1枚のマスク
2020年、地球ではヒトという霊長類の代表が、コロナウイルスという微小な存在に翻弄され続けています。もちろん私たちの小さな診療所も、混沌の真っ只中です。チームワークで生物界の頂点に上り詰めた(と思っている)ホモ・サピエンスは、彼らが誇るそのコミュニティの中で、自慢の大脳皮質をフル回転させながら、慰め合ったり、恨み合ったり、それはもう大騒ぎです。その一人である私はこう思います。これは人類対ウイルスの戦いであり、個体同士の力技では、確実に人類は負けてしまう。ウイルスは甘いものではありません。ヒトは微生物をコントロールできる、というのは、ヒトの奢りだと思います。犠牲になった仲間を忘れ、医学史上...