ユーザーインタビューを成功させる4つのマインド|セブンデックス
この記事では、UXプロセスにおける"半構造化インタビュー"において必要な心構え・姿勢についてまとめていきます。
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こんにちは、SEVENDEXのデザイナーの三澤です。
SEVENDEXではビジネス・クリエイティブ・スタジオに所属しており、主にクライアントのデジタルプロダクトの新規事業開発において、体験設計からUIデザインまで一気通貫で支援しています。
前職ではスタートアップの立ち上げにデザイナーとして参画した経験もあり、今回はスタートアップのシード・アーリーフェーズにおけるデザイナーの価値について個人的な考えを書いていきます。
※シード・アーリーフェーズについて、ここでは「CPF(顧客の課題仮説の検証)、PSF(課題を解決する解決策の検証)の段階にある事」と定義します。
個人的に、シード・アーリーフェーズのスタートアップにおいて、デザイナーは大きな貢献ができると考えています。
それはデザイナーがもつ、プロダクトの設計に必要な情報を正しく収集・整理する力、ターゲットとなる生活者の視点でわかりやすく具現化する力によるもので、CPF、PSFのそれぞれのフェーズで活かされると考えています。各フェーズごとに詳細を説明します。
CPFのフェーズは、構想している事業における顧客課題の仮説を検証します。
実際に課題はあるのか、その課題を持つ顧客はどのくらいいるのか、顧客へのインタビューや観察を通して答えを出していきます。
当たり前ですが、スタートアップは予算も時間もとにかくリソースが足りません。その中で、いかに無駄なコストをかけずに正解に辿り着くかが重要です。
プロジェクトチームの中にターゲットユーザーと同じ状況や課題を抱えているメンバーがいない限りは、アイディアの検証は外部の方へ調査の協力が必要ですが、限られたインタビュー時間の中でインタビュアーが欲しい深い情報(サービステーマにおける真の要望や不満に繋がる本音、本人も気づかないような思考・行動習慣など)を得るのは難しいです。
よく言われる顧客に対する解像度を高く持つというのも、実際どういった情報をどの粒度で集めればサービス・プロダクト設計に繋げられるかは、実際に設計を行うデザイナーの立場からでないと適切な判断ができないように思います。
このフェーズにおけるデザイナーの価値は大きく2つあり、まずインタビューや観察を正しく行うことができる点、次に得られた結果を鵜呑みにせず一度俯瞰して捉え整理・構造化し、ニーズを正しく捉えることができる点です。
具体的には以下のようなスキルが該当します。
こうしたスキルは一定書籍や記事などで体系化されていますが、知識を入れても実践経験を積まなければ体得は難しい領域であるため、デザイナーが価値を発揮しやすい領域であると考えています。
PSFでは、CPSフェーズで実証された顧客課題を解決する解決策の仮説を検証します。
ここではデザイナーの具現化する力が活きてきます。
例えばユーザーインタビューにおいて、サービス内容を文章や口頭で伝えるより、構想を形にしたモックアップとして提案することで、口頭のインタビューでは出てこなかったような情報を得られます。
私の以前の経験では、サービス説明資料の段階で利用意欲が高く評価されたアイディアが、モックではそこまで高くなかったことがありました。
検証する目的に合わせて、価値や狙いを顧客に対して意図した通りのモックを作れるスキルは、スタートアップにとって致命的な手戻りを防ぐことができると考えています。
また、このフェーズでのスタートアップではソリューションの価値を短期間に次々と試していきます。
新しい競合が生まれる市場環境では、ターゲットをどこにするか、サービスにどのような価値や意味を持たせるか、継続やマネタイズの方法をどうするか等、上流のプロダクト戦略の段階から再考するケースも多く発生します。
このような場合に、上流の変更を即座に理解し具体のプロダクトに反映できるデザイナーがいれば、事業の環境変化に対応しやすいプロダクト開発を実践できると考えています。
ここまでシード・アーリーフェーズのスタートアップにおけるデザイナーの価値について、個人的な考えを述べました。
SEVENDEXではシード・アーリーフェーズのスタートアップの支援も積極的に行っています、ご興味ある方はぜひご相談ください。