒に起こしませんか?
社長「今の仕組みじゃ、正しく報われない」
理由はシンプルで、僕たちの価値は最終的に“お客様が払える金額”で決まってしまうからです。
たとえば6000万で家が建てられる。でも懐事情を考えた時、3000万しか払えない。
そんな時、3000万円で家を建てようとすることって、僕らに安い賃金で働けということになってしまいますよね。
どれだけ価値を提供してもお客様の支払える額が変わらない限り、僕らの頑張りは報われないわけです。
日本で建設業の価値をもっとアップさせるための策を提言するなら、民間の人たちの収入だけに頼るのは限界があるので、その点を国がどう捉えて解決していくかということ。
そしてそもそも、建設業が社会に提供している価値を知ってもらい、正しく評価してもらう必要があると思うんです。
安全は、大切なのに見えにくい
工事中の事故で人が亡くなってしまった。
ずさんな工事でできていて、なんだか危なそうだ。
そんな建物で過ごしたい人は誰もいませんよね。
僕たち建設業が提供している最も大きな価値は、安全です。
事故を起こさないために足場をしっかり組んだり、 手間をかけて現場環境を整えたり、完成したら見えなくなる部分にこそ、僕たちは力を注いでいます。
でも、一般の人たちが見るのはできあがったものだけです。
安全のためにどれだけ時間や技術を使っていても、あとに残りません。
その点が、世の中で建設業の価値が認められない原因の一部になっていると思います。
僕たちが、建設業の価値を伝えていきたい
常識や周囲がどうであろうとおかしいものはおかしい、周りのために改善できるところはどんどん変えたい。
そんな社風の僕たちだからこそ、建設業が社会に与える価値をもっと理解してもらい、業界全体のイメージ・価値向上に貢献したいのです。
そのために、就労体験や学校への出前授業、地域に向けたCSR活動など、建設業を知ってもらうための活動に取り組んでいます。
最近は、他社と連携して実際の工事現場を使った就労体験を行いました。
障害のあるみなさんと一緒に、ジャングルジムを塗装。
建設業の楽しさや難しさを知ってもらえる機会になったと思います。
そして、僕たちのこうした活動には豊田市や、僕の地元である豊明市の自治体の方々も興味を持ってくださっています。
もっと大きな変化を、一緒に起こしませんか?
このように、近年いろいろな取り組みを続けてきた結果、少しずつではありますが、手応えを感じられるようになってきました。
そのひとつが、若い世代の反応の変化です。SSでは2022年から、地元の高校生を採用しています。
今年入社を決めてくれた学生は驚くほど成績が優秀。
高卒の就職は大卒よりも通信簿が重視される傾向にあり、彼なら大手企業にも行け
たはず。
正直「どうしてうちに?」と聞かずにはいられませんでした。
すると彼はこう答えました。
「先生も薦めてくれましたし、自分に合った仕事だと思いました」
これまでは、 “他にできそうな仕事がないから”という受け身の理由で選ばれることも多かった建設業界。
だからこそ、他にも選択肢のあるはずの学生が「意思を持ってSSを選んでくれた」という事実が、僕たちはとても嬉しかったのです。
そして、ブルーカラービリオネアという言葉も生まれているほど、人間にしかできない肉体労働が再評価され始めている現代。この変化はもっと大きくできるはずです。
あなたも一緒に、建設業の未来をつくる側に回りませんか?