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「水族館の飼育員になりたい。」── 夢を追いかけていた彼が、スタートアップの未経験デザイナーになった理由

「大学でのマグロの研究も、展示会業も、デザイン制作も、全てにロジックがある。それを形にして情報を伝達し、人や社会をより良く変えられると思っています。ただ“分野”や“職種”の形を変えているだけで、僕の中の価値観はずっと変わっていません。」

そう語るのは、UIデザイナーの染谷賢太郎。

学生時代は、夢であった水族館の飼育員を目指し東京海洋大学へ入学。海洋生物学を学び、大学院ではマグロの研究に励む。新卒で、広告・イベント会社に入社し、展示会の主催業務として企画や営業、現場運営に携わる傍ら、展示会のポスターやWEBなどのデザイン制作を行う。

そこで、事業の上流から携わって情報を編集し、ビジュアル化することにやりがいを感じるとともに、よりマーケティングの知見を深め、様々な領域のデザインに挑戦したいと考え、セブンデックスに入社。

未経験デザイナーとして入社し約1年。入社するや否や、たちまち頭角を現し今ではセブンデックスをリードするデザイナーの1人として成長。そんな染谷が、マグロの研究をしていた学生時代から、どんな経緯でデザイナーとしてセブンデックスに入社したのか。

目次 [開く]

幼い頃から憧れていた水族館の飼育員。海洋生物学を学ぶ中で出会えた“デザインの力”

ーはじめに、大学時代について教えてください!

僕は、幼い頃からの夢であった水族館の飼育員を目指し、大学は東京海洋大学へ入学し、海洋生物学を専攻していました。水族館の飼育員になるにあたって、学芸員の資格取得が推奨されていたことから博物館学という学問に励んだ、大学生活でしたね。

博物館学では、博物館の存在意義や歴史、教育、展示技法など、博物館を通じて資料と社会を結ぶために必要な幅広い分野を学んでいました。例えば博物館展示論という分野においては、解説板やインフォグラフィック、ジオラマを通して資料の情報をいかに分かりやすく伝達するかを学んだり、博物館教育論という分野では、子供向けの展示方法やワークショップ、教育プログラムの企画を学んだり、とか。

僕が初めて、“デザイン”に触れられたきっかけも、“デザインの力”を強く実感できたのも博物館学があったからです。

ただ、メインの勉強自体は海洋生物学なので魚や海について学びながら、大学院に進学。大学院では、マグロの研究をしていました。

ー飼育員という道を選ばず、大学院に進んだ理由は?

色々な理由がありますが、学生生活を続けたかったからが1番大きいかもしれない(笑)

他の理由としてはその頃、自分が関心が向いているのが“飼育員”という仕事ではないんじゃないかと思っていて。先ほど紹介した博物館学を通して、生物のケアや飼育をするというより、既に飼育されている生物たちについての資料を集めて、展示などを通して情報を伝えるほうが関心が高くなっていたからです。なので、一旦大学院に進学し、さらに深く海洋生物学を学ぼうと思いました。

あとは、大学入学当初は『水族館で働く=飼育員』だと思い込んでいたんですよね。水族館って、飼育員以外の仕事が見えないので。でも、勉強をしていくうちに水族館にも様々な仕事があるのを知って。少なくとも自分が目指す仕事は飼育員ではないのかも、と思うようになりましたね。

ーでは、大学院に進学し飼育員という夢からは離れたのですね。

はい。ただ、やはり水族館の飼育員は僕の幼いころからの夢であったので、飼育員にならなかったことを若干引きずっていた部分はあります。心のどこかで“やっぱり、なれるならなりたい”と思っていましたね。なので、大学院進学後も、水族館の飼育員の求人は常にチェックしていましたね(笑)

今も昔もそうですが、何かしら水族館に関わる仕事をしたいという気持ちは変わりません。

そこからは、大学院でマグロの研究に没頭する日々。大学院では自分が研究で出したデータを伝える研究発表が多くあるのですが、データをどうまとめて、いかに人に伝わりやすい形の発表資料にするかを考える機会が増えました。博物館学で学んだことを、活かせる場所でしたね。

また、情報を整理して伝達することができるデザインの強さと楽しさを、改めて実感することができた大学院生活だったなー、と思います。自分が研究で有益な情報を手に入れたとしても、それを社会に還元できる仕組みをつくらないと存在にも気づいてもらえないし、勿体無いことになってしまいます。そんな学びを通して、綺麗なビジュアルだけではなくしっかり人に届く“デザイン”をすることが重要だなと感じました。

「自分はデザイナーになれない。」と思っていた就活時代。そして、デザイナーに挑戦する勇気をくれた、新卒時代。

ー大学院卒業後はすぐデザイナーに?

ならなかったです。デザイナーって良いな、なってみたいな、とは思っていたのですが、僕、デザイナーって美大出身じゃないとなれないと思っていたんです。なので就活の時は、視野に入れていなかったですね。

ただ大学で学んだ博物館学のスキルを生かしたい気持ちはありました。水族館のように非日常な空間で情報を伝達することで、心を動かして興味を持ってくれる人が増え、社会が変わっていくような仕事がしたいなと。そこから、イベント業やディスプレイ業(博物館の展示を含む、施設の空間を設計する仕事)など本当に様々な会社を見ました。

そして最終的に新卒で、株式会社JTBコミュニケーションデザインに総合職として入社。営業やマーケティング、広報や現場運営を一気通貫で行い、東京ビックサイトなどで行う展示会の主催をしていました。展示会はまさに、情報伝達する場の設計ができるので、僕のやりたかったことにあっていましたね。

僕は、展示会って社会的意義がとてもあると思っています。例えば、薬を作る技術を持つ製薬企業と、薬のもととなる化学物質を研究している大学とが展示会でマッチングし、新たな薬が生まれて人の命を救ったり。。展示会は、その業界のインフラみたいなことをしているんですよね、社会が大きく変えられるってすごく意味のあることだと思います。

ー総合職として過ごした数年間。そこからどうデザイナーへの転身を決意したのか詳しく教えてください。

僕の初めてのデザインは、総合職時代に制作した展示会用ウェブサイトとポスター。これらは自発的に制作したものを上司に提案し採用された、僕にとって初めて人に見ていただくデザインでした。嬉しかったです。

この後も、いくつかの展示会でロゴやバナーなどをデザインをさせていただきました。

ただ、このままだと“デザインが得意な人”で終わるなと思って。デザインが好きだったので、やるならしっかり突き詰めたいと思い、東京デザインプレックス研究所というデザイン専門校に土日を使い通い始めました。その後、思い切ってデザイナーに挑戦してみようと決意し、僕のデザイナー人生が始まりました。

ここまでが、今のキャリアに至るまでの経緯なんですけど、経歴を言うと「なんで海洋大なのにデザイナーなの?」とか「海洋大から展示会業なの?」とかなりよく聞かれるんです(笑)。
ですが、僕的には全て筋が通っていて。大学でのマグロの研究も、展示会業もデザイン制作も、情報をロジカルに整形し伝達することで、人や社会をより良く変えられるという共通した魅力があります。ただ“分野”や“職種”の形を変えているだけで、僕の中の価値観はずっと変わっていません。

ロジックを組み立てデザインという形に導く。そんな自分の思想とフィットした、セブンデックスとの出会い。

ーデザイナーとしての転身先に、セブンデックスを選んだ理由は?

まず1つ目はウェブサイト上でしっかり実績を見られたこと。2つ目は上流のマーケティングや、経営戦略なども理解した上でデザインを作れるような環境に惹かれましたね。

やっぱり僕は、ロジックを組み立てデザインという形に導きたいので、セブンデックスのビジネスモデルは魅力的で僕の考えにもフィットしそうだな、と思ったのが最初の印象でした。下請けとして依頼されたデザイン部分のみを制作するのではなく、ブランディングやマーケティングなどを経由してデザインに落とし込むことができるのは、本質的な課題解決に繋がる形だと思いました。

そこから面談を受け感じたのは、メンバーたちの人の良さ。未経験の自分を受容しようとしてくれているのが、本当に有り難かったです。また、選考課題もあったのである程度自分の実力を図っていただいた上で採用してもらった、という安心感もありました。

ー入社して約1年、今ではデザイナーチームを引っ張る一員として活躍していますよね。仕事をする上で大事にしていることがあったら教えてください。

これは明確にあって、仕事をする上で身の程をわきまえるようにすること。これだけ聞くとすごく堅苦しく聞こえますが(笑)

どういうことかと言うと、自分が今やっていることは仕事だし、自分はあくまでも労働者。どれだけ会社が親しみやすい環境だとしても、学生のサークルみたいな感じに自由でいるわけにはいきませんよね。

なので、今自分がやるべきことは何で、どれくらいのクオリティを求められていて、を感覚的にではなく本気で考える必要があると思っています。自分がこうしたいからやる、ではなく、これが必要で求められているからやる、というスタンスですね。

僕たちのプロジェクトは全てがクライアントワークです。そこで自分のエゴを出してしまうと、プロジェクトの方向性自体を間違えてしまいます。自分が納得できるまでデザインを磨いてクライアントに見せたら、期待値がずれていてやり直しになってしまったりとか。これって結局、自分が仕事の中でやるべきことを理解せず自分のエゴを通しているだけなんですよね。

自分の立場と役割をしっかり考えた上で、プロジェクトを前に進めるために必要なことをしっかりやり切る。そして、そこを満たしたら、余った時間で自分のやりたい仕事を好きなだけやればいいと思います。

これが僕が思う、仕事をする上で身の程をわきまえるようにする、の意味です。

ーすごく勉強になりました。最後に、デザイナーとしての今後の野望を一言聞かせてください!

まず、単純に水族館に関われる仕事をしたいです!(笑)いつか大好きな水族館と、お仕事ができるようデザイナーとして成長していきます。

あとは、社会に大きくポジティブな影響を与えられるプロジェクトをやってみたいです。これは僕としてもありますが、セブンデックスという会社としてですね。社会にもっと必要とされる存在になれるように大きくなっていきたいです。


【引用元】https://sevendex.com/post/30984/

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