📌インタビュー📌
今村不動産株式会社代表 今村則永
目次
ESG、必要なことからやればいいんじゃない?
働く環境は常にアップデートしていきたい
現場の声から改革をうながす
地域社会に認められる不動産を開発していく
SDGsやダイバーシティ(多様性)の推進など、社会環境の変化は企業経営にも影響を与えています。そんななか、最近注目されているのがESG経営。環境(Enviroment)社会(Social)企業統治(Goverment)を考慮した経営・事業活動のことですが、まだまだ中小企業では取り組み以前に意識レベルでも縁遠い話題のように感じます。とはいえ、少しずつですが着実に企業経営にも影響してきているのは事実。
実際、弊社今村不動産でお取引させていただいている香川銀行様からの推進とご支援のもと、弊社も2年ほど前にSDGs宣言を策定しました。それだけでなく、最近では銀行でもESGへの取り組みを融資判断の材料にするケースも出てきていると耳にします。他にも、自動車業界では海外機関投資家からの要望を受けて、サプライチェーン上にある取引先企業にもESGへの取り組みを求めるようになっているそうです。2027年からは非財務情報の開示がプライム企業に義務化されるという話もあります。
この世界的な流れはおそらく止まることはないでしょうし、僕らのような中小企業にあっても、業界を問わず採用活動など企業活動全般に少なからず影響してくるはずです。今村不動産では「ESG経営として何に取り組んでいる」といった明確なものはこれまでありませんでしたが、せっかくなので備忘録もかねて、この機会に少し整理してみようと思います。
ESG、必要なことからやればいいんじゃない?
冒頭から小難しい話をしましたが、僕もESGなんて単語を聞いたのはつい最近です。ESG経営という言葉は、国連が2006年に発表した「責任投資原則(PRI)」、簡単に言うと「投資家は企業の分析や評価をするうえで長期的な視点を持って行動しようね」という条文に使われたのが初出とされています。
その後、2008年のリーマンショックを受けて、財務重視の投資ではなく、環境・社会・企業統治の課題に積極的に取り組む企業を評価する流れが広がりました。その結果、自社の安定的な経営だけでなく、投資家からのESG観点を重視した評価を目的に、ESG経営に取り組む会社が上場企業を中心に増えてきて現在にいたります。
SDGsもそうですが、正直なところ僕はこの手のワードと、それを企業広報として打ち出すのはトレンドに合わせた打算的な姿勢が感じられてちょっと苦手です。ただ、SDGsもそうでしたが、打算的な感じからはじまって、取り組み自体が徐々に広がり世の中に定着していくものなんでしょうね。いずれにせよ、環境変化や多様性に対する対応は、これからの企業にとって避けては通れない課題でもあります。
環境(Enviroment):
CO2排出量の削減、資源循環の推進、自然との共生
社会(Social):
労働環境の改善、多様性の尊重、地域社会との協力
企業統治(Goverment)
企業透明性の確保、不正行為の防止、株主・投資家とのコミュニケーション
ESG経営にはこの3つの要素がありますが、実際のところ明確な定義がないし、価値基準を判断するための指標すらまだ定まっていません。じゃあどうすんの?って話ですが、それこそ「自社にとって必要なことを行った結果がたまたまESG経営に該当していた」くらいゆるく考えるのが、少なくとも現時点での中小企業にとっては、ちょうどいいんじゃないかなと思います。それを、必要であれば広報発信や交渉材料にするくらいで。
そんなわけで、自分たちに当てはめてみます。
『環境』は正直やっかいです。僕らもSDGs宣言やコピー用紙削減の意識改革はしていますが、本格的にCo2削減を謳うにはハードルが高すぎます。不動産開発の分野で言うと、鉄骨を木造に変えたり、新たな工法を編み出したりと大業な話になってしまう。
『企業統治』に関しては、経営理念や就業規則の作成、社内データのアクセス制限など情報管理体制の構築に加えて、創業からずっと続けている「金融機関への情報開示」が該当するかもしれません。これについては過去のnoteで詳しく書いています
僕ら今村不動産にとって目下重要な取り組みは『社会』。
企業の内向けとしては「多様性を尊重した働きやすい環境づくり」、外向けとしては「不動産を介した地域社会への貢献」です。
働く環境は常にアップデートしていきたい
はじめてのnote投稿でも書いていますが、会社創業後すぐ、まだスタッフもいない弟と2人の頃から、働く環境の整備にはずっとこだわってきました。
創業間もない時期はご多分に漏れず仕事に忙殺されていましたが、それでも自分たちで起こした会社だったこともあり、ある程度は時間の融通が効きました。僕と弟は家庭を持った時期も、子供が生まれたタイミングも近く、2人とも仕事だけでなく家庭や子育ても大切にしようと話し合い、家族行事にも積極的に参加していました。そのおかげで、仕事と家庭のバランスを保てる環境は結果的に仕事のパフォーマンスもあがるし、長い目で見て会社にとって有益だと実感しました。これはいまも変わりません。
ただ、それをできるのが自分たちだけだと意味がない。キャリアや役職が違っても、今後一緒に働いてくれる従業員が産休や育休を取りやすい環境、時間の融通が聞く体制を整える必要がある。
そんな風に考えていた創業2期目のタイミングで入社してくれた、現在は事務全般を管理してくれている執行役員の女性も、キャリアと家庭を両立できる会社を求めて今村不動産に参画してくれた1人です。そこから各種制度を整えて、その後実際にスタッフの産休・育休取得を実現できたのは、会社として良かったなと思います。前例がなければただの形だけの制度になってしまうから。
それから約10年。この10年間で世の中の仕事に対する価値観はずいぶん変わりました。特にコロナを経て、働き方や働く時間に対する考え方は以前より多様化したんじゃないでしょうか。2人でスタートした会社も少しずつ人数が増えて現在は13名。来年にはオフィス移転を経て、次は30名程度の組織を目指していく成長段階です。そこで必要になってくるのが、まさしくESG経営のSocial(社会)の項目にあるダイバーシティーの尊重。性別・年齢・出身地・思考などの違いを尊重し、チーム全体で活躍できる環境づくりです。
現時点でもそうなんですが、人が増えればそれだけ多様な価値観が集まります。働く人の年齢もバラバラで、家庭環境もそれぞれ違い、生活のリズムも異なる。そうなると、必然的に「固定労働時間制」に対する違和感が出てきます。そこで現在行っているのが「フレックスタイム制」の見直しです。もともと制度としては設けていましたが、より柔軟かつ明確なルール整備を行ったうえでの再制度化を進めています。
フレックスタイム制の話になると、たいてい「生産性の低下」「コミュニケーション不足」「勤怠管理や成果評価の複雑化」などのネガティブな話題とセットで語られることが多く、実際日本での企業導入率も10%以下にとどまります。人数が多くなればそれだけ課題も出てくるでしょう。ただ、働くことに対する価値観の多様化は今後も確実にひろがっていくし、そこに合わせられないと企業としての価値も下がってしまうのは目に見えて明らかです。時間だけでなく他の労務制度とセットできちんと制度化し、運用で見えた課題の改善を繰り返す。それを次の組織人数の拡大とセットで推し進めていきたいと思っています。
現場の声から改革をうながす
ESGのS=Social(社会)の企業内部向けとして、もうひとつ取り組んでいくのが「健康経営優良法人」の認定取得。今後は企業として従業員の健康管理・増進もひとつの役割になると思っています!なんて偉そうなことを言いながら、正直なところこの制度自体も僕自身少し前にはじめて聞いたところです。苦笑。この秋から新たに今村不動産に入社してくれた総務スタッフから意見をもらって、会社として推進していこうと判断しました。現在はそのスタッフが社内アンケートをもとに、具体的な取り組み内容を策定してくれている段階です。
ここまで書いてきた会社の改革も、僕が主導するのではなく現場の声から生み出していきたいと言うのが本音です。僕らのようなまだまだ小さな会社は、トップが言ったことで会社の施策が決定してしまう環境です。ただ、それでは変化の激しい多様性の進む社会にいつか対応できなくなる。
次の組織規模30人に向けたステップとしては「現在の会社に足りないものを、どうアップデートするかを主体的に考えて意見し、行動してくれる」人を増やしていきたい。
人は自ら発言したことには責任を持つものだし、それを実現してこそ達成感が得られるはず。そんな自発的に改善・改革を推し進められるメンバーが集まる強い会社を目指していきたいと思います。
今村不動産では来期にむけて採用活動も強化中です。リクルートサイトもぜひのぞいてみてください。
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地域社会に認められる不動産を開発していく
ESGのS=Social(社会)の対外的な指標としてある「地域社会との協力」。この具体的な施策は現在ありませんが、そもそも僕ら今村不動産が掲げているミッション「不動産の存在価値を上げ、地域社会や経済に貢献する」がまさにここにあたります。
ひとことに不動産開発や売買事業といっても、その事業内容は様々。語弊を恐れず言えば、より高く売れそうな土地や建物を仕入れて、ニーズがある相手に売却して利益を得るのも不動産事業です。会社の成長フェーズとしては利益を上げることが最優先なので、当然ながらその類の仕事もあります。
ただ、会社として目指しているのは、創業時より事業の軸になっている店舗開発のように「その地域で必要とされる、地域を活性化する物件開発」「事業者と地域の双方にとって価値のある物件開発」です。実績と売上を積み重ねたこの10年。直近では大規模なロードサイド型のドラッグストアの開発や、総戸数約70戸程度の中規模マンションの開発など、開発物件のジャンルや規模も年々大きくなってきました。
時代とともに働き方や仕事に対する価値観が変化するように、不動産に対して社会が求めるものも変化していきます。
その変化の波を捉えながら、複合型商業施設の開発をはじめ、地域や社会のニーズにそった物件、社会課題の解決につながるような物件開発を軸に、企業規模を拡大していきたいと思います。