ツール導入から「ファン作り」への転換。右往左往する私を「手取り足取り」支えてくれた上司と挑んだアプリ開発
【プロローグ:デジタル化の裏にある、本当の目的】
こんにちは!
Kyoshin Digital Academy(KDA)の吉原です。
私たち京進グループは、学習塾をはじめ、保育、介護、日本語学校など、人の「一生」を支える幅広い事業を展開しています。
そんな私たちがDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める理由は、単なる業務の効率化やコスト削減ではありません。
私たちが目指すのは、「人にしかできないこと」への集中です。
ITやデジタルの力で仕組みをスマートに整え、そこで生まれたゆとりを、生徒さんや保護者様、利用者様との「対話」や「個別のケア」へとつなげていく。
デジタルがあるからこそ、より人間らしい温かみのあるサービスを提供できる。
そんな「人中心のDX」を、私たちは何よりも大切にしています。
今回お届けするのは、グループの従業員みんなをつなぐために開発した、社内スマートフォンアプリ『AppGutenTag(アップグーテンターク)』をめぐる挑戦の記録です。
実はこのプロジェクトが本格化する時期、私は「IT企画課」から「Web開発課」へと異動になりました。
異動前はチャットワークのようなSaaSツールの導入といった、主に業務効率化を目的とする仕事をしていたため、異動後の「社内ブランディング(ファン化)」を目的とするアプリ開発へのアプローチの違いに、当時はかなり戸惑っていました。
環境も仕事内容も上司もガラリと変わり、五里霧中だった私。
新しい上司にたくさんご迷惑をおかけしながら、手取り足取りサポートしていただいて、なんとか最後までやり切ることができたリアルな挑戦と、そこから得た大きな「まなび」のストーリーを、等身大でお話しさせてください。
◆ 起:多角化する組織。浮かび上がった「心理的距離」と「情報格差」という課題
京進グループには、2020年に策定された「ステキな大人が増える未来をつくる」という大切なグループ共通のビジョンがあります。
高いスキルだけでなく、自分なりの夢を描き、豊かな人間性を持って社会を幸せにする人を増やしていきたい。
そんな熱い想いが込められたビジョンです。
しかし、当時の私たちには大きな課題がありました。
この想いを、いかにして全従業員へリアルに、熱量を持ったまま届けるか、ということです。
京進は、塾もあれば介護施設もあり、保育園もあります。
事業が多角化していくことは素晴らしいことである反面、会社間や事業部間での「心理的な距離」が少しずつ生まれ、理念の浸透度にどうしても差が出てしまっていました。
さらに、もうひとつの大きな課題が「情報格差」でした。
グループ内には、大学生スタッフを中心とする約3,800名もの非常勤職員が在籍しています。
現場の最前線で最高のサービスを届けてくれている彼ら、彼女らですが、業務用のPCを持っていないため、会社からの情報にアクセスする手段が非常に限られていたのです。
これまでは現場の責任者を介して情報を伝えていましたが、それではメッセージの熱量やニュアンスが、どうしても薄まってしまいます。
「会社のトップや、他の事業部でがんばっている仲間の想いを、直接、全員に届けたい」
「雇用形態なんて関係なく、一人ひとりが京進グループの一員として、誇りと愛着を持てる土壌を作りたい」
単なる連絡網の整備ではない、従業員みんながやりがいを持って働けるための「インナーブランディング」への挑戦。
これが、今回のプロジェクトの始まりでした。
◆ 承:「効率化」から「ファン作り」へ。異動の洗礼と、上司が差し伸べてくれた手
この一大プロジェクトが動き出すタイミングで、私自身に大きな転機が訪れました。
IT企画課からWeb開発課への異動です。
この変化は、想像以上にタフなもので混乱、苦労しました。
異動前のIT企画課では、チャットラックやデスクネッツのようなSaaSツールを導入し、いかに業務を効率化するかという仕事がメインでした。
しかし、異動先のWeb開発課で任されたのは、正反対とも言える「社内ブランディングのためのアプリ開発」です。
無駄を省くためのツール導入と、愛着や誇りを育むためのファン作り。
目的も、作り方も、アプローチもまったく違う環境に、最初はすごく戸惑いました。
「人の心を動かすためのディレクションって、一体どうすればいいんだろう……」
自分のこれまでのやり方が通じず、仕事内容や課の考え方のギャップに、正直、頭が真っ白になる日もありました。
そんな私を救ってくれたのが、新しく上司になった課長でした。
右往左往してミスをしてしまったり、判断に迷ったりする私に対して、上司は嫌な顔ひとつせず、根気強く向き合ってくれました。
ブランディングアプリにおけるユーザー視点の持ち方、感情を動かす導線の引き方など、新しい仕事の進め方をまさに「手取り足取り」教え込んでくれたのです。
たくさんご迷惑をおかけしてしまいましたが、上司がじっくりと寄り添い、信じて待ってくれたおかげで、「まずは現場の仲間が、自発的に開きたくなるものを作ろう」と、前を向くことができました。
そこからは、流行に敏感な若いスタッフが直感的に親しみを感じてくれるインターフェースを目指し、とにかく画面の向こうにいる仲間の気持ちを想像する毎日に没頭していきました。
◆ 転:立ちはだかるシステム上の制約。上司の背中を見ながら、泥臭く向き合った日々
しかし、開発が進むにつれて、さらなる壁が待ち受けていました。
私たちが理想とするデザインや、楽しんでもらうための機能を詰め込もうとすればするほど、システム上の制約やハードルが目の前に立ちはだかったのです。
「多くのスタッフが使うとなると、この動線ではスムーズに動かないかもしれない」
異動直後の慣れない仕事の中で、技術的な課題と表現のこだわりが重なり、寝ても覚めてもアプリの設計について考え込む日々が続きました。
自分の知識だけでは突破口が見えず、焦りばかりが募っていきます。
ここでも、上司の存在が大きな支えになりました。
私が壁にぶつかるたびに、上司は一緒になって頭を抱え、パートナーであるヤプリのディレクターやデザイナーの皆さんとのミーティングでも、巧みにディレクションの舵取りをしてくれました。
「それなら、この機能をこういう風にカスタマイズして応用してみよう!」
「この見せ方なら、負荷を抑えつつ、理想の温かみを維持できる」
ヤプリの皆さんも私たちの想いに深く共感してくださり、全員で知恵を出し合い、一つひとつ泥臭く課題をクリアしていきました。
単なる「発注者と受注者」という関係を越えて、同じビジョンを目指すチームとしてフラットに試行錯誤を重ねる中で、私は上司のディレクションの「背中」から、本当に多くのことを学びました。
完璧なシステムを待つのではなく、現場にいち早く価値を届けるために、今できる最善を尽くす。
アジャイルに動きながら、理想の形へと磨き上げていきました。
◆ 結:歴史ある社内報のDX。おみくじに歩数計、現場が主役に変わる仕掛け
そうして誕生したのが、グループ公式アプリ『AppGutenTag(アップグーテンターク)』です。
1989年から続く歴史ある紙の社内報「GutenTag」の名を継承し、デジタルの力で新しく生まれ変わらせました。
アプリが稼働してからは、これまでの「発行のタイムラグ」が一気に解消されました。
イベントの様子や経営陣のメッセージを、鮮度を保ったまま、その日のうちに全社へ共有できるようになったのです。
特に嬉しかったのは、拠点の仲間や活躍している「人」にフォーカスしたコンテンツが、ものすごい勢いで見られるようになったことです。
「隣の事業部では、こんなステキな仲間ががんばっているんだ!」
そんな発見が、社内のあちこちで自然発生的に生まれ始めました。
さらに、アプリを「開く習慣」を持ってもらうために、遊び心のあるポイント設計を仕込みました。
毎日のログインやおみくじ、そして歩数計機能を使った「京進ウォーク」です。
創業50周年の記念企画では、京進のキャラクターが従業員の歩数の合計に応じて「宇宙を進み、月を目指す」という物語性のあるイベントを開催しました。
「みんなの歩数で、月まで半分まで辿り着きました!」と全体に発信すると、社内は盛り上がりました。
効率化のツールとは違い、「楽しいから、思わずアプリを開いてしまう」という能動的な文化が育っていくのを目の当たりにしました。
そして、効果が最も象徴的に表れたのが、1,700名が参加した「創業50周年記念式典」です。
この大規模なイベントの受付を、アプリ内の「デジタル社員証」で行いました。
「めちゃくちゃスムーズに入場できる!」
「デジタルって、こんなに便利なんだ!」
現場のスタッフたちが肌でDXの便利さを感じてくれた瞬間でした。
社内のDXに対する心理的ハードルが、ガラガラと音を立てて下がっていくのを感じて、本当に胸が熱くなりました。
事後の全社アンケートでは、なんと約9割の従業員が「理念浸透や他事業部理解に役立つ」と回答。
SaaS導入とブランディングアプリの違いに悩み、環境やアプローチの変化にぶつかりながらも、上司に手取り足取り支えられて走り抜けた先に、最高の「まなび」と達成感を得ることができたのです。
【エピローグ:次なる挑戦へ。ステキな大人が増える未来をつくる】
今回の社内アプリ開発プロジェクト、そして「Web開発課への異動」という一連の経験を通して、私は大きな「まなび」を得ました。
それまでの私は、「デジタル化=業務を効率化すること」だけだとどこかで思い込んでいたのかもしれません。それも大事ですが、今回のプロジェクトを通して、デジタルには「人の心を動かし、組織の絆を深める」という、もうひとつの強力な力があるのだと知りました。効率化も、ブランディングも、アプローチは違えどすべては「現場の仲間がより良く働くため」という地続きの目的を持っていたのです。
そして何より、未経験の領域で戸惑う私を信じ、ご迷惑をおかけしながらも手取り足取り育ててくれた上司の存在から、京進が大切にしている「失敗を恐れず、寄り添い、信じて待つ」という温かい文化を、身をもって体験しました。
私たちが作ったのは単なるアプリではなく、現場の仲間がお互いを知り、称え合うための「温かいコミュニティの場」です。
アプリを通じて仲間の活躍を知り、会社を好きになる。
その愛着と誇りが、現場での情熱的なサービスに繋がり、最終的にお客様の幸せへと結びついていく。
この「インナーブランディングから始まる好循環」の大きな可能性を、今、強く実感しています。
KDAのビジョンは、「デジタルのチカラでステキな大人が増える未来をつくる」こと。
変化を恐れずに挑戦を楽しみ、役割の変化や失敗さえも自分の「まなび」に変えていく。
今回、私が上司にしてもらったように、今度は私が誰かの挑戦に寄り添い、共に成長できる「ステキな大人」でありたいと思っています。
京進グループのDXは、まだまだ始まったばかりです。
完璧な答えなんて、最初からはありません。
だからこそ、環境や視点の変化を楽しみ、頼れる仲間や上司と一緒に悩みながら、現場の「困った」を「良かった」に変えていける仲間が必要です。
「未経験の領域でも、温かいサポートを受けながら新しい挑戦を楽しんでみたい」
「デジタルを使って、もっと人を幸せにしたい」
そんな想いを持ったあなた。
私たちと一緒に、未来の京進グループ、そしてたくさんの人の一生を支える新しい仕組みを作っていきませんか?
KDAで、あなたと一緒に働ける日を、心から楽しみにしています!