「前例がないから、やめておこう」
この言葉を何回聞いたことがありますか?
会議で新しい提案が出る。一瞬の沈黙のあと誰かが言う。
「前例がないからなあ」。それで終わり。提案した人は次から提案しなくなる。
こんにちは。株式会社トレスアルコンです。(この連載のこれまでの話:[Vol.1]・[Vol.2]・[Vol.3])
私たちの会社ではこの言葉の使い方が逆です。
「前例がない」は、リスク管理を始める合図
誤解のないように先に言うと私たちは「ノリと勢いで何でもやる」会社ではありません。インフラエンジニア派遣を主軸とする会社です。本番環境を止めないことが商売の人間たちなのでリスクには人一倍うるさい自覚があります。
だからこそ、こうしています。
前例がない提案が出たら「前例がないからこそ」いろんな目線でリスクを洗い出す。
- 技術目線:何が壊れるか、どうやって戻せるか
- 運用目線:誰の日常業務がどう変わるか
- お客様目線:どこまで・いつまで影響が出るか、根拠を説明できるか
リスクを出し切ったらそれぞれに対応策を整える。そこまでやったらあとは社員一丸で「新たな挑戦」として取り組む。やる以上は全員で成功させにいく。
「前例がない=やらない」ではなく「前例がない=丁寧に準備して取り組む」。
同じ慎重さの使い方でも行き先がまったく違います。
Vol.2もVol.3も、最初は「前例がない」だった
実はこの連載で書いてきたことは全部このやり方で実現しています。
グループウェアをTeamsに刷新したことも(Vol.2)、AIを日常業務に組み込んだことも(Vol.3)、社内に前例はありませんでした。移行で業務が止まるリスク、AIの回答を鵜呑みにするリスク——先に洗い出して対応策を決めて始める。
だから、うまくいったあとに残るのは「やってよかった」だけではありません。
「うちは前例がなくてもちゃんとやれる」という自信が会社に積み上がっていきます。
これが次の提案のハードルを下げる。良い循環です。
「前例がないなら、やらないほうが安全」
「前例がないからこそ、準備して取り組む」
どちらか一方が正解ということではなく、私たちの取り組み方は後者です。
次回はいよいよ最終回。会社を変えるのは、社長だけじゃない【Vol.5】です。