こんにちは!リアルト・ハーツ採用担当の大竹です!
男性の積極的な家事育児への参加を奨励するために、2022年4月、男性育休を含めた育児休業(以下、育休)の取得促進を義務化するよう、育児・介護休業法の改正が施行されました。
そのような背景もあり、厚生労働省の調査では2022年度の男性の育休取得率は17.1%と、女性の80.2%と比較するとまだ低いものの、増加を続けています。
リアルト・ハーツでも男性の育休取得を推進しており、実際に取得する社員も増えてきています。そこで今回は、2024年1月~2月に1ヶ月の育休を取得した牧野友紀さん(名古屋支店・施工管理)に、取得してよかったことなどを聞いてみました。
「最初の大変な時期を家族で乗り越えたい」1ヶ月の育休の申請へ
-1人目のお子さんの誕生、おめでとうございます!育休の取得は以前から考えていらっしゃいましたか。
牧野:はい、やはり1人目なので、育休を経験してみようと考えていました。制度としては1年まで育休を取得できますが、育休後の職場復帰への不安と、育児も最初の1ヶ月が大変と聞いていたので、その時期を妻と一緒に乗り越えられたらという思いもあり、1ヶ月で申請しました。
-育休を申請した時の周囲の反応はどうでしたか。
牧野:男性の育休取得は増えてきているとはいえ、まだ世の中では珍しいとは思いますが、でもごく普通に、私の意思を尊重してもらえました。言い出す前は、少し抵抗感というか躊躇する気持ちも多少あり、「これは権利だから」と奮い立たせるような気持ちもなくはなかったのですが、すんなり受け入れてもらえたので、そんなに気負うことはなかったなと(笑)。
妻も、私が育休を取得することが前提と考えていたようで、会社でも家庭でも、育休取得は自然というか当然の流れとして進んだように思います。
-育休に入る時はどんな心境でしたか。
牧野:仕事に対しては、1ヶ月休むので「仕事を忘れてしまうのではないか」という不安みたいなものがありました。一方でプライベートでは、「育児を1ヶ月で覚えられるのか」というプレッシャーがありました。「仕事を忘れちゃいけない」という思いと、「育児を覚えなきゃ」と相反するような思いで、複雑でしたね。
子どもは2023年11月に生まれ、その後里帰りしていて、私が育休を取得したのは里帰りから帰ってきてからのタイミングになります。里帰り中は義両親にお任せしていたので、育休に入ったら私も育児に集中しようと思っていました。それでも、「育児モード」「仕事モード」と切り替えられるのかなという不安は結構ありました。
家事育児を完全に分担して寝不足も経験「育児の大変さ」を知る貴重な時間に
-いろいろと複雑な心境だったのですね。ちょうど生後3ヶ月くらいからの育休でしたが、出産日には立ち会われたのですか。
牧野:はい、休みをとって出産に立ち合いました。とても痛そうだったので、驚いて自分まで痛そうな顔をしていたら、看護師さんに「旦那さんはそんな顔をしなくていいから」と言われてしまいました。 「呼吸を止めて」という看護師さんからの指示も、無意識に私も一緒に息を止めていたので、「旦那さんはやらなくていいですよ。落ち着いてくださいね」と言われてしまい、傍目にも落ち着いていなかったんじゃないかなと思います。でもすごく貴重な、素晴らしい経験でした。
―それは素晴らしい経験でしたね!いよいよ始まった育休の1ヶ月は、どんな感じでしたか。
牧野:育休前に妻は里帰りしていたのですが、その期間は週末に会いに行き、おむつの交換や寝かしつけなど、私にもできそうなことを妻や義両親に教えてもらっていました。
うちは完全母乳なのでミルクを上げることはできませんが、ある程度教えてもらった状態で育休が始まったので、母乳以外のことはすべて行いました。母乳を飲んだ後にげっぷを出させるとか、寝かしつけ、着替え、お風呂、オムツ交換など、一応全部交代でやっていました。
また、洗濯、掃除、炊事などの他の家事も、完全に分担していました。家事の分担は以前からしていますが、保育園に入れれば妻も仕事に復帰するので、いつでも交代できるよう、全部できるようにしました。
―苦労したことなどはありますか。
牧野:寝かしつけがなかなか大変なんですが、義実家にバランスボールがあって、それに座って抱っこして跳ねるとうまくいったんですよね。バランスボールの振動が、お腹の中にいる時に女性が歩いている感じに似ていて赤ちゃんが安心するそうなんです。だから今もそれで寝かしつけています。
ネットで検索したら、バランスボールを使っている人も結構いるんですよ。1ヶ月だけでしたが、育児のちょっとしたコツがわかったような気がします。
-育休に入る前は、「育児が覚えられるか」という不安があったそうですが…。
牧野:1ヶ月やってみて、ある程度は育児にも慣れたと思いますし、すごく貴重な時間を過ごせました。やっぱり、やってみないとわからないことは本当に多いです。子どもの成長への喜びもわからないし、 育児の大変さも理解できないんだろうなと思います。
たとえば、赤ちゃんも何かあって泣いているのですが、その理由がわからないんですよね。大人なら聞けば理由がわかるけど、言葉を話せないからそれができない。泣き止んでくれないし、解決方法も全くわからなくて、外に出たり車に乗せたりするけど、結局わからなくて耐えるしかないみたいなこともあって、理不尽に感じてしまうこともあるし(笑)、「仕事をしている方が楽」というのもわかるなと…。
「赤ちゃんのお世話は大変」とは聞いていましたが、やっぱりみんなが言うよりも大変というのが身をもってわかったので、それはかけがえのない経験でした。
‐育児あるあるですね。それで寝不足になったりとかも…
牧野:そうですね、寝不足になることは多かったですね。今はもう仕事に復帰したので、夜のお世話は妻に交代してもらっているんですが、その分仕事から帰った後はできるだけ私が世話をして、妻に休んでもらっています。
育児の大変さがわかったからこそ、昼間は仕事で留守にする分、自分が家にいるときはできる限り家事や育児をやるようにしています。
あっという間の1ヶ月「大変さ」を上回る大きな喜び
-この1ヶ月は、牧野さんにとって長かったですか?それとも短かったですか?
牧野:意外と短かったです。赤ちゃんのお世話は細々とやることが多いので、「あ、もう昼だ」「もう夜だ」ってあっという間に1ヶ月過ぎて、仕事している時よりも早く感じました。
何もかも初めてでずっと緊張していましたし、夜しっかり寝れずに睡眠不足になりがちで、子どもが昼寝をしている時は自分も仮眠をとるようにしていたので、それもあって時間が早く感じたのかなとも思います。
1ヶ月間慣れないことばかりでしたが、子どもは可愛いし、その成長をしっかり見れたという喜びはかなり大きいです。生後3ヶ月くらいまでが一番変わると聞いてたので、その期間の半分くらいを一緒に過ごせて、子どもが日々、できることが増えていく喜びを実感できました。一緒にいたからこそ、写真もたくさん撮れました!
-大変ながらも、充実した時間だったのですね。そうなると、育休の最終日はどんな心境だったのでしょうか。
牧野:最終日になると、休み前と同じように仕事ができるか心配でしたね。仕事を忘れてしまっているのではないかという不安は常にあったので。
一方で、育休が終わってしまう寂しさもありました。妻と相談して期間は1ヶ月にしたのですが、終わってみればもっと長期間取得してもよかったかなというか、名残惜しい気持ちもありました。
それくらい、子どもの成長を近くで見ながら一緒に過ごす時間は、本当にかけがえのないものでした。
―仕事への不安も大きかったようですが、復職1日目はどうでしたか。
牧野:特に普段と変わりませんでした。仕事を忘れてないかどうか、一つ一つ確認しながら、思い出しながら、ちょっと忘れてしまったことは聞きながら、ゆっくりしっかり進めていったという感じです。でも、心配していたほどのギャップはなかったです。
マルチタスクや心の余裕など育児の経験が自分自身の成長に
-育休中の経験は、何か仕事に影響を与えたり、変化をもたらしたりしましたか。
牧野:やはり子どもがいるので、責任感はより強くなったかなと思います。
あとは、マルチタスクに慣れたことですかね(笑)。育児には本当に細々とやることがあって、1つのことをやっている間に次のことを考えて、しかも効率のよい順番ややり方も考えなければなりません。子どもが泣く前に着替えやオムツの準備をしておこうとか、お風呂の後にはこれを用意しておこうとか、常に「次に必要なこと」を考えている状態でした。常に次に一歩先のことと効率を考える必要があったので、その頭の使い方がすごく新鮮でした。
マルチタスクは今まで仕事でもやっていましたが、あんまり得意じゃなかったんですよね。でも赤ちゃんはすぐ泣いちゃうので、「今、これをやっておかなきゃ」という切迫感がまったく違うので、マルチタスクにならざるをえないというか…。
育休中に身につけた、効率を考えたり同時にいろんなことを並行して進める頭の使い方を、仕事にも活かせたらと思っています。
-育休の経験が、牧野さんにとっても新たな成長の機会になったのですね!最後に育休取得を考える方に、ぜひ一言お願いします。
牧野:育児は大変ですが、育休を取得し、子どもの成長を近くで見て、何気ない瞬間を一緒に過ごせたことは本当に大きかったです。
1ヶ月では、「育児は大変」ということしか分からなかったので、あまりそういう思いをしたくない人には向かないのかもしれませんが、その大変さがわかること、経験することにすごく価値があると思います。
私は慣れるのが精いっぱいで「大変」で終わってしまいましたが、もっと長期間で取得すれば、もしかしたら「大変」から「楽しい」に変わるのかもしれませんし、 私ももし2人目の機会があれば、その時も育休を取得したいと思っています。
また、我が家はもともと家事は完全分担していましたが、育休で一緒に育児をしたからこそ、仕事に復帰してからの育児の関わり方がわかり、協力体制がよりスムーズになりました。もし育休をとっていなかったら、関わり方がわからず、ただただ妻の負担が増えていただけだったかもしれません。
私は何を考えているのかわからない赤ちゃんとずっと一緒に過ごすことで、前よりもイライラしなくなりました。もともと短気なタイプではないですが、赤ちゃんと過ごすなかでいい意味で「相手は自分の思い通りにはならないから、まあ仕方ないよね」という諦めというか、余裕みたいなものが心に生まれてきたんですよね(笑)。育休で赤ちゃんと過ごし、お世話をすることで、人としても成長ができるのかなと思います。
牧野さん、ありがとうございました!育児休業取得など、家族やプライベートの時間を大切にして働きたいと思っている皆さんからのご応募をお待ちしております。