100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスの山崎レモンサワーです。
今日も複業メディア「ウィズパラ」で取り扱ったテーマ「フリーランスは60歳まで働ける?フリーランスは年代によってどう立ち回るべきか」について話していきます。(元記事:https://wizpara.com/2379/)
唐突ですがわたくし山崎はフリーランス歴、14年を超える超ベテランになります。
フリーランスは独立して1年で37.7%、3年で62.4%、10年後には88.4%のフリーランスが廃業していくといわれる中で、よくもまぁしぶとく生き残っているなぁと我ながら感心します。
https://www.wantedly.com/companies/company_3366457/post_articles/345601
【参考:開業3年で62.4%、5年で80%、10年後には88.4%のフリーランスが廃業!?10年以上生き残るフリーランスになるには】
少し前までの時代であれば、フリーランスは不安定の象徴とされ、サラリーマンは安定の象徴と対比されていました。
しかし、今ではサラリーマンであっても正直、「安定」の象徴などとても呼べるような状況ではありません。
現在は、「終身雇用」というキーワードが死語と化し、一流大手企業に勤めたとしても、定年まで勤めあげられるかは正直微妙です。
これだけ変化が激しい世の中では公務員ですら、安全地帯とは言えないでしょう。
同じ不安定であれば、周囲の事情で退職・転職を余儀なくされるサラリーマンより、自分の才覚やかじ取りのみで時代を切り開くことを追求していくフリーランスの方が、ある意味安定していると捉える事も出来ます。
何かあったとしても周囲に恨み節をはくことなくすがすがしく状況を受け入れられるというものです。
そして、いかに変化が激しい世の中といえども、若いうちから各年代ごとに応じた戦略を立て、準備・予測して立ち回れば一生、自由な働き方を設計できるフリーランスを続けていけると自信を持って断言できます。
今日はフリーランスにとって20代、30代、40代、50代、60代をどう立ち回れば、廃業せずにフリーランス人生を謳歌できるか、ベテランフリーランスの確信ともよべる考えを話していきたいと思います。
【試練・下積み機】何も考えずにただ目の前のことを全力な20代
じぶんが20代のときを思い返してみると、正直、吐き気をもよおすくらいつらい体験のオンパレードでした。
それでも何とか死なずに切り抜けられたのは、20代ゆえの体力と健康だけは充実していたという事だけでした。
しかし、あのつらかった日々が自分をフリーランスとして独立させ、今では幸せな働き方を確立できたのですから、感謝すべきなのかもしれません。
それでもやはり後悔も多々あります。
20代のうちにこう過ごしておけば・・・こんなことにはならなかった・・と。
何もわからない・・・だけど将来設計しないといけない
早いうちからフリーランス志望であったとしても、社会人経験を経ず、大学卒業していきなりフリーランスになるのはおそらく無謀でしょう。
はじめて入社した会社に定年まで勤めあげるという時代は、とうに終わっていますので、初めから転職や独立を想定して会社を選定するのが賢いと言えるでしょう。
社会人経験はすべて次のキャリアアップに向けての踏み台にするというくらいふてぶてしい意識です。
ちなみに自分は大学卒業してからSEとして働きはじめましたが、今では考えられないブラック企業ばかり転々とさまよい、身も心もズタボロになり、このままでは死ぬ・・・死ぬくらいなら独立してやってみようということで、一念発起、たまたまフリーランスになったというのが経緯です。
今思えば本当に行き当たりばったりだったと思います。
たまたまフリーランスになるという道を選べ、うまくいったからよいものの・・・。
皆さんには20代、できれば10代のうちから自分の進む道、理想の働き方、理想の生き方に向けた準備を進めていっていただきたいと願っています。
未熟ゆえに仕事の苦労は覚悟・・・体力だけはチート
じぶんの見た目もまだシュッとして美しい状態、体力もあり、感受性も豊か・・・この世の春を謳歌する20代。
・・ではあるのですが、仕事という意味ではまだまだ未熟。
未熟ゆえの苦労には、必ず見舞われます。
理不尽は徹底的に回避すべきですが、若いうちの苦労は買ってでも味わうべきです。
じぶんは自分の為になる、苦労よりも理不尽を味合わされたくちではありますが、当時のつらい経験が、のちのフリーランス人生に活きていることを考えると、当時の苦労が報われた気がします。
結局、何の苦労もせずに理想の働き方は手に入らないということです。
20代であれば体力だけはチート級なので、多少の無茶は大丈夫です。
率先して自らを高められる苦労を買って出るようにしましょう。
危うい年代・・チャンスも落とし穴も多数
20代は身体的には大人にカテゴライズされますが、世間に対する知見がまだまだ足りない未熟な年代です。
クチ悪くいってしまうと、世間知らずです。
非常に調子に乗りやすいですし、信じやすく騙されやすいですし、社会の数々の落とし穴にはまりやすい危うさを持っています。
もちろん、逆を言えばまだまだ純粋で、情熱も感受性も豊かでクリエイティブな仕事では思わぬ成果を上げやすいです。
そういった意味で、チャンスにもピンチにもさらされやすい年代と言えます。
じぶんも人生一発退場になってもおかしくない、落とし穴に何度も落ちそうになりました。
今まさに20代真っただ中を謳歌している人は、リスクヘッジを徹底しましょう。
この年代で将来のことを想定できるか
人間は誰しも歳を取って、身体も動かしにくくなりケガや病気に悩まされるようになり、いずれ全員死ぬものですが・・・若い時はそのことを想像するのが難しいのです。
いや頭ではわかっているのですが、腹の底に落ちていない、どこか他人事という感じで、将来への備えというのもいまいちピンときません。
もちろん将来への備えばかりで、今をおろそかにしてしまう事は、もっとも人生を損させる行為だと思いますが、それも程度問題です。
刹那主義で、キリギリス的な生き方を続けて行けば、蓄えもなく、健康も棄損され、将来間違いなく将来後悔する事でしょう。
逆に20代のうちから無駄遣いせず、健康にも気を使って、将来にわたって熱中できるライフワークを見出すことができれば、人生に渡って安定して充実感を味わえることでしょう。
苦労も多いが、もっとも感動できる年代
若いうちの苦労は買ってでもしろとか、可愛い子には旅をさせろとは良く言ったものです。
若いうちには、感受性がありあふれていますから、何を経験するにしても歳をとってから経験するのとは段違いの吸収・感動をおぼえるものです。
じぶんのスキルや知見を高めるための苦労も、旅や創作活動など人生を謳歌するための素晴らしい体験などは、お金と時間を惜しまずに20代のうちにやっておきましょう。
お金と時間が無いというのは言い訳です。
歳を取ればお金と時間は自由になってきますが、感動する能力が衰えてくるわけですから、20代のうちで味わえたであろう極上の感動は2度と味わえなくなります。
【順風満帆期】苦労が実を結び予想以上にお金が入ってくる30代
美しくも儚くもろい20代を、一心不乱にもがき進んでいくと、充実した30代が見えてきます。
フリーランスとして独立するのにもってこいのタイミング
サラリーマンとして多くの経験を積み、社会の慣習や不条理さへの対処などさまざまなことを学ぶことができた30代は非常に充実した年代と言えます。
フリーランス志望の人であれば30代前半が、独立してフリーランスになるのにもっとも適しているタイミングと言えます。
独立するのが早すぎれば、一経営者として必要なノウハウや教養が経験不足から足りずに活動がとん挫することが考えられますし、独立のタイミングを逸し、が40代、50代まで伸びてしまうと、思い切った攻めの経営ができなかったり、体力・気力が衰えてきますから、もっとも大事な立ち上げ初期のスタートダッシュに難航することが想像できます。
ノウハウも蓄積できてきて仕事は楽しく稼ぎも増えてくる
サラリーマンとして働いていると、どうしても年功序列のルールが働くため、収入がいきなり大幅に増加することは考えにくいですが、フリーランスは経営者なので、ビジネスがうまくいけば報酬は青天井で増やすことができます。
30代は20代でしんどい思いをして仕事に打ち込んだ経験がようやく花開き、仕事も数多く舞い込み、単価も上がり、今までにはない報酬が入ってくる年代でもあります。
当然、案件の規模も大きくなり、比例して仕事上で与えられる責任も大きくなっていきます。
それゆえ、仕事のやりがいも向上し、仕事面ではまさにこの世の春という年代と言えるでしょう。(もちろん、全員が全員という訳ではありませんが。)
プライベートでも大きな決断が多数
30代と言えば、結婚や出産、家の購入など人生の一大イベントのオンパレードです。
価値観が多様化し、一生涯、結婚や出産を経験しない人や、マイホームを購入しない人も増えていますが、人それぞれの重大イベントが待ち受けている事に変わりはありません。
仕事だけに明け暮れるのではなく、ライフワークバランスを最大限に考慮して働き方を自ら設計する必要があります。
仕事が忙しいという理由で重大な決断から遠ざかるのは言い訳に過ぎません。
月100時間を超えるような残業や休日出勤のオンパレードで有給消化などもってのほかというようなブラック企業は今すぐにでも去るべきでしょう。
時代の変化にも追随可能で仕事内容を変化させながら活躍
30代であればまだ柔軟性もあり、大きく業態・業種を変えるようなジョブチェンジもまだまだ可能です。
最近は世の中のスピードが、極めて速く、かつては身につければ一生食っていけるとされた資格やスキルもわずか数年で仕事が無くなることもあり得る時代です。
日本を代表するような大企業であっても終身雇用は崩壊しています。
とはいえ年齢を重ねれば重ねるほどジョブチェンジを可能とする柔軟性と新たな事にチャレンジしたいという熱意は失われていくのも事実です。
30代は、まだまだ柔軟性とチャレンジ精神が旺盛です。
30代のまでの間に、ジョブチェンジを繰り返し、これだという働き方、複業のノウハウの蓄積などを行っていくのが賢い戦略ですね。
順風満帆ゆえに足を踏み外すリスク
人生には誰しも致命的とも言える大失敗を経験することがあります。
そしてそれは大概、順風満帆とも言える順境のときに起こりえるものです。
人の人生を狂わせる取り返しのつかない大失敗・ピンチとはなんでしょうか。
それは
・大きな仕事でミスをして大きな損失を被った
・事件・過失事故
・投資の大損失
・離婚
・多額の借金
・詐欺にかかる
・依存症などココロの病
などなどでしょうか。
かくいう自分も仕事が順調な30代のときに知人にだまされ大金を失ったことがあります。
30代の順境時には、勝って兜の緒を締める慎重さを意識することが不可欠です。
【成熟期】仕事の進め方や選別なども賢くなり幸福度が上がる40代
体力・気力はピークを過ぎつつも蓄積したノウハウで仕事は安定
今現在自分は40代ですが、14年のフリーランス人生で蓄積したノウハウと教養をフル活用することで、危うい事から遠ざかり、仕事もプライベートも実に安定して充足している実感があります。
とはいえ体力や気力は衰えがはじまっているという自覚もあります。
新たな事にチャレンジしようという熱意も20代や30代のときに比べると間違いなく少なくなっています。
新しい事にチャレンジする事自体、多少リスクが発生するので、リスク自体は少なくなっていますが、何歳になってもチャレンジ精神は失わないようにしたいものです。
リスクがもっとも遠ざかる世代でいかに備えられるか
様々なことを経験して教養を深め、欲も落ち着いてきて人生の落とし穴を回避できる40代がもっともリスクから遠ざかる時代かなぁと感じています。
とはいえ、50代、60代と年齢を経るにつれハードモードになっていくのは想像に難くありません。
この40代でいかにリスクに備えて準備できるかが、その後の人生を安寧に過ごせるかの分水嶺といえるでしょう。
財産形成はもちろんですが、複業のノウハウ蓄積と健康への投資が重要になってきます。
とくにサラリーマンなどは、複業ワークを一刻もはやく始めた方が良い時期になります。
【閑散期】体力・気力はピークを過ぎ仕事やプライベートを見つめなおす50代
世間からはピークをすぎたシニアとして見られ仕事量が徐々に減る
競技によっても違いますが、多くのスポーツ選手が40歳を手前に引退するのは、体力・気力が衰えるからです。
Web系フリーランスは50歳になってもまだまだ現役で働けるとはいえ、50代になれば体力・気力・センスはかなり低下が見られます。
スポーツ選手のように引退・廃業とまではいきませんが、自分一つの身で仕事をこなしているWeb系フリーランスの仕事は減少していく年代です。
予め想定して先手を打っていく必要がありそうですね。
現場のエンジニア/クリエイターとして進むか経営者路線に進むか
Web系フリーランスとして一介のエンジニア/クリエイターにこだわるという働き方ももちろん素晴らしい選択ですが、人を雇う事で組織化し経営者に特化するという働き方もあります。
経営者は経営者で、高度な教養とスキル・ノウハウはもちろん人を束ねるための器量・度量・カリスマなども必要になり誰しもなれるわけではありませんが。
加齢が進む中で、今まで当たり前のように続けられていた働き方が難しくなっていくときに、どのように自分を変化させ適応していくか日々考えておくことが求められます。
具体的には日ごろから一つの働き方の身に固執するのではなく、複業を進めておくのが良いでしょう。
複業ワーカーへ新たな収益の柱の開拓にいそしむ時期
ということで、50代におススメしたい働き方が複業ワークの促進です。
複業ワークを促進させることで、リスクを分散させることができますし、何より収入源が分散されているため、気軽にチャレンジでき自分の好きな事を仕事にさせるのに向いています。
ひとつの仕事に専業する働き方が集中投資とすると、複業ワークは分散投資になります。
多くの報酬を稼ぐチャンスというのは減るかもしれませんが、収入が途絶えるといった極端な状況は回避できるようになります。
子どもの教育費、自身の大病や親の介護なども想定したリスクヘッジが必要となる
50代と言えば、成長した子どもの大学進学などで教育費がかさみ、親の介護や自分自身の健康上の不安が浮上してくるなど大変な苦労が発生する年代でもあります。
これら苦労を完全に回避することはできません。
できるとすれば、これらハードな状況に陥っても良いように、いかに備えをしておけるかという事につきるでしょう。
【大転換ライフワーク期】世間では定年の年齢を迎え第2の人生を設計する60代
ここまでフリーランスが続けてこられた時点で大成功
もし60代まで自分の好きな働き方、フリーランスを続けてこられた方はもうその時点で大成功をおさめた人であり、勝ち組といっていいでしょう。
普通、フリーランスを廃業してサラリーマンに戻る人は、フリーランスで稼ぐことが難しくなったことがほとんどなので、60代までフリーランスを続けられた時点で金銭的にもある程度、余裕が持てている状態にいることでしょう。
最近では寿命が長くなり、本来喜ぶべきである長生きが「長生きリスク」などと揶揄されるようになりました。
老後2,000万円問題なども取りざたされるようになりました。
ただ、60代までフリーランスを続けてこられた人にそのような悩みは無縁です。
定年後のサラリーマンと比べ、絶対的なアドバンテージがある状態
サラリーマンのみ経験してきた人は、自分自らの判断でビジネスを創出していくことが苦手です。
基本的には上からの指示で働く内容が決まりますし、一工程のみを担当する為、ビジネス全体を俯瞰で見ることが少ないからです。
その点、フリーランスとしてビジネスを自ら考え創出してきた人、とくに複業ワークに取り組んできた人にとっては、世間では定年で仕事がなくなる年齢になったとしても、その後の人生で仕事に困る事はないでしょう。
お金のためじゃなく、人生の目的・やりがいなどで仕事と向き合う
60年代になってもお金の心配から解放されないというのは大変な状況です。
ただでさえ、加齢によるハードモードが進むわけですから、せめてお金の不安からは開放されていたいですよね
そして、この年代までフリーランスや複業ワークを続けてこられた人は間違いなく金銭的な不安からは開放されている状況だと確信しています。
そうなれば、あとはボーナスステージみたいなものですにょね。
自分の人生の目的ややりがいなどをもう一度思い起こし、やりたい仕事やライフワークに突き進むのが良いでしょう。