プロダクトありきではない。「人が起点」となるからこそ価値が生まれる。どんな価値を世の中に提供するか?に着目したい。(CEO十時悠径)
プロフィール:CEO 十時 悠径(ととき ゆうけい)
沼津高専制御情報工学科卒。 京都工芸繊維大学デザイン経営工学過程卒。 楽天株式会社にてECコンサルタントを従事。 '12新卒新人賞・楽天賞受賞。 静岡支社立ち上げや神奈川でのマネジメント経験を経て'17に創業。
‘18京都大学主催 Arts Economics Academy にてグランプリ受賞。
これまでに累計500企業以上、食品、日本酒、 美容品、アパレル、工芸品を中心にブランド立ち上げから事業開発、販売までサポート。
■十時ハッシュタグ
#新規事業 #事業開発 #D2C支援 #アート思考 #サウナ
chipper創業までのエピソード
画家の父親から学んだアーティストの視点が大きく影響してます。父親が東京藝術大学を卒業後、N.Yでも活動していた画家なんです。絵描きは感性がとても豊か。同じ対象物を見ていても、複数の感じ方や捉え方があることを教えてもらいました。そんな「"人"として生きている」画家としての父親を尊敬していました。
ですが、アーティストの収入はとても不安定。東京藝大を卒業し、N.Yでも活動実績のある父親でさえ、経済不安定になってしまう現実を目の当たりにして、とても煮え切らない思いがありましたね。
プロフィールには書いてませんが、高専時代に美大の予備校に通ったことがあるんです。ですが、井の中の蛙状態で...。これは叶わないなーと思い、自分はアーティストとしてではなく、ビジネスの側面から、人から生み出される「創作プロセス」における思考回路の美しさと、そのプロセスの素晴らしさを世の中に正しく価値を届けていけたらいいなと思いました。
技術面を学びに沼津高専を選び、デザインと統計学を学びに京都工芸繊維大学デザイン経営工学課程へ進学。経営やマーケティングを学ぶために就職先として選んだのが、楽天です。在籍期間は、経営やマネジメント、マーケティングを一通り学びました。中小企業から大手クライアントまで、数百社を超える事業主様と一緒に事業立ち上げをご一緒できたことは今の自分の血肉となってます。
そして、ようやく自分が理想としている【テック×デザイン×マーケティング】の手札が揃ったので、2016年5月楽天を退職し、準備期間を経て、2017年2月にchipperを設立しました。創業から約2年間は、周りの友人に副業/業務委託として関与していただいてました。その一人がCTOの山内さん。社員としてjoinしてもらい、2020年1月より、chipperの第二創業期がスタートしました。
アート視点と現在のD2C事業の結びつき
この2年間、人が生み出す価値とは何か?について仮説検証をしながらずっと考えてきました。
わかったことは、ビジネスやテクノロジーではなく「人が中心」にあると言うのはアートと同じ。世の中にある不便や不満を見直すマイナスをゼロにする「課題解決アプローチ」も大切だけど、課題解決だけだと解決策がコモディティ化してしまう危険性もあると思ったのです。
D2Cの考えが浸透してきている昨今、プロダクトのストーリーや世界観をしっかりと理解しサポートしていくために、アートの視点が必要だと考えてます。
なので弊社では、クライアントのブランド構築〜商品企画〜データ分析〜仮説検証まで一貫して支援をさせていただいています。
成果物よりも、「人としてあるべき姿・形」で世の中に価値を提供していくことの重要性を知った
思考停止はもったいない。常に「これは本質か?」という問いを持って欲しいし、そういった社会を作っていきたいと思っています。
拘っていることを研ぎ澄ませたり、見える化すると、世界観やブランドのストーリーになりますよね。考えることに価値があるし、磨き込むことで、世の中が美しくなっていくんじゃないか?と思います。
プロダクトありきではなく、どのような価値を世の中に提供するかに着目して欲しいことは、社員にもクライアントにも伝えています。
CEOが重要視することを社員に装着するには、MVVの策定やカルチャー形成が大切
過去、カルチャーの浸透ができなく苦戦した経験があるので、痛いほど重要性を理解しています。
これまで会社をどのような指針で進めていくか固まりきってなかったのですが、形になりそうなタイミングをみて、2020年12月に社員全員でMVV合宿をしました。
👇決まったMVVはこちら(別途、MVV合宿の様子をnoteに記事化予定)
目指すべき方向性が見えてきたので、組織に一体感が出てきましたね。これまで私一人で事業をしていたので、同じ方向を向く仲間が増えてきて本当に嬉しいです!
今後は、D2C以外に事業ポートフォリオを拡大
軸となる考えは、「誰のための幸せなのか」。それを突き詰めるためのサービス展開を複数考えて現在ローンチに向けて動いています。(青枠参照)
サウナメディア事業であれば、施設さんを幸せ(認知度向上→売上貢献)にするための価値を提供できるメディアに。
クラウドレストラン事業であれば、飲食店経営者を幸せに。通常は商品を作ってからペルソナを決めるので、定性的な商品設計になりがちですが、各地域のニーズを定量的に把握することで、地域に根付いた商品設計ができます。
高専生事業投資は、人の価値を創出していく観点で、高専生をインターン採用をしていく事業です。
これらの事業は、我々のHOWでしかありません。
クライアントの「幸せ」を突きつけて問題提起/意味形成をし続けていきたいです。
そして、先々の展開が出来たら国内だけでなく、海外拠点の立ち上げを行う予定です。
プロダクトありきではなく、どのような価値を世の中に提供するか。答えは一生出ない。だからこれからも答えを探していきます。