📌インタビュー📌
今村不動産株式会社代表 今村則永
目次
1.僕の最優先タスクは金融機関との交渉
2.数値資料の素案作成は信頼して任せる
3.常に考えているのは会社の将来
仕事のタスク管理ってどうしていますか?
仕事をしていると、小さいものから大きいものまで、実にたくさんのやるべきことが発生します。そのすべてに全力で向き合うには、時間はあまりに限られている。そこで、タスクとにらめっこして取捨選択して、急ぎのタスクから取り掛かる方が多いんじゃないでしょうか。
有名な方法としては縦軸と横軸でマトリクスを作って、タスクを4つの領域に分ける方法がありますよね。僕もこれで日々のタスクを整理しています。週のはじまりに付箋や白い紙にタスクをざっと書き出して、1週間のタスクを分類してから仕事に取りかかります。
この手法は「アイゼンハワー・マトリクス」と呼ばれていて、第34代のアメリカ大統領のアイゼンハワーが演説中にどこかの大学教授の言葉を引用して「私は緊急なものと重要なもの、2種類の問題を抱えている。緊急なものは重要ではなく、重要なものは決して緊急ではない」と話したものを『7つの習慣』で有名なスティーブン・コヴィー氏がまとめたのがはじまりだそうです。(実はそんな来歴があるものだとは知りませんでした…苦笑)
縦軸と横軸の設定はいろいろあると思いますが、僕は縦軸を「緊急性」、横軸を「優先度」に設定して、タスクを4分割しています。こんな感じですね
僕は昔から時間の使い方が上手くなくて、やるべきことが山積みになると「何から手をつければ良いんだ…」と立ち尽くしてしまうタイプ。そう自認しているからこそ、あれもこれもと手をつけるのではなく、自分のなかでタスクの分類をしてから【時間】を最優先に1→2→3の順にタスクをこなしていくように自然となっていました。
4に該当するものは頭の中から排除し、やるべきこと明確にすることで、無理なく仕事のスケジュールを立てる習慣も身についたように思います。
最近の僕の場合で例えると
1「最優先で取り組むタスク」は金融機関との交渉とキャッシュフロー管理
2「任せて確認するタスク」は財務資料と決算説明資料の確認
3「予定しておくタスク」は会社の来期の目標や組織編成の戦略検討
となります。
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1.僕の最優先タスクは金融機関との交渉
大手企業は別として、僕ら今村不動産のような不動産開発を生業にする会社にとって、最も重要なのは金融機関からの融資です。いざ良い物件の話が上がってきたとしても、そのプロジェクトを実行するための融資が下りなければ案件化できません。だからこそ、現在30社を超える金融機関との取引と良好な関係性を築くために、四半期に1度、年に100回以上も話をしに行っているのです。
営業職から物件買い付けの話があり、現場のトップである専務の承認を経て、僕のところに上がってきた案件の実行に向けて金融機関と交渉を行う。これこそが、経営者としての僕の最優先タスクになります。
今村不動産の場合、物件仕入れの権限は基本的に各営業担当が担うので、僕のところまで話が上がってきた時点で基本は金融機関へ融資をとりにいくスタンスで動きます。個人的に、ちょっと仕入れ値が高すぎるのでは…と思う案件もたまにあったりしますが、営業職の市場調査の報告や案件に対する熱量を最重要視しています。トップダウンで決めつけるのではなく、現場の視点を信じて、それを形にできる組織を目指しているからです。当然、期日の近い融資案件が入ってきた場合は突発優先タスクとして1のカテゴリに入れてすぐに動きます。
そんな金融機関との交渉と両輪になる、もうひとつの最優先タスクが、キャッシュフローの管理です。複数の物件在庫を抱えながら新規物件の獲得も並行して行うため、想定外のスケジュールで売却決済日がずれこんでしまって、PL(損益計算書)上では利益が出ているにもかかわらず黒字倒産するといったことも、融資をもとに事業拡大を行っていく不動産開発業ではよく起こりうる話なんです。だからこそ、キャッシュフローの管理には常に目を光らせておく必要があります。
今村不動産では、各プロジェクトごとの事業収支管理表、基本となる販売管理費表、そしてこの先3年間の在庫と売却予定を見込んだキャッシュフロー表を連動させた独自のシステムをもとに、毎月のキャシュフローを管理しています。
そのうえで、ある程度キャッシュが目減りする年月を事前に想定しながらも、想定外のスケジュールで入出金の予定が変わる場合は都度計画を見直して積極的な販売営業を行ったり、資金調達に動くといった対策を取るようにしています。先に言った金融機関への財務説明の際にもこれらの指標をもとに説明することで、信頼性を担保しています。そんな風に現場を信頼することで数字など経営面の管理タスクに自分の時間をかけられるからこそ、健全な会社経営ができているんだと思います。
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2.数値資料の素案作成は信頼して任せる
同じように、営業職ではなく管理部門に任せているのが「緊急性は高いが任せるタスク」に振り分けている月次の財務諸表や金融機関向けに提出する決算説明書の素案作成です。これらも、本来的には会社の経営を左右する重要なタスクなので僕自身が資料作成した方が間違いもなく意図も反映させやすいものです。けれど、それらこまかなタスクまで僕が担ってしまっては意味がないと思うようになりました。
会社が少人数だったころは僕がすべて行っていましたが、案件数が増えてきた現在は僕ひとりで行うには限界がありますし、なにより組織としての拡大を目指すのであれば、なんでもかんでも僕がやっていては組織の体制化にとって弊害にもなりかねないと考えて、担当を決めてタスクを割り振るようにしました。
僕がするのは、あがってきた資料をチェックしながら、1の「最優先で取り組むべきタスク」のキャッシュフロー管理と照らし合わせて経営戦略を考えること。そして、素案が出来上がった段階で、それをもとに説明資料の本稿を作成することです。とはいえ、数字が大きく入力ミスが死活問題入力につながりかねないので、間違っていたらどうしよう…なんて不安になってしまう時もあるんですが。苦笑。そこは信頼して、組織としてよりシステムや体制を強化していく努力をしたいですね。
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3.常に考えているのは会社の将来
冒頭であげた「アイゼンハワー・マトリクス」のマネジメントの肝は、急を要する事柄に時間を費やしてしまって、本当に重要なタスクに時間を割くことができない状況を防ぐところにあります。その意味では、3の「優先度は高いが緊急性の低いタスク」にこそ、会社経営として大事なタスクが入ります。
具体的には会社の来期の目標や組織編成の戦略検討です。
これについては、隙間時間されあれば年中ずっと考えるようにしています。そのうえで、緊急性がないがゆえにズルズルと先延ばしにしてしまいがちなタスクだからこそ、僕の場合は決算期である5月をひとつの区切りに、組織目標や方針を明文化して社内外に発表するようにスケジューリングしています。ちょうど4月は方向性を固める時期です。方針が固まったら5月には「1.最優先で取り組むタスク」に来期目標・組織体制の資料作成が加わります。
今村不動産は来期から11期目に突入し、オフィスも拡張移転を予定しています。11期で取り組むべき最優先事項は人材確保と体制強化です。特に、これまで入社してくれたスタッフがいまのところ誰も辞めずに活躍してくれているのは嬉しい限りなんですが、創業当初と比べると平均年齢がどんどんあがっているという現実があります。苦笑。
この先を考えたときに若手スタッフの採用と教育体制の環境整備は組織として急務だと思っています。10年を超え、その次の10年へ。僕自身も会社も、まだまだこなすべきタスクはいっぱいありそうです。