二十過ぎればただの人
自分はヒーローになるのだと幼いころは信じて疑いませんでした。漫画やゲームよろしくドラマがあって仲間を集めて倒すべき敵がいたり救うべき街とか世界があったりして、何かしら壮大な目的が自分の人生にはあるのだと思っていました。
ところが歳を重ねるにつれて、どうやらそうでないことに気づきます。スポーツにおいて特筆した才能を発揮するでもなく、勉学においては家族の後塵を拝し続け、芸術面においても何かあるわけでもありませんでした。
さらに才能がどうかとかごちゃごちゃ考えずにやるべきことを見つけて没入している周囲の眩しい人たちと比較して、自身が何も積み上げていない現実を大人になると淡々と認識するようになります。絶望とかそんな大層なものではなく「なるほど、自分はこのくらいの人なのかもな」と。
今回はその先のお話です。
突然のお誘い
カンボジアに一人旅をしていた私は「ベトナムに遊びに来ないか」という連絡を旧知だった今の会社の副社長から受け取りました。彼がベトナムで起業していたことは知っていたので、おそらくジョインのお誘いだろうと察しつつホーチミンに降り立ちます。
そして社長と初対面し、六次会にも及ぶ熱い「議論」の末、翌朝というかもはや夕方のお互い二日酔いのさなかに「会社に入らないか」とのお誘いを改めていただくことになりました。
正直どうかしている
常人の感覚からすれば、なかなかこの時点で正気の沙汰ではありません。
そもそも当時の私は戦略コンサルタント3年目として勤務しており、転職活動中ですらありませんでした。会社の構成も、社長・副社長・インターン2名のみ。本格稼働して数ヶ月で、月商は当時サラリーマンだった私の月給よりも少ないような有様でした。そんな状況をもってして「世界を奪りにいこうぜ!」とは。普通に寝言です。
いろんな考え方があるとは思いますが、日本人×海外×スタートアップという掛け合わせの成功率が高いとは今でも私は思っていません。勝敗が明確に分かれるスタートアップ単体でも相当に難しいのに、それを海外発で日本人が成し遂げた事例を私は片手で足りるほどしか知りません。プロダクトも顧客もない中で、二つ返事でOKするにはかなりハードルの高い案件でした。
しかし、もちろん魅力もありました。海外からまずサービスを始めることは、グローバル企業のDNAやカルチャーを創業時から持てるという点で大きな意味を持ちます。日本で育ったサービスを海外に展開しようとして数多の失敗例が生まれるのは、日本企業としてのDNAを捨てきれず、拒絶反応が起きてしまうからだと私は考えています。
一方、Day1からグローバルで始まってしまえば、日本市場を有力な市場の一つとして相対化したうえで、次なるマーケットに打って出ることができます。日本と世界ではなく、世界の中の日本です。
自分が入るかもしれない会社のポテンシャルが大きいと思えたこと、自分が入ることでそれが可能になるようなチームになれるかも、というのは確かにワクワクするものでした。
アイワナビーアヒーロー
アップサイドとダウンサイドが出揃ってしまえば、あとは決めの問題です。
私にとってロジカルシンキングは問題解決のツールではあるものの意思決定の最後の部分は感情に任せてダイブするタイプなので、感情の赴く先に従うことにしました。
仲間と資金を集めて、チームとプロダクトを自分でつくり、世界に挑戦する──シンプルにむずかしそうだし一旦諦めるべきものもありそうです。だがしかしなるほど、面白そうでもあります。そうしてどうだろう、自分にできそう…か?
挑戦できるかどうかでも道は分かれるし、そのあとで成就させられるかどうかでも、大きく道は分かれそうです。
みたいなことを熟慮に熟考を重ねた結果、このチャンスに飛び込んでそして本願を成就させたとき自分がどんな人間になっているのかを見てみたいと思ってしまいました。
私の人生もっとドラマチックに面白くなるものだと思っていたのです。しかし残念ながら二十数年生きていても劇的なイベントなんか発生しないし、自分用のシナリオもエンディングもどうやらなーんも用意されてないようなので(そらそーだ)自分の人生の主人公に返り咲くためには人とは違う決断が必要でした。
なんだかんだいいつつ主人公になりたいとか、なれるかもしれないとか思ってしまったわけです。
だってさすがに村人Bとかじゃあないはずなのです私の人生!
決めてしまえばあとはやるだけ
かくして、日本への帰路の飛行機の中で辞表メールを作成し、Archesにジョインすることを決めました。この話をもらってから24時間くらいだったと思います。時間が経てば自分がもっともらしい理由を見つけ出して逃げ出してしまうだろうことも長い付き合いなのでわかっていました。
一緒に働いてくれる仲間を募集しています
社長、副社長に次いで三人目の日本人社員としてArchesに入社して6年目となり、社員数も約200名、6拠点という形にも表れている通り一定の速度で事業を拡大してきました。しかし我々はまだ道半ばも半ば、何も成し遂げていません。
当然、自分の手で何かを生み出したい人や、組織の成長とともに自らも成長していきたいという人にとっては、今のArchesはこれ以上ないくらいのフィールドだと思います。
そして今、私たちはこのフィールドをさらに広げていくために、組織としても採用を加速しています。
事業の成長スピードに比して、私たちの手元にはまだまだアセットが足りません。自分自身の才能と努力で、そうした「足りなさ」を一つひとつ打破していけるような人、自分の存在によってチームの風景を変えられると信じられる人、そんなあなたの力を必要としています。
ご興味のある方、ぜひお待ちしております!
Sakamoto Yoshitaka(執行役員 / Global Operation Director)
慶應義塾大学法学部卒、戦略コンサルティングファームに新卒入社。PEファンド向けDD、電力事業者のコスト構造改革、デジタル広告事業者のM&AおよびPMI、Jリーグ事業投資やその他スポーツ事業参入など多岐にわたる戦略案件に従事。その後エキスパートネットワークを展開するArchesに参画。日本法人立ち上げをリードし、執行役員として日本市場の事業拡大を牽引。2024年よりArchesのグローバル全体のオペレーション統括責任者に就任。