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【社長インタビュー】紆余曲折を経て見つけた「関わる人を幸せにしたい」という想い。自らの失敗経験を糧に人材紹介会社を起こした、代表の人生哲学とは。
脇田將莅/代表取締役
1991年生まれ、大阪府和泉市出身。大阪体育大学卒業ののち、2014年にアビリティーズ・ケアネット株式会社に入社。2018年8月に独立し、人材や不動産の営業代行業を行う。2019年からフリーランスでキャリアアドバイザー職を始め、2019年11月に株式会社Laughallを設立。2020年11月、同社の不動産部門の株式会社Laughomeを設立。
頑張る意味を見出せなかったサラリーマン生活から、人生を変えるために独立するまでの軌跡。
――まずは新卒で就職するまでの経緯を教えて下さい。
大阪体育大学を卒業し、福祉や介護用品を取り扱う会社に入社しました。進路に体育大を選んだのは、両親が教師だったのでなんとなく。3回生の時に一般就職の道に切り替えましたが、その理由も”なんとなく”。周りに流されるように就活をし、受かった会社に勤めました。特に何かをがんばるような目的もない日々でしたから、最初の会社では、語れるようなエピソードは特にありません。
――せっかくの新卒入社。もったいないなと思ってしまいます...。
そうですよね。ただ、社会に出るまでに変な諦めグセがついていました。
原体験として、高校時代は野球部に所属しており、練習の甲斐あって1年生から1軍メンバーに選ばれていました。ただ、1軍メンバーで求められる基準が高く、叱られ続けていたんですよね。頑張って手にしたポジションだったのですが、以前よりも過酷な状況に追い込まれ、「叱られ続けてまでベンチに入るのであれば、ベンチに入る意味ってあるのかな?」と考えるようになりました。
それ以来、人生頑張る意味ってあるのかな、と。何事にも頑張る理由を見出せず、目的や目標をもって物事に取り組むことが無くなりました。
――強い意志がないまま、福祉の会社で営業を続けていた脇田さんですが、何をきっかけ目標を持って生きることに目覚めたのでしょうか。
社会人も3年目になり、給料の低さ・やりがいの無さから、さすがに『俺の人生、このままでいいのか?』と焦りが出始めました。自分と同じぐらいの年齢の人が、よりいい給料を貰って働いているのを知り、少し現実を突きつけられたというか…。そんな時に、知人から営業代行会社で副業として働かないかと、彼の所属する会社に誘われたんです。ただ、当時は理解していなかったのですが、手法がネットワークビジネスと似たスキームだったんですよね。
ただ、ここでの経験がこれまでのあきらめグセや、無気力さがマインドセットされるきっかけになりました。
――もう少し、具体的に教えて下さい。
所属したコミュニティには、将来経営者を目指している人だったり、どうにかして人生を変えたい人だったり、良い側面でいうと、何らかの目的を持った人たちが多く集まっていたんですよね。そんな環境下だったので、自分のキャリアや今後の人生について、徹底的に向き合わされました。
周りの熱量に感化されながら、人生で初めて、頑張れば何か人生が前進するのではという気持ちが芽生え始めました。1人の人間として大きく成長した瞬間だったと思います。
月並みですが、特に行動力が身につきました。退社後はすぐに家に帰るような人間でしたが、本業が終わった平日夜の時間も勉強会に参加し、人脈作りにも奔走。動く、やってみる精神が身についたと思います。
しかし、下がどれだけ頑張っても報酬があがりにくいといったビジネスモデルに納得出来なかったことと、周りに迷惑をかけてしまったりすることも多々あったことから、やめることに。自分だけでなく、周りの人を幸せにしたいといった思いと反してきてしまったことに気付けたことが一番大きかったです。
そのタイミングで本業の会社も辞め、独立することを決意しました。
――最初に始めたのが、営業代行の仕事だったとか。
この副業時代の経験から、『より人を幸せにする仕事』をしたいと考えるようになりました。そこで、まずは前職の経験を活かせる人材/不動産/通信商材などの仲介営業を始めることにしました。サービスを受けたい人と、売りたい人をつなぐようなビジネスです。ただしこれはビジネスと言えるほどの収益がなく…。全く稼ぎにならなかったですね(苦笑)。
――とは言えフリーランスで独立された身です。生活をしていくためには、どのような仕事をされていたのでしょうか。
情報商材を売って欲しいという依頼がありまして。特に自分が共感できた商品ではなかったのですが、収入がなかったため受けてみることにしました。最終的にはこれがうまくいってしまい、月に数十万ほどの稼ぎを得ることができたんです。ある月、100万円の売り上げを手にした時があって、その時、「ハッ」としたんです。人を幸せにするために独立したのに、結局は誰かにモノを売りつけるような形になってしまい、お金稼ぎに走っているじゃないかと。そういう生き方を否定するつもりはありませんが、僕の場合は、誰かのためになっていない仕事で稼ぎを優先することに、全く幸せを感じませんでした。
――人材紹介の仕事を始めるきっかけは何でしたか?
こうしてキャリア構築にとことん迷走していた頃に、知り合いが声をかけてくれて。その方は副業で人材紹介会社を起ち上げていたのですが、昼間に対応してくれる、常駐のビジネスパートナーが欲しいと。そこで彼の仕事を手伝いながら、この仕事は人を幸せに出来ると確信して、人材紹介業をスタートしました。10ヶ月間しっかり経験を積み、そして2019年に法人を設立しました。
――人を幸せにしたいという想いは、ビジョンである「御多笑(ごたしょう)」にも関わっていそうですね。
その通りです。弊社の言う「幸せ」は、以下で定義しています。
顧客:人生レベルで安心して任せることの出来る相談者、担当者がいる状態。
社員:この仕事が収入やキャリアアップの為だけでなく、仕事すること自体に充実感を感じLaughallでしか出来ない支援をしていると実感する状態
関わる方:自分たちを介することで自身の夢や目標を実現出来る状態。
そして、これらが揃ったとき、自然と笑顔が生まれるようなコミュニティになっていると思うんですよね。
お気付きかもしれませんが、「御多笑」は、「御多幸」の造語です。そして、笑顔になる相手は遠い世界の誰かというよりは、身の回りの人等を指します。今までの人生経験から、とにかく自分と関わる人たちに不幸な思いをさせたくないという想いが反映されています。また正しい判断基準の提供を自分たちが出来ればと思っております。
転職を考えている方、人材を求めている企業の方。うちの社員も、そして私も、笑顔が溢れる会社作りを目指しています。そして、将来的には社会全体まで影響範囲を広げていき、より「笑顔」の輪を広げていけるような企業を目指してゆきます。
――2020年からは、不動産の事業を始めていますね。
弊社のビジョンの1つとして、顧客の「ライフパートナー」でありたいと考えています。
人生レベルで相談できる、真のパートナーとなるために、転職以外のライフイベントにも範囲を広げていきたいと考え、始めた事業です。転職される方は、転職を機にお住まいを移られる方が多いことから、よりいい選択肢を提供できるよう、不動産事業を選びました。
昨今の物件は、ポータルサイトで誰でも簡単に探せるようになりました。そんな時代だからこそ情報の取捨選択が難しく、物件情報だけでなく幅広い視点からのアドバイスが必要不可欠だと考えています。
「人生視点でキャリアのサポートを。」Laughallが少人数制で就業支援をする理由。
――「少人数制で就業支援をする」のがLaughallの大きな特徴です。
社員5名、月にお引き受けする求職者の数は1人で15人までと、人材紹介業の中ではかなり小規模だと思います。それでも1期目が1000万円。2期目が3800万円。3期目が1億1000万円と、売上高は右肩上がりです。
――この条件を作っている理由は何でしょうか?
仕事を探している方は、かつての僕と同じような、25歳前後~30代の第二新卒者が中心。自分のやりたいことが何なのかが定まっていない方も多く、人生単位のスケールで、一緒に言語化を進めていく必要があります。だからこそ、徹底的に1人1人に寄り添い、幸せになるお手伝いをしたいんですよね。そこで、クオリティが保てる人数の限界が1人15人だったというわけです。
――Laughallでは、初回から長時間の面談を行なっていると聞きました。
転職って、人生の中でも大きな決断のひとつだと思いますし、同時に生き方を変える手段のひとつでもあります。そんな大事な機会に私たちのサービスを選んでくださったからには、必ず後悔しない選択をしていただきたいと思っています。
僕は自分の現状を変えたいがために、納得できない働き方を選択してしまいました。私たちに頼ってくださる方には、絶対にそういう迷いをして欲しくないんです。
ジョブチェンジの際に大事になってくるのは、『どう生きていきたいか?』という自分軸の設定です。その人自身の人生を、一緒になって深掘りし、幸せな将来のビジョンを固めるお手伝いをしたい……と、本当にそれだけなんですよね。まずは気軽に相談に来て下さるだけでも嬉しく思います。
――1人1人の人生のビジョンを固めるのは、非常に難易度が高い業務だと感じます。
もちろん難易度の高い業務だとは思いますが、人生視点でキャリアのサポートをすることがキャリアアドバイザーの「プロ」だと思っています。
また、他責にせず主体的に問題解決に努め、100%自責の考え方を持つことが社会人としての「プロ」だと考えています。流れで仕事をするのでなく頭を日々使い、どうすれば目の前の方の人生がより良くなるかを、自分ごととして捉えてほしいなと思っています。
弊社へ入社される方は、もちろん一般的な研修も行いますが、早い段階でヒアリング・面談にも参加してもらいます。現場で求職者の悩みに耳を傾け、そこから人生を好転させるお手伝いをすることが、最も「プロ」に近づく最速の方法だと考えています。
――求職者の定着率はどれぐらいでしょうか?
96%が就業先の職場へ定着しています。仕方のない話なのですが、何人もの求職者の支援をされている大手人材紹介会社さんですと、全体の10~15%ほどは離職されるのを想定した上で、転職支援をするといった会社も多いです。弊社として、仕事を探している方に幸せな人生を歩んでもらう、という軸はブレたくない。そういった意味でも、大量の求職者のサポートをすると言うよりは、少人数のお客さんに濃い支援をしていきたいなと。転職された方からのご紹介で相談にきて下さる方も多いので、価値を感じてくださっているのではないかと感じています。
――9割超えの方がそのまま職場で働き続けられる、というのはすごいです!
そのためにも、社内での研修や、社員教育には力を入れています。キャリアアドバイザーはスキルを問われる仕事ですので、先ほど申し上げたヒアリング中心の現場経験を積むのはもちろん、週に2回のミーティングは必須。PDCAをどう回せるか、業務の振り返りも常に行っています。
大阪で一番の「真の笑顔」を生み出せる企業に
――今後はどのようなビジョンを考えていますか?
2025年(3年後)の中期ビジョンとして、 『大阪で一番の「真の笑顔」を生み出せる企業に』と言うものがあります。以下は、具体的な指標です。
①社員の満足度向上
・3年以内離職率0%に
・全員が目的を持って働き、全員が主役になれる会社に
②人材サービスの満足度向上
ミスマッチを減らし、就業定着率98%以上に
――とても明確なビジョンですね。 こららはどう達成していくのでしょうか。
3年後までに、1つ1つの要素をクリアしていくことが重要だと考えており、ゴールから逆算した、より明確な評価制度を作る必要があると思っています。定量面だけでなく、プロセス面も加えた評価制度や、福利厚生の設定、表彰制度の確立も然り。
また、求職者の満足度を向上するため、現サービスの底上げはもちろん、紹介求職者だけでなく、WEB集客の確立や、転職リテラシーを高めるサービスの設計も進めてまいります。
――そのためには、どのような方に入社してほしいですか?
学歴、職歴みたいな部分は一切問いませんし、表面上の情報で判断したくないと思っています。その上で、現在弊社は社長の私と正社員が5人の企業ですので、素直さ、行動力、そして自ら発言ができる、ベンチャーマインドを持つ方がいいですね。拡大途中の企業ですので、幹部候補として一緒に会社づくりをしたり、若くしてマネジメントのポジションに挑戦したい方などは楽しめる環境だと思います。
そして最も大事なのは、利他的な心があるかどうか。キャリアアドバイザーの仕事は、転職者を幸せにしてこそ価値があります。チーム一丸となって、世の中の「御多笑」作りに貢献してくれる方を、求めています。
ただ、そういった面も深くお話しすることで見えてくる部分だと思っているので、弊社の想いに共感いただいた方や、興味を持ってくれた方、はたまた何か現状を変えたい方などは、気軽に一度お話しできればと考えています。