ミロゴスの業務効率化を推進する、事業推進部。
ひとつの部署ができるほど、ミロゴスに文化として浸透している業務効率化ですが、始まりはたった2年前でした。なぜ、どのようにして業務効率化を推進したのか、インタビュー形式でお伝えいたします。
※グループ向け記事を再構成して掲載しています。
自己紹介
鈴木 小夜(すずき さや) 事業推進部 部長
2021年12月にミロゴスへ中途入社し、オペレーショングループ・ソリューションコンサルグループ・マーケティンググループ・コーポレートグループのマネージャーを兼務。前職ではAI系のスタートアップで管理部門を統括。趣味も特技も効率化で、最近は自宅のスマートホーム化が止まらない。
一橋 陸(ひとつばし りく)
事業推進部 オペレーショングループ アシスタントマネージャー
2018年9月、社風と人柄に惹かれて、ミロゴスへ中途入社。生まれは北海道。入社してから何度か引っ越しをしており、そのたびに、故郷に向かってちょっとずつ北上していることに最近気が付いた。
何 映楠(か えいなん)
事業推進部 オペレーショングループ アシスタントマネージャー
2020年にミロゴスに新卒入社し、今年5年目。10年以上韓ドラと韓国語にはまっており、最近は『チャングムの誓い』の主題曲を聞きながら料理するのがマイブーム。
「属人化」が課題
ーーまずはミロゴスの組織形態について教えてください。
鈴木:
ミロゴスにはセールス部・開発部・事業推進部と3つの部があります。その中の事業推進部には、バックオフィスを担うコーポレートグループ、広報機能であるマーケティンググループ、個別開発案件の納品対応などを行うソリューションコンサルグループ、LINE公式アカウントの配信代行などを行うオペレーショングループがあります。
オペレーショングループは、ミロゴスの中でも最も人数が多いところです。派遣社員さんや業務委託のメンバーが6名いて、社員は一橋さんと何さんを含む6名。今回はこのグループを中心に業務効率化を実施し、全社的な文化に広げていったことをお伝えしたくて来ました(笑)。
ーー業務効率化とは、どのようなことを実践したのでしょうか?
一橋:
人力で行っていた業務を、さまざまなツールを利用して自動化する、というのがいちばん大きな効率化だったと思います。Zapierというツールを使ってSaaS同士をノーコードで連携したり、GmailをSlackやnotionに自動で転記できるようにしたり、RPAツールを使って事務作業を自動化したり。
具体的には例えばこれまで手動で行っていた、LINEの配信実績などをまとめたレポートの作成、クライアントからもらった要件とLINEの配信設定が合っているかの確認作業などが、自動でできるようになりました。
またSlack上で派遣さんと行われる定型のやりとりなども自動化し、「依頼する」「完了」のようなボタンを押せば、「確認お願いします」のような文章が出てくるようになりました。
ーー以前はどのような課題があったのですか。
何:
業務が属人化していたことが、最も大きな課題でしたね。業務の振り分けをクライアント単位で行っていたので、一橋さんがいないときに一橋さんのクライアントに私が対応する、あるいはその逆ができませんでした。
鈴木:
派遣社員さんのリソースは空いているのに、社員は非常に忙しく、長期休暇を取得するハードルが極めて高い状況でした。そこで業務効率化をしつこく推進し、属人化を徹底排除する仕組みに整えることにしたんです。
「効率化マインド」の醸成
ーーまずはどのようなところから始めましたか。
鈴木:
そもそも、業務効率化が必要だ!と考えて実施を始めたのは私です。私がミロゴスに入社したのは「豊かさのおすそわけ」というミッションに魅力を感じたからなのですが、逆説的に考えると、外部に豊かさをおすそわけするには、内部が豊かでないといけないですよね。
豊かである要素のひとつに、個人が休むべきときに安心して休める、人間らしく暮らせることがあると思っていて。それが実現できていない状態があるのなら、改善しようとした次第です。
入社当時は事業推進部というものはなくて、まずオペレーションとコーポレートのマネージャーとして入って、すぐにオペレーショングループの業務をどう効率化するか?についてうるさく言い始めました(笑)。ちょっとでも良いので、目の前の業務の非効率な部分を洗い出すところから始めたんです。
ーーこれまでになかった業務効率化に、戸惑う部分はありませんでしたか。
何:
私は単純作業が苦にならないタイプなので、実はもともと効率化のマインドが全然なかったんです。でも鈴木さんと1on1をするたびに、「もっと効率化したいことはない?」「ダラダラやっていることはない?」と聞かれて。何とかひねり出すと「それはこうすれば解決できるよ」と言われるんです。そうしているうちに、だんだんマインドが変わっていって。世界が開けました(笑)。
一橋:
もともとやらなければならないな、とは思っていたんですが、何からやれば良いのかわからない状態でした。でも鈴木さんが来てから、このツールを使うとここが自動化できますよ、などいろいろと教えてくれて。できるならやらなきゃな、と思い、自然と効率化が馴染んできましたね。
「これは楽だね」と思ってもらう
ーー2年間効率化を進めてきて、どのような効果を感じていますか。
何:
これまで10数時間かかっていたレポート作成が、マクロを使って3時間ほどで仕上がるようになりました。もちろんものすごく助かっていますし、自動化されているので精度も上がっています。
またさまざまなものをシステム化することで、業務の進捗についての透明性がすごく上がったなと感じています。これまでは誰かに渡した業務の状況がわからず、「これは終わっていますか?」という確認を何度もする必要がありました。でもシステムでタスク管理がされることで、何もせずとも情報共有ができている状態をつくれています。
業務効率化を進めた結果、私も一橋さんも、長期休暇を取得することができました。
一橋:
自分にしかできなかった業務を他の人に渡せるようになったことで、業務内容が変わってきたなと感じますね。目の前の納品に向けて必死に手を動かして作業していた時間が減り、いまは業務の質を保ちながらどう効率化するか、どうより良くできるかを考えられるようになりました。
柔軟に人員を増やせるようになったことも、大きいなと思います。以前は人が増えると、戦力になってもらうまで育てる時間がネックになっていました。
いまは業務を徹底的にマニュアル化したので、人が増えたらすぐに作業にあたってもらえて、即戦力化しやすくなりました。
ーーいまでは業務効率化がミロゴス全社の文化として広がっているそうですね。
鈴木:
最初はオペレーションとコーポレートグループでやり始めて、徐々に他部署がこれらのグループに何かを依頼する際のフォーマットをより簡単なものにしたり、全社員にやってもらう作業を効率化したりする中で、「これは楽だね」と思ってもらえたのかなと。
業務効率化の意味やメリットが伝わっていったり、ちゃんと成果が出たりしたことで、意識が高まっていったんだと思います。
それで「業務効率化」を掲げて、現在の事業推進部が立ち上がりました。
一橋:
いまはSlackの中に業務効率化に関するトピックを投稿するチャンネルがあって、そこで成果の報告や、良さそうなツール・ノウハウなど情報交換をしています。それを見てみなさん意識を高めてくれたり、あるいは部のミーティングで効率化のトピックを共有したりしているので、全社的な文化として広まっている実感がありますね。
何:
他の部門からも、「これってもっと効率化する方法ない?」と聞かれることがあります。そう思える時点で、業務効率化のマインドがすごく浸透しているなと感じますね。
自主的に取り組む文化へ
ーー今後の課題を教えてください。
一橋:
さまざまなツールを使って自動化をしているのですが、その分外部環境に影響を受けやすいことが課題になっています。ひとつのサービスのUIが変わると、正常に機能しなくなってしまう。それをどうキャッチアップして、アップデートしていくかについては、新たな仕組みをつくらなければいけないなと思っています。
またいくら自動化しても、やはりクライアントに関わる部分は正確に動いているか不安になってしまい、どうしても人の目で確認したくなってしまうような状況もあります。そこと効率化をどうバランスをとっていくかは、今後の課題ですね。
何:
業務効率化をやり始めて2年。今度は自動化のワークフローをつくれるひとが少なく、そこもまた属人化してしまっている状況にあります。今後そのひとがいなくなってしまったら、誰もシステムを触れなくなってしまう。そうなる前に、業務効率化の手法の資産化を進めなければならないなと思っています。
ーー現在の状況をどう感じていますか。
鈴木:
もともとは私がうるさく言っていたことですが、いまでは各々が必要なスキルを自主的に身につけてくれるようになり、もはや私には思いつかないような発想とスキルの掛け合わせでどんどん業務効率化を進めてくれています。
ベテランメンバーはもちろん、入社間もない若手メンバーも積極的に創意工夫してくれていて。こうして文化として浸透したことがとても嬉しいですし、メンバーをすごく誇らしく思いますね。