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VOLLECTの変化やダイレクトリクルーティングの成長性はどこにある?代表インタビューvol.2

ついに創業3期目を迎えた、スカウト代行サービスを展開するVOLLECT。

前回の代表インタビューでは、中島自身の経歴や、創業経緯を中心にご紹介してきました。

▼前回インタビューはこちら
https://www.wantedly.com/companies/company_2113909/post_articles/289320

今回は、VOLLECTの変化や成長性を中心にインタビューを行いました。

前回のインタビューから、どのようにVOLLECTが変化しましたか?

まずは、社員が増えて、仕事の幅が広がりました。

立ち上げ当初は、自分の人脈でお客様を増やしていたため、僕1人で顧客獲得を頑張っている感覚がありました。しかし、現在はメンバーの力も借りて、マーケティング面を強化できたため、問い合わせも増え、今まで自分と関わりのなかった新規のお客様を獲得できるようになりました。

また、創業当初は売上をどう作るのかを意識していたのに対して、現在は抱えているキャッシュを使って、緊急性は低いものの将来的に見た時に重要な仕事にも注力することができるようになりました。

最近スカウト代行の競合が増えていていますが、VOLLECTの強みはどこでしょうか?

弊社の強みは、大きく分けて3つあると考えています。

1つ目は、ダイレクトリクルーティングに特化していることです。HR業界の経験があれば、ダイレクトリクルーティングも簡単にできると思われがちです。しかし、実はダイレクトリクルーティングには多くのノウハウや知識が必要で、奥が深いものです。弊社のメンバーは、各媒体の細かい知識や返信率向上のノウハウを持っている、いわゆる「ダイレクトリクルーティングオタク」なので、その点は競合に負けないと思います。

2つ目は、競合よりも早い段階でスカウト代行に特化して立ち上げた企業であるということです。立ち上げた当初は、ダイレクトリクルーティング専門の会社というのはほとんどなく、採用全般の代行企業が多かった印象があります。競合が増えているということは、ダイレクトリクルーティングが成長市場であるということの現れだと思いますが、その中でも先駆けて多数の企業を支援した実績を作れたことは強みだと思っています。起業した頃は、周囲から人材紹介の方が良いのではという声も聞かれましたが、市場の成長性を信じてダイレクトリクルーティングの支援を早くから始めてよかったと感じます。

また、「HRpedia」というダイレクトリクルーティング特化型メディアを立ち上げたり、スカウト代行のノウハウを詰め込んだホワイトペーパーを作ったりするなど、マーケティング面でも他社より先に土台を作りあげたことも大きいですね。最近では、スカウト代行を探し始めた企業様と、1番最初に商談をする機会を頂けているケースも増え、認知度が格段に上がったと感じます。

3つ目は、エンジニアを始めとする専門職採用に強いことです。今、IT人材は大きく不足しており、多くの会社がエンジニアやデジタルマーケティングができる人材を採用したいと考えています。しかし、エンジニア採用は難解な用語や情報が多々ありますし、スカウト媒体も非常に多いため、プロとして顧客の採用支援を行うことは難しいです。そんな中で、弊社はエンジニア採用などを経験したことのあるHR経験者を多く抱えておりますし、もちろん僕自身も知見があるため、顧客が必要としている人材要件をしっかりと把握してソーシング(スカウトする人材の選出)することができます。さらに、弊社はエンジニア向けの媒体を使用した経験が他社よりも多く、お客様に最適な媒体を勧められたり、ノウハウを持っていたりしますね。

「HRpedia」という言葉が出てきましたが、なぜ早くからメディアの立ち上げを行えたのでしょうか?

もともと私はコンサルティングファームのダイレクトリクルーティングに関わっており、その際に多くのノウハウを学ぶことが出来ました。加えて、このノウハウや経験も書き溜めておかないと忘れてしまうのではと感じたことから、そのノウハウをnoteに書いてアウトプットするようにしていました。当初はHRpediaのようなメディアにまで発展するとは思っていませんでしたが、この書き溜めたnoteが今のHRpediaの基になっています。また、自分自身ライティングに抵抗もなかったので、それも早くからメディアを立ち上げられた要因になったと思っています。

しかし、ノウハウを得られたとしても、実際にダイレクトリクルーティングを実行するのは大変です。ノウハウだけでは採用することは出来ません。緻密に採用を進めていくためには非常に多くの工数がかかるため、弊社のようなスカウト代行企業へのニーズはノウハウを公開しても下がることはないと思っています。

ダイレクトリクルーティング市場はなぜ拡大しているのでしょうか?

これまでは、求人を出したり人材紹介を使ったりと、就業人口全体のたった10%しかいない転職顕在層を狙って採用活動を行っていました。しかし、近年モノを作れば売れる時代ではなくなったことや、単純作業がAIに代替されてきつつあることから、企業は本当に優秀な人材を求めるようになってきました。

そこで、優秀な方が眠っている転職潜在層にもアプローチができる、ダイレクトリクルーティングを使う企業が増えてきました。転職潜在層にアプローチできる採用手法は、ダイレクトリクルーティングかリファラルくらいです。ダイレクトリクルーティングは人材紹介や求人広告よりも工数がかかりますが、手間をかけてでも優秀な人材が欲しいと考える企業が多いのです。

また、知名度のない企業が候補者に興味を持ってもらうためには、企業側から積極的にアプローチしていかなければ採用できません。売り手市場であることも、ダイレクトリクルーティングの拡大を後押ししているでしょう。

実際に2019年時点のHR総研のデータでも、「今後、利用が高まると思う手段・サービス」を聞いたところ
41%の企業がダイレクトリクルーティングだと回答しています。

アメリカでは、Linkedinを中心に全体の40%の採用自体がダイレクトリクルーティングによるものという話もあるぐらいですので、確実にダイレクトリクルーティング市場が成長することは間違いないと思っています。

ダイレクトリクルーティングの配信自体がAIに代替されることはないですか?

自動的に条件に会う人を見つけてスカウト送信してくれるスカウト媒体もありますね。ただ、私としては自動配信のマーケットはそこまで広がらないのではと感じています。歴史を辿ると、今までのリクナビやマイナビやdodaのような求人媒体ではスカウトはほとんど自動スカウトのようなものでした。しかし自動スカウトでは効果が出なかったため、候補者一人ひとりにスカウト文面を作成して配信するダイレクトリクルーティングが広がってきたのです。

スカウトを配信する上で最も重要なプロセスが、どの候補者にスカウト配信するのか見極めることです。求める経験に、ポジションに関連するキーワードが入っている候補者をピックアップするだけであれば、今でもRPA(ロボティクスプロセスオートメーション)などの技術で実現できますが、それだけでは正しい候補者選定は出来ません。候補者一人ひとりの今までのキャリアのストーリーを読み解き、スカウト配信するポジションが、これからの候補者のキャリアにとって良いものになるか=ストーリーの繋がりを考えて選定する必要があります。もしかすると、候補者のストーリーを読み解くことはロボットやAIにも出来るかもしれませんが、ストーリーの繋がりを見極めることは機械にはまだ実現不可能です。

強いて言えば、キーワードで目ぼしい経験のある人だけピックアップしてもらい、実際に配信するかどうかは人が決めるというように、共存することで工数の削減は出来ると思いますが、完全にAIやロボットに代替されることはないと思っています。AIやロボットが人の気持ちを動かせないというのと同じかもしれませんね。

スカウト媒体が増えていく中で、どう新サービスをキャッチアップしているのでしょうか?

お客様に各スカウト媒体のメリット、デメリット、登録者の属性などを伝える必要があるので、基本的には実際に使ってみて、VOLLECTの中で媒体ごとの知見を溜めることが1番だと思っています。現存のスカウト媒体の新機能を知るためにもやはり実際に使うことが大切ですね。

お客様とのやりとりの中で新サービスを知ることもありますが、自分から知る方法としては、2つあります。日常的にアンテナを高く張り、泥臭く情報を収集しています。

1つ目はgoogleアラート(https://www.google.com/alerts)です。「ダイレクトリクルーティング」、「スカウト代行」、「HRtech」などのキーワードを登録し、毎日そのワードに関連したメールが送られてきて非常に便利です。

2つ目は、FacebookやTwitter等のSNSです。HR界隈の方々と繋がっているため、新しい情報が自然と入ってきます。

ダイレクトリクルーティングに特化していることで、多くのクライアントのダイレクトリクルーティングの支援をしていることで、新たにサービスが生まれる度に我々もすぐに使えるようになることは弊社の強みだと思います。どこよりも早く、どこよりも媒体に詳しい状態を作りやすいですね。

現状のVOLLECTの課題と展望を教えてください。

人材紹介や求人広告などと比べると、ダイレクトリクルーティングはまだ発展途上でありますが、最近はビズリーチやi-plug、ハウテレビジョンなどダイレクトリクルーティングに関わる企業の上場が続いていることを考えると、採用手法の一つとして一般化されているのではないかと思います。この流れに乗じて、ダイレクトリクルーティングの媒体企業が増えるのが予想されます。ダイレクトリクルーティングが一般化する流れは継続することは間違いないと思っています。

ただしダイレクトリクルーティングは、媒体やデータベースがどれだけ進化するだけでは、本当の意味で一般化することはできず、配信する人がいて始めて成り立つものです。その意味では、弊社のような配信する人やその人が集まった組織や会社もこれから一般的になっていかなければいけないと思っています。

Webマーケターという職種は今や一般的に存在していますが、これもGoogleやFacebook、Twitterなどがあるからこそ生まれた職種です。GoogleやFacebookなどの媒体だけでは、企業は収益をあげられず、Webマーケターやデジタルマーケターがいるからこそ適切にデジタルマーケティングを用いて効果を出すことができます。
この構図が、ダイレクトリクルーティングという領域でも生まれるのではないかと思っています。つまり、「プロスカウター」というような名前の職種が新しく生まれるはずです。職種が生まれることで目指す人が増え、ダイレクトリクルーティングという手法がより一般的になっていくはずです。数年後には、人事のカテゴリーに、スカウト配信する「プロスカウター」というものがあるかもしれないですね。

そのため、弊社としてはしっかりと価値を提供できるように、継続して複数のクライアント様の採用成功のために並走しつつ、そこで得られるスキルや知見を社内に蓄積し、溜めたノウハウを、クライアント支援に還元するためのダイレクトリクルーティング専門の組織づくりや育成に、今一番力を入れたい事ですね。サイバーエージェントも、元々はネット広告代理店から始まり、優秀なデジタルマーケターを多く抱え大きな収益を生んでいるように、優秀な「プロスカウター」をどこよりも抱えている会社にならなければいけないと思います。

ーーありがとうございました!

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