100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスの山崎レモンサワーです。
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今日も、シリーズ【ChatGPTとフリーランス】の第二弾として、今熱い職業として認知されつつある「プロンプトエンジニア」についてお話ししていきます。
「プロンプトエンジニア」とはどういう仕事?
「プロンプトエンジニア」とはどういう仕事かを、簡単にいうと
プロンプトエンジニアとは、ChatGPTのようなAIが最適な答えを返すように、
プロンプトと呼ばれる指示文を開発・改良する(プロンプトエンジニアリング)エンジニアです。
商品紹介やチャットボットなど、さまざまなシーンに合わせて最適なテキストを自動生成できるようにAIを調教するのが仕事です。
ちなみに、2021年9月までの情報しか持っていないChatGPTに、「プロンプトエンジニア」とはどういう仕事ですか?と質問しても、正解を返してくれません。
ChatGPTの登場によって、新しくニーズ発生した仕事と言っても良いでしょう。
神AIも正しく質問しないと宝の持ち腐れ
ChatGPTは、仕事にもプライベートにも多大な恩恵をもたらしてくれる、まさに神ツールと呼べるものなのですが、それでも使い方によってそのリターン・恩恵は大きな差が出ると言わざるをえません。
ようはChatGPTから、有益な回答を引き出すためには、良質なインプット(質問)が必要になるという事です。
たとえばChatGPTに、
「おすすめの旅行先を教えてください」
とだけ質問するのと
「今度、家族二人で8月中旬から下旬に旅行に行く計画を立てています。
山派ではなく、海派です。
移動手段はできるだけ船を使いたいと思います。
あまりメジャーな場所ではなく、マイナーな場所が良いです。
予算は8万円~12万円です。
おススメの旅行先と、モデルプラン、交通手段を教えてもらえますか?」
と質問するのとでは、得られる回答がまったく違ってくるわけです。
もちろん後者の方が、自分が得たい情報を得られる可能性が高くなります。
ChatGPTではなく、Googleなど検索エンジンでも、検索スキルが高い人とそうでない人とでは、有益な得られる情報可能性に大きな開きが出てくるでしょう。
「プロンプトエンジニア」は、つきつめれば、AIから有益なアウトプットを引き出すためにインプットを用意する仕事と言っても良いでしょう。
具体的な仕事内容
プロンプトエンジニアの主な仕事内容は、ユーザーのニーズに沿った「プロンプト」の設計です。
ここでいう「プロンプト」とは、AIに渡す指示文(インプット)のことです。
「プロンプト」の4要素を挙げてみると
・入力データ(Input Data):応答を求める質問・入力
・指示(Instruction):モデルに実行してほしいタスクの命令
・文脈(Context):モデルの回答精度を向上するための追加の外部情報・背景
・出力形式/出力指示子(Output Indicator):出力タイプ・フォーマット
となります。
ユーザーが求める良質なAIからのアウトプットを得るためには、最良のインプット(プロンプト)を設計・開発・改良する必要があるのです。
プロンプトエンジニアの年収や将来性は?
代表的な求人サイトの情報によると、プロンプトエンジニアの平均年収は、下記のようになっております。
indeed 300万円~1,200万円
doda 700万円~1,200万円
Green 400万円~1,000万円
あまりエンジニアとして突出している印象はうけませんが、AIの安全性と研究を行うアメリカのAnthropicという機関では、年収約4,500万円でオファーがあるなど、プロンプトエンジニアの市場価値は非常に高いとされています。
プロンプトエンジニアとしての職種自体、世間に周知され始めて間もないので、市場にプロンプトエンジニアがまず少ないですし、プロンプトエンジニアと一概に言っても、得意分野・能力の高低・身を置く業界によって、収入は青天井になるのではないかと推察しています。
今後、AIが進化する事はあっても衰退することは考えられないので、プロンプトエンジニアという職種は、しばらく安泰であることは疑いようがないでしょう。
プロンプトエンジニアになるには?
多くのAIに触れ、実際にプロンプトを生成してみる
まず、実際にChatGPTのようなAIにツールに触れ、プロンプトを作ることを徹底的に経験する事が必要になります。
AIツールを用いて実際にプロンプトを作成する中で、どのような特徴をもつのか、どう質問すればどう回答するかといったノウハウをストックしていくわけです。
ChatGPTだけでも、APIやプラグインなど使用用途は多岐にわたります。
ChatGPT以外にも「チャット」「文書」「画像」「デザイン・UI(ユーザーインタフェース)」「動画」「音声」「プログラミング」に特化したいくつものAIが日々生まれています。
ChatGPTは誰でも簡単に使えるので、業界のニーズを見極めて、ジャンルを特化させAIを選定し、ひたすらそのAIを研究してプロンプトエンジニアになるのが賢い選択です。
プログラミングの知識をつける
プロンプトエンジニアを目指すなら、読み書きできるレベルにまでプログラミングの知識をつけるのも忘れないようにしたいところです。
プロンプトエンジニアは自然言語処理の実装などを求められるシーンがあるからです。
自然言語処理やPython、Java、C++といったプログラミング言語はプロンプトエンジニアを目指すのであれば必須のスキルと言っても過言ではないでしょう。
また、統計やアルゴリズム周辺の知識を身につけることもプロンプトエンジニアになるうえで役に立ちます。
AIエンジニアリングに関わる資格を取得する
プロンプトエンジニアを目指すなら、AIエンジニアリングに関わる資格を取得するのもひとつです。
AIエンジニアに関する資格取得のために勉強することで、自然と深層学習モデルや強化学習といったアルゴリズムを理解できるようになります。
プロンプトエンジニアは新しい職業のため、直接必要なオフィシャルな資格はまだありません。
しかし、役立つ・類似する資格として、Python3エンジニア認定基礎試験、Python3エンジニア認定データ分析試験、G検定などがおすすめです。
プロンプトエンジニアが求められる職場・案件とは
皆さんもAIがアウトプットする圧倒的クオリティの動画やイラスト・アート・論文・プログラミング構文などを目の当たりにしていることでしょう。
これらのアウトプットは、疲れ知らずのAIが短期間で延々と出力しつづけてくれるわけですから、人の手でひとつひとつアウトプットするのと比べ、クォリティも生産性も桁違いなわけです。
つまり、ユーザが満足するアウトプットをもたらすインプット(プロンプト)を生成できるプロンプトエンジニアは、人間数十人~数千人分のアウトプットをもたらすことが可能と言っても過言ではないわけです。
プロンプトエンジニアが重宝される業界は、特定の業界におさまらず、すべての業界・業種に応用できるものと考えられます。アイディアしだいではありますが・・。
国や自治体、大企業から病院・教育機関など・・・ひとり優秀なプロンプトエンジニアを抱えるだけで、その組織への生産性をはるかに向上させることが想像できます。
まとめ・・・これからのフリーランスがプロンプトエンジニアを目指すべき理由
これからのフリーランスがプロンプトエンジニアを目指すべき理由は、単純にまだまだ「ブルーオーシャン」だということです。
優秀なイラストレーター・プログラマー・Webデザイナー・カメラマン・マーケターであっても、同業が飽和してレッドオーシャンになれば、仕事は減り、単価も下落傾向となるのですから、さっさと見切りをつけて撤退した方が良いわけです。
じぶんもフリーランスとして独立した16年前は、Web系のフリーランスはまだまだ少なく、高単価で多くの仕事が舞い込んだのを思い出します。
今は、同業のフリーランスも多くなってきましたし、何よりAIの台頭によって、今までは人の手で行っていた作業の多くがAIで肩代わりされるようになってきたので、既存の仕事の多くがレッドオーシャン化してきている感覚があります。
「プロンプトエンジニア」は需要が旺盛のわりにまだまだ世間でも認知が浸透していない仕事ですし、AIを使う側の仕事なので、AIに仕事を奪われる事も無いですしね・・・。
とにかくおススメの仕事、それが「プロンプトエンジニア」なわけです。