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toBの事業企画経験をtoCに活かしインパクトをもたらす新事業を──BizDev takeshi【SmartBank Members#12】

※2024年2月15日のインタビュー記事になります。

「人々が本当に欲しかったものをつくる」── そんな想いで集まっているスマートバンクのメンバーたちを掘り下げる企画【SmartBank Members】。今回は、BizDev のtakeshi(土屋剛志)さんに話を聞きました。ステークホルダーが多い中、どんなパートナーともスムーズに信頼関係を構築し、事業を前進させていくtakeshiさんに、スマートバンクに入社した理由、スマートバンクの事業開発のお話、今後の展望を聞きました。

takeshiさんとCEO堀井翔太(shota)さんが話している全編は、Podcastからお聞きください↓

https://smartbank.co.jp/podcast/31-takeshi

プロフィール

土屋剛志|⁠@takeshi__77 BizDev

大学卒業後、アパレル業界に7年近く身を置いた後、IT業界にキャリアチェンジ。前職では、クラウドソーシング業界のパイオニアであるLancersにて、受託部門の事業責任者としてIPOを経験。2022年12月、スマートバンクに入社し、BizDevとして事業開発とプロジェクトオーナーを担当する。趣味はYouTubeで変な動画を見ること。

入社理由は「toC × お金 + 2度目の起業エピソード」

── まずは、takeshiさんの自己紹介をお願いします。

大学卒業後、ファーストリテイリングのグループ会社に入社し、 店舗の販売員としてキャリアをスタートしました。その後、服飾雑貨のOEMメーカーで、企画営業として商品企画や法人営業を経験した後、2015年、クラウドソーシングのプラットフォームを展開するランサーズ株式会社に転職します。2019年には事業責任者としてIPOも経験し、2022年12月、ご縁のあったスマートバンクに事業開発としてジョインしました。

アパレル・小売業界からキャリアをスタートし、IT業界、そして現在のFintechと、さまざまな業界でさまざまな事業フェーズを経験してきました。

── 特にランサーズでの経験が大きかったと伺っています。ランサーズではどのような経験をしてきたのでしょうか?

ランサーズには、toB向けの受託事業の一担当者として入社しました。約7年間在籍する中で、最終的には事業責任者として、年商7〜8億円の事業の管掌と、40〜50人規模の組織マネジメントを担当していました。

ランサーズでは、クライアント企業の課題を伺った上で案件をまるっと引き受け、フリーランスの方に案件をお渡しする事業を管掌していました。営業部隊と運用のオペレーションマネジメントをしながら、クライアントの事業をグロースさせていくのがミッションです。ソリューション提案型の事業だったので、フリーランスの方を含めてどういう座組みを組み、どうやってPプロジェクトを進めたらクライアントの事業成長に繋がるかを考える仕事でした。

── 事業面、組織面ともに多くの経験をされたんですよね。

はい。事業面では、PLに基づき事業戦略を立案し、推進する役割を担っていました。IPO前後だったこともあり、経営陣をはじめとする複数のステークホルダーとのコミュニケーションや、内部統制といった守りの部分も求められたので、幅広い経験をさせていただいたと思います。また、既存事業をさらに成長させるアップサイドを見つけるために、コストをカットしながらインバウンドで新規クライアントを開拓したり、アルバイトやフリーランスの方を採用してオンボーディングしたりするなど、新領域の開拓にも挑戦させてもらいました。

組織面では、非正規社員含め、最大で40〜50名規模の組織マネジメントをしていました。未経験や第二新卒のメンバーが中心の組織だったので、メンタリングなども含め、事業成長に繋げるための組織マネジメントのプロセスを経験できたと思います。子会社の組織立て直しも経験し、ジュニア層のマネジメントに関しては苦労しながらなんとか乗り越えていった経験も多くあるので、かなりノウハウが溜まっていると思います。

── スマートバンクは前職とはまた異なる領域だと思います。なぜFintech業界、そしてスマートバンクへの入社を決めたのでしょうか?

入社理由は大きく3つあります。

1つ目は、toCの事業モデルで経験を積みたいと思ったからです。実は、スマートバンクに入社する前、個人事業主としてtoC向けの事業をやってみようと思っていた時期があるんです。事業の壁打ちやメンタリングもしてもらっていましたが、toBの事業開発をメインで経験してきたため、実際にやろうとするとどういう手順でやればよいのか分からず、手触り感のあるものが作れませんでした。一度、会社に入ってtoC事業を経験してみたいと思ったのが1つ目の理由です。

2つ目は、「ヒト・モノ・カネ」のうち、経験が浅かった「カネ」の部分で知見を得たいと思ったことです。クラウドソーシング事業やアパレルで「ヒト」に関わる経験は一定できました。また、アパレルでは販売や企画営業、生産管理もやっていたので「モノ」に関わる経験もあります。ただ「カネ」の部分の経験はまだ浅く、お金に関する経験を積むという意味でFintechに興味がありました。

この「toC」×「お金」という軸があった上で、CEOのshotaさんと面談させていただいた時に聞いた2回目の起業エピソードが決め手になりました。

スマートバンクのファウンダー3人が1回目の起業でやっていたフリマアプリの事業が、後発のメルカリに追い越されたという話が、クラウドソーシング業界でいうランサーズとクラウドワークスの関係に似ていると思ったんです。ランサーズはもともと、クラウドソーシングのパイオニアとして、業界では先駆者のポジションにいました。ですが、後発のクラウドワークスが成長して先にIPOを達成し、歯痒さが残っていたんです。そういった経験からも翔太さんの二度目の起業というエピソードに共感し、「次にチャレンジするならスマートバンクだ」と思い、入社を決めました。

https://note.com/horishou/n/n0fe9631460b2

「三方よし」を合言葉に、インパクトをもたらす新事業を

── スマートバンクでの担当業務を教えてください。

現在は、事業開発とプロジェクトオーナーという大きく2つの職責を担っています。

── それぞれ具体的に聞いてみたいのですが、まず事業開発としてはどのような業務を行っているのでしょうか?

スマートバンクの事業開発の主なミッションは、事業企画やアライアンスです。

具体的にやっていることは大きく2つあり、1つ目が新規事業領域の探索やニーズの検証です。会社として日頃から新しい事業機会の検討はしていますが、より具体的に、市場や競合の調査、法律やライセンスなど法的要件の整理、そして提携パートナーの選定を行います。その上で、プロダクトマネージャーやリサーチャーと連携を取りながら、ビジネススキームを企画し、プロジェクト立ち上げまでの設計をリードします。

もう1つが、事業計画の策定とモニタリングです。3ヵ年の事業計画にちゃんとアラインしているのかをKPIでモニタリングし、毎週の全社集会で共有します。その中でグロースできそうなテーマが見つかったら機能実装に向けて動き、逆に改善が必要な場合は社内外のパートナーと連携して改善に向けて対応します。


BizDevの主な役割


── toBの事業開発とtoCの事業開発で違いはありますか?

「事業KPIを分解して設計してモニタリングする」「課題を聞いてソリューションを作っていく」といった大きなフレームは変わらないと思いますが、リードタイムやコントローラビリティの部分では違いを感じています。

toBの場合、営業活動やカスタマーサクセスといった人的フローが挟まる事業モデルが多いので、自分たちの活動量やトークスクリプトの改善などで短期的な数値の改善がしやすいです。一方、「B/43」のようにtoCでプロダクトドリブンな事業モデルだと、機能の企画から始まり、実装、リリースを経てグロースをかけていくプロセスなので、機能をリリースしてから成果が出るまでのリードタイムが長く、営業活動やアクション量に対してすぐに数字が跳ね返ってくるものでもありません。コントローラビリティが乏しいという点で、toCの難しさを感じています。

また、「サービスを購買し、利用し続けてもらう」という部分も変わらないのですが、中身は結構違います。toBの場合、クライアント担当者が組織的なミッションを持っている場合が多いため、「これは会社にとって有益なのか?」といった経済合理性が大きく働きます。ただ、C向けは合理性だけで語れない部分も多く、ユーザーさんの真の課題やニーズを捉える難しさがあります。

── 普段はリサーチャーがやっているユーザーインタビューをご自身でも経験されていましたよね。

はい。ユーザーさんの悩みを想像しながらインタビューの設計をして、実際にお話を伺うことで答え合わせができました。生の声を直接聞くことによって、ユーザーの課題やインサイトをキャッチアップしやすくなり、とてもいい経験でした。

── 省庁やパートナー企業など、多くのステークホルダーが絡む事業モデルだと思いますが、前職までで培われたノウハウが活きていると感じる部分はありますか?

そうですね。ランサーズ時代の経験が活きていると思います。ランサーズでは、クライアント企業とフリーランスの方、両方が僕たちのクライアントで、僕らは二者を繋ぐ橋渡し役を担っていました。

そのときに、自分の中で合言葉として掲げていたのが「三方よし」です。フリーランスの方に有利な条件を提示するだけではなく、クライアント企業が事業成長できる座組みにしなければいけないし、逆に、クライアント企業の事業成長が狙えるからといって、フリーランスの方を虐げるような関係もいけません。三方よしを実現するために、要件を整理したり文脈を揃えたりしながら、関係者全員が納得できるやり方を考えてきました。

スマートバンクでの社内外のさまざまな連携やパートナーシップの中でも、この「三方よし」の考え方が活きていると思います。

── プロジェクトオーナーとしてはどのような業務を担当していますか?

プロジェクトオーナーとしては、入社から約1年ほど「後払い事業」に向き合っています。

後払い事業で重要なのが、クレジットカードに代表される「与信」です。与信には「通過率」と「貸倒率(回収できない貸付金または売掛金の割合)」というものがあり、この2つのバランスをどう取るかがポイントです。

与信の基準を緩めて審査の通過率を上げると多くのユーザーさんにご利用いただけるようになるので、僕らからすると手数料収益の積み上げにつながります。ただ、多くのユーザーさんに貸してしまうとその分貸し倒れてしまう方も増えるので、貸倒率が高くなりすぎると結果的にユーザーさんが債務を負い、僕らも回収できずに事業収益を得られなくなってしまいます。逆に、貸倒率を改善するために審査を厳しくすると、審査の通過率が低下し、 「B/43」のユーザー獲得コストに対して利益が小さくなり、ROI(投資利益率)が合わなくなってきます。そうすると事業自体がシュリンクしていくので、ここのバランスは非常に重要で、常にチーム内で話し合っています。

また、後払いチャージは提携パートナーさんと一緒に提供しているため、提携パートナーとスマートバンク間でWin-Winな関係を作らないと事業の存続が難しくなるという観点もあります。

こういったさまざまな観点がある中でどういった設定をしていくべきか。チーム内で日々試行錯誤しながらアクションしています。

── Fintechならではの難しさや面白さはありますか?

Fintechにチャレンジすると決めた時に、金融庁やさまざまな監督省庁との折衝が必要なんだろうなというイメージはあり、覚悟はしていたつもりでした。ですが、入社してみると想像以上の業界構造の複雑さに驚きました(笑)。

特にスマートバンクは、Visaの決済ネットワークを使わせていただいているので、金融庁からの許諾を得るのはもちろん、Visa側との調整や交渉も必要です。法規制も多い業界なので、1つの要件に対して一方向で整理すればよいというものではなく、複数のステークホルダーに説明できるような企画・設計が求められます。

今までは、市場調査をして市場をマッピングし、その中でシナジーがあったり需要機会があったりするところを攻めていく事業企画をやってきました。ですが、Fintechの場合は「そもそもこのライセンスでできるのか?」「このパートナーさんと組むことで自分たちがやりたい事業や機能が実現できるのか?」といった実現可能性の検証から必要になるという点で難しさはありますね。

ただ、直近は法規制の緩和も進み、僕らのようなFintechのプレイヤーが参入できる領域が広がってきました。新しい事業の企画を通して市場へのインパクトを出しやすいタイミングが来たと思うと面白いですよね。

価値提供と収益性が両立するドライバーをつくる

── 前職でも、ベンチャー企業が成長していく過程でのカルチャー変化を体験してきたと思いますが、スマートバンクのカルチャーについて何か感じていることがあれば教えてください。

まずは、ユーザーインサイトを深掘りして事業を伸ばしていくところがスマートバンクの強いカルチャーだと思っています。また、スマートバンクは少数精鋭のチームなので、優秀なメンバーが揃い、建設的に議論ができるカルチャーもあるので、そういった部分でも組織の強さを実感しています。

── 最後に、今後takeshiさんがスマートバンクで成し遂げていきたいことを教えてください。

スマートバンクは、プロダクトづくりやユーザー体験に対して意識の高いメンバーが揃っています。もちろんtoCのプロダクトなのでユーザーさんへの価値提供が大前提ではあるのですが、その上でどう収益性を生み出していくかという部分が、Fintechの領域では特に重要です。なので、現在担当している後払いチャージのプロダクトでも、今後展開していく新しい事業でも、収益性を改善するドライバーをつくるというところをブレずにやっていきたいです。

新規事業の成長や新機能の提供のためにも、原資となる収益が必要です。収益を積み重ねることで、ユーザーさんにより多くの価値提供ができるようになるサイクルがつくれるように、価値提供と収益性が両立するようなドライバーを見つけるのが、今後目指すところですね。

あとがき

スマートバンクの強いカルチャーであるユーザーインサイトをもとにした価値提供に安定した収益ドライバーを乗せ、未来の事業成長を目指すBizDev takeshiさんのお話が聞けました。

ぜひ、スマートバンクでtakeshiさんと一緒に働いてみませんか? ご興味のある方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

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