今回ご紹介するのは、コンサルティングファームでキャリアを積み、その後、株式会社松尾研究所に2022年8月にジョインされた村上将一さん。松尾研究所を選ばれた理由、今後の展望についてお聞きしました。
「研究に踏み込んだ知見があれば、競争優位に立てる戦略を提案できるはず」歯がゆさから次のステージへ。
ーこれまでのご経歴を教えてください。
ファーストキャリアは損害保険会社で、主に法人営業、リスクコンサルティングをしていました。その後コンサルティングファームに転職し、戦略コンサル部門でマネージャーとして約3年半従事したのち、松尾研究所にジョインしました。
戦略コンサルでは様々な業種のクライアントに対し、中長期戦略や、新規事業の立案、シナリオプランニングを行っていました。
ー転職を考えたきっかけを教えていただけますか?
当時、様々な種類のプロジェクトに携わっていたのですが、中でもAI活用に関するプロジェクトが多くありました。社内にもAIに精通した人材はいて、相談もできる環境だったものの、「先端AI研究の社会実装を行う知見が自分自身にあれば、アイディエーションの段階からより競争優位性の高い戦略を解像度高く構想できる。そうすることでクライアントにとってより価値のある提案ができるのではないか」と考えるようになりました。
そんな自分の理想とする状態に到達していない自分に歯痒さを感じ、次の進路としては、自身のAIに関する知見を深めながらAIコンサルティングができる企業を探索していました。
コンサルタントがリサーチエンジニアとバディを組む。松尾研で、研究動向を追う最前線に辿りついた実感。
ー松尾研究所に入社を決めた理由を教えてください。
決め手は、大きく三点あります。
一点目は、先端AI研究を社会実装するという、松尾研究所の業務に魅力を感じたことです。同時に、面接の中で、AIエンジニアリングに精通している優秀なメンバーとバディを組んで提案活動できることや、基礎研究を行うリサーチャーの方々とも直接意見交換ができることをお伺いし、これはあまり他にはない、先端AI 研究の社会実装に関する知見が得られる環境だと感じました。
多くの日本の企業が、AIを活用しようとしてもなかなか実現できないという悩みを抱えています。今までできなかったことができるようになる、そんな先端の研究が生まれているということは、私もある程度知ってはいたものの、知識が乏しかった。その点に詳しいリサーチャーの方とのコネクションは魅力的でした。
私自身、単なるAIの開発ではなく、先端AIの研究を社会実装していく、その先端性が重要だと思ってます。
AIは、今なお世界中で多くの研究がなされ、現行の手法に関する問題点を解消したり、より高精度に予測を行う手法が日夜生み出されています。ですので、AI開発に取り組む際はそういった最新の研究を踏まえながらベストな手法を選択することで、クライアントにとって最適な提案ができると考えています。
この「先端」という部分に関しては、ケイパビリティやリーチのしやすさという点でも、松尾研はベストな環境であると考えました。
二点目は、目指す目標のスケール感です。
松尾研究所では、「AIを社会実装をする共同研究を推進し、日本全体のDXを推進していく」という高次な目標を掲げています。
面接の際に、お話しさせていただいた社員の皆さんも、「共同研究を通して先端技術と社会の橋渡しを行い、社会実装を加速する」という松尾研究所のミッションを意識されていることが印象的でしたし、その姿勢にとても感銘を受けました。
最後は、チャレンジできる自由な風土があると感じたことです。
社員の皆様からも口を揃えてお伝えいただいたことですが、自分がやりたいことがあればチャレンジを推奨する風土、環境が整ってると思えたことが大きいです。
余談になりますが、当初は松尾研究所が、共同研究として社会実装を推進していることも、松尾研究所でキャリア採用しているということも知らなかったです。また、東京大学の出身でなくても、松尾研究所に転職できるということも知らなかったので驚きました。
社会・経済を動かす経営者達との、熱量も視座も高い商談に驚き。
ー現在の具体的な業務内容に関して教えてください。
主に大手企業の役員層や、事業企画部門の責任者の方々へのAIやDXの提案活動をメインに行っています。クライアントの課題を伺って、松尾研究所の特徴である「あるべき姿を解像度高く描くこと」を軸に検討を進めつつ、実現するための手法とプロセスを考え、ご提案、という流れです。検討の段階から、AIエンジニアとバディを組んで、技術的なところを補完していただいています。
ー村上さん自身も技術についてキャッチアップしながら提案を進めていると思うのですが、具体的にどのように提案内容を検討しているのですか?
解かなければいけない課題を明らかにしたのち、手段であるAIの手法として何を選択するかを検討します。
その際に把握する必要があるのは、世の中にその課題に対しての解決手法は何があるのか、そしてそれぞれの特徴は何かということです。それらを並べ、評価して絞り込む。ですので、まずはどんなオプションがあるかということをとことん調べます。
松尾研にジョインしてから、より精度の高い論文のリサーチ手法をAIエンジニアから学べたことも良かったですね。前職ではGoogle Scholaを使う機会もあまり多くありませんでしたが、現在は発表からの年数や被引用数といった相場感なども鑑みつつ、積極的にサーベイをするようになりました。
ー入社してギャップを感じたことはありますか?
入社して、本当に驚いたのは、産業界のあらゆる業種業態のリーディングカンパニーの上位レイヤーの方々との接点が豊富ということです。松尾研究所はアカデミアに近い企業だと思っていたので、産業界との接点の多さがまず驚きでした。そんな企業はおそらく他にないんじゃないかな、と。加えて、社長などの経営層や経営企画の責任者といったレイヤーに直接提案が出来る機会が多く、商談で出てくる話の“視座”の高さにもかなり驚きました。
さらに商談時の雰囲気も、最初から先方の熱量が高いんです。こちらの情報を吸収しようという意気込みがすごい。提案を受け入れてくださる素地がある。松尾研究所への期待の大きさを感じます。
またある意味想定以上だったのが、AI開発についてご相談いただく機会の多さと、提案するAIテーマの幅広さです。産学連携を含め、先端AI研究を社会実装したいというニーズを持つクライアントは、予想以上に多いという印象です。
世界にあるAI手法を俯瞰し、最適なソリューション提案を行える。
ー企業の方々が松尾研究所に求めていること、松尾研究所だからこそという依頼や、期待される部分はありますか?
既に社会でなんらかの実装が進んでいるようなソリューションではなく、先端的な、今まさに世の中で研究されてるような手法を用いたAI開発が求められています。世の中で動いているAIの研究を俯瞰的に見て、課題に対して最適なソリューションを提案してくれそうだという期待があるのではないかと感じますね。
過去にこういった試みを推進しようとしたが途中でプロジェクトが頓挫してしまった、というクライアントの話を聞くことも多々あります。そういったクライアントは、過去にチャレンジしてうまくいかなかった部分を、先端のAIの手法を用いてブレイクスルーしていきたいというニーズがとても大きいです。
ーコンサルティングファームと松尾研究所、AI系のプロジェクトに対してのアプローチの差はあると感じられますか?
AI開発手法を深堀り、検討出来るのが、松尾研の特色であり強みだと言えます。
コンサルティングファームでは、課題に対して既存で確からしい手法のみを提案しているイメージがありますが、対して松尾研究所では、解決策を複数提示することができます。さらに、現時点ではクライアントの業界には適用してない、他の業界でもうすでに取り入れ始めたAIの先端的な手法を取り入れることができるかもしれないという、挑戦的な提案ができることが多い。この辺りが差分だと思います。
世界におけるAIの手法というのを俯瞰した上で、最適な手法を複数候補から選んで、提案することができることは魅力の一つです。
最新技術のキャッチアップが習慣化されている、刺激的で魅力的な環境。
ー入社して組織や環境について、どう感じていますか?
刺激的でチャンスが多い、魅力的な組織だと感じますね。
例えば、先端AIについて学習できる環境であること。最新のAI論文の輪読会が週1回開催されていて、私も参加させてもらっています。徐々にキャッチアップしてる段階ですが、大変勉強になってます。
また、やはりメンバーの皆さんが、すごく優秀で向上心が高いです。AI、MLのエンジニアリング についての知見も豊富で、様々な最新の手法についても情報収集し、常に自己研鑽やアップデートをしていると感じます。それは自分にとって大きな刺激になっていて、知見を共有いただいています。
ー入社にあたり、不安に感じられた部分はありましたか?
戦略コンサルにいた人が転職の際にAI系に進む場合、AIに関する知識が乏しい中で、エンジニアの方々と対等に話せるのかを気にする方は多いのではないかと感じます。選考中は私も少し不安に感じていたものの、入社後にはそういった不安は払拭されました。
よくあるのが、こちらから能動的に聞きに行かないと話せないような環境です。これは、AIの知識のない人からすると結構ハードルが高かったりします。
松尾研究所内では、共同研究チームとは、毎週1〜2回は、ミーティングで話す機会もありますし、Slackで気軽にいろいろやり取りできる文化もあるのでハードルは低いですね。実際、入社してからも抵抗感は感じたことはなく、大変ありがたいです。
好奇心を満たせるチャレンジングな機会。いずれは海外も視野に入れていきたい。
ー今後目指していることや、夢をお聞かせください。
もっと世の中にインパクトを与えられるようなプロジェクトを、数多く生み出していきたいです。色んな業界のプレイヤーと連携して、より大きな仕事をしていくことを想定したときに、海外を視野に入れて連携すると相乗効果はあると思っています。そのような点も含めてチャレンジしていきたいですね。
あとは、産学官連携を進めた結果、オープンイノベーションをより拡大していくことができるように、私自身も関与していきたいです。
ー今後どんな人と働いてみたいですか?
皆様にとっても、好奇心を満たせる素晴らしいチャレンジの機会がここにあると思っています。そういった点に魅力を感じて仕事を進められる方と是非ご一緒したいです。
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(プロフィール)
村上 将一 AI事業開発マネジャー
大手損害保険会社、デロイトトーマツコンサルティング合同会社(モニターデロイト)を経て現職。前職では、幅広い業種のクライアントに対してデジタル戦略立案や新規事業構想のコンサルティング業務に従事。慶應義塾大学経済学部経済学科卒。経営学修士。
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