シコメルフードテックの採用基準は「複雑で難解な問いに立ち向かえるかどうか」だといいます。その背景は何なのでしょうか。レガシー産業である飲食・食品業界にDXをもたらそうと奮起する経緯を聞くと、その答えが見えてきました。
「シコメル」が提供するサービスで社会はどのように変わるのか?どう変えていきたいのか? といった角度から、シコメルフードテックが目指す世界、採用基準、そしてその関係性に迫ります。
川本 傑 / 取締役COO
株式会社シコメルフードテック取締役COO / 株式会社アントレ取締役。情報経営イノベーション専門職大学准授。2008年にリクルートへ新卒入社し、SUUMO事業の立ち上げに従事したのち、独立起業支援のアントレ事業部へ異動。 2019 年のアントレ・スピンアウトのタイミングでアントレの取締役に。
「美味しい料理が正当な評価をされ、その評価に比例する経営を誰しもができる」世界を
ーー早速ですが会社のMissionとVisionとそれに至った背景を教えてください。
Missionは「食のサプライチェーンDXで世界をもっと美味しく豊かに簡単に」、Visionは「"効率化"による最高のコストパフォーマンスを実現する」となっています。
飲食業や食品製造業は古くから存在する「ある意味で原始的なモノ」で、誰しもにとって「食事」は日常に無くてはならない身近な存在となっています。だからこそ誰もが気軽に「やってみようかな」と思えるハードルの低さが存在しています。しかし、これが仇となり、効率の悪さや非科学的な経営を行いがちな業界となっているのも事実です。
「美味しさを追求する」ことは知っているけど、「売上や生産性(ビジネス)を追求する」ことを知っている企業はほんの一部。
マクドナルドほどの世界的な大企業は、味にも数字にも向き合って経営をしていますが、グローバル企業や大手企業以外の中小企業、まして個人経営のお店はまだまだ非科学的な経営をされていて伸びしろがあるはずです。
20年間叩き上げの現場で戦い続けた代表の西原が創った弊社は「食のサプライチェーン」を細かな粒度で把握し、科学的で効率的な経営アプローチを知っています。そのノウハウ / ナレッジを駆使すれば、世の中の飲食店を救えるはずです。このような業界の現状と弊社の強みから逆算しMission / Visionを制定しました。
「美味しい料理が正当な評価をされ、その評価に比例する経営を誰しもができる」世界を目指しています。
IPOを目指して、より深くて広い課題解決を
ーー上場を目指しているのも、MissionやVisionと何か関係があるのでしょうか?
はい。もちろん上場による経済的なリターンも期待のひとつですが、本当に手に入れたいのは、社会に対して「問い」を提示する立場です。
しっかりとIPOをして資金調達をしたうえでシコメルが社会的信頼のある企業になってみせる。美味しい食事で着実に儲かる姿を自分たちの背中で示し、飲食・食品業界の問題の糸口をつかみたいと思っています。
ーーなるほど。経済的リターン以外でのメリットですか!
スキルシェアサービスのココナラさんも一年前の2021年3月に東証マザーズに上場しましたが、上場することによって既存の同領域サービスと肩を並べるような存在感を得たのではないでしょうか。
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解決すべき課題が大きければ大きいほど、時間とお金と同様に社会からの信頼も必要となってきます。何者かわからない新興テック企業がいきなり問題提起をしてもなかなか世の中を変えれません。もちろん実績も上げた上で、社会からの一定の信頼を得ることにより、問題提起を行える立場に立つことができると考えます。
これが弊社が上場することで獲得できるメリットだと考えています。
ーー食品業界への問題意識も強いようですが、懸念を抱くようになったきっかけは?
弊社代表の西原も20年間近く食品業界で戦ってきました。彼はバリバリの現役ですが、その傍らで成功を逃した人の姿も目にしてきました。
私も「アントレ STYLE MAGAZINE」という独立・開業・起業を志す方を応援するメディアを運営していたので、この道の険しさは十分に実感しています。
とはいえ、先ほどもお話した通り「食」は身近な存在ですから飲食業を志す人は非常に多いです。イートインの店舗で言えば、美味しいものを作って、接客をすればある程度は回る。最低限のラインに達するのは簡単に見えるので、誰もが夢を抱きやすい職業ですが「経営」となると話はまた別なのです。。だから色んな店ができて、一時は調子が良くてもすぐに潰れてしまう。
そうした実情を原体験として目の当たりにしてきたので、自分たちでどうにかしたいなという使命感を持つようになりました。
一緒に働きたい仲間は効率的で難解な問題へ取り組むことができる人材
ーー採用ではどのようなことを重視されていますか?
「食へのこだわり」も大切ですが、それよりも「効率」を上げることが得意な方が向いていると考えています。「食」という分野に対して、興味があったり思い入れがある"だけ"だと、活躍できる場が少なくミスマッチに繋がる可能性があるため、採用の場面でもあえて「効率」という言葉を使うようにしています。
ーーどうしてそこまで「効率」を重視されるのでしょうか?
端的に言えば、僕らがリーダーシップを取って飲食店や工場の事業経営のことを考えないといけないからです。「味」のことに関して言えばお店の方がプロフェッショナルですし。
特に食品業界は「不必要なものを丁寧に行う」という性質がまだまだ根付いています。だからこそ「効率改善」することで経営改善できるお店はたくさんあると考えています。
「"効率化"による 最高のコストパフォーマンスを実現する」という言葉は弊社のVisionですが、仕込みの外注化(効率化)に限らず、抜本的な課題解決ができるサービスを提供していくつもりです。それに伴い「複雑で難解な問いを素早く解ける人」を採用 / 育成していければと思っております。
ーー複雑で難解な問いが生まれている背景とは?
「巨大産業に関わる人の多さ」と「レガシー産業特有の昔から根付いている考え方や価値観」だと考えています。
生産者、商社、それから物流をも巻き込む必要がありますし、また、当然飲食店の数は膨大でそれぞれの社会があり、兼ね合いがあります。理屈でどうこうしたところで誰も動かすことのできない特有な業界だと捉えています。
ーーなるほど、、、では具体的な採用基準はいかがでしょうか?
Valueである「顧客志向」「創造性」「自責性」「スピード」の4つを重視しています。この4つがあれば、長い歴史があるこの業界でもクライアントは当社の考えに共感し、これまでの非効率的な業務の改善を実行していただける可能性が高まります。そして、業界に累積する問題は解けるはず。
まさに、このValueがそのままシコメルの採用基準になっています。
見据える問題の解決は簡単ではありませんが、着実に乗り越えられると思います。このミッション・ビジョン・バリューに共感して頂ける未来の仲間をお待ちしております。
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