【シャープ】人事制度についてお話しします。 | シャープ株式会社
こんにちは。採用担当 工藤です。主にキャリア採用を担当しています。採用担当となって約7年になります。シャープについて、もっとみなさんに知っていただくために、これからシャープの魅力や社内制度などを...
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世の中を驚かせる面白いモノづくりを叶えるためには、社員一人ひとりがイキイキと仕事に取り組める企業風土の醸成が欠かせません。今回は、シャープ全社の人事を統括する人事部長の宮川さんにインタビュー。人材採用や育成に関するさまざまな取り組みと、そこに懸ける想いを聞きました。
宮川 直之/人事部長
1993年に新卒採用で入社して以来、30年にわたりシャープの労務・人事業務に従事。事業本部の人事として、労働環境の改善から人事評価制度をはじめとする社内制度の運用、海外拠点の人事制度改革などに幅広く携わる。同人事総務部長を経て、2019年に本社人事部の部長に就任。海外を含むシャープ全社の人事を統括するリーダー。
――この30年間で、シャープの人材採用はどのように変わってきましたか?
私が入社した90年代から2000年代の初めにかけてシャープの業績は非常に良く、特に2007年辺りは絶頂期と言える時期でした。当時は採用活動に力を入れずとも、多くの学生が当社を志願してくれた。もともと“業界初”や“世界初”といった先駆け的なモノづくりが得意なメーカーですから、とても魅力的な企業として人気があったのです。つまり、長い間シャープは「待ちの採用」を続けてきたわけです。
2010年代に入ると状況は一変します。採用自体を控えたこともあり、この時点で人材獲得に関するノウハウは世の中に比べて遅れを取ったと思いますね。
その後、経営体制が変わり、シャープは“構造改革”のフェーズに入ることとなります。ちょうどその頃から世の中の労働市場も“人材を取り合う時代”になった。企業にとって「採用の重要性」がどんどん高まる中で、私たちも「採用への意識を変えて、取り組みを強くしなければ」という思いが強くなっていきました。
―具体的な採用課題を教えてください
まず、30代40代の若手中堅層と呼ばれる世代が圧倒的に少ない。この層をいかに分厚くできるかが、一番の課題です。当然ながら、それはキャリア採用で解決していくしかありません。そこで今、人事部の中でもキャリア採用部隊の強化を進めているところです。
積極的な採用活動を行うことに加え、大切なのは“5年後10年後を見据えた採用”だと考えますね。現場はどうしても「今の人手不足を解消する」ことに目が行きがちです。人事としては少し先の“将来の姿”を描きながら、そこに向けて活動していくことが必要だと思います。
――新卒採用とキャリア採用、それぞれ力をいれていることは?
新卒採用では、新規事業にチャレンジするポテンシャルをもった方を迎えたいと考えています。新規事業というのは、たとえばAIや電気自動車、ロボティクスといった分野。シャープとしてはそういった領域で事業拡大のチャンスを生み出していきたいのです。こうした事業においては、新卒の若手社員にもどんどん活躍の機会があると思いますね。
一方のキャリア採用に関しては、「マネジメントができる人材」に多く集まっていただきたいと考えています。年齢層で言えば、やはり30代40代がメインになるでしょう。
今シャープでは、マネージャー層の高齢化がひとつの課題になっています。30代前半の社員に、そのポジションをバトンタッチしていけるかというと無理がある。現マネージャーと若手社員の間に入り、ゆくゆくは幹部を目指してくれるような“マネージャー候補”の採用が、急務なのです。
――具体的に、現在取り組んでいる施策はありますか?
キャリア採用においては、各事業部で常にニーズがある状況ですので「どんな方が何名、いつまでに欲しいのか」、現場と話し合う機会を多く持つようにしています。
採用ルートに関しても、積極的に増やしていますね。複数の人材エージェントを活用するほか、今後は採用候補者に私たちが直接アプローチする“ダイレクトリクルーティング”にも力を入れていきます。候補者からの応募を待つ「受け身の採用」ではなく、どんどんアプローチしていく「攻めの採用」へと大きく舵を切る考えです。
――海外で活躍するグローバル人材の採用について教えてください
シャープは現在、25ヶ国・地域60ヵ所に海外拠点を持っています。中でも各国の販売会社には、日本から多くの社員が赴任し活躍しています。ですから、営業系のスキルを持った方のニーズは非常に高いですね。
もうひとつは、管理系。それぞれの販売拠点の拠点長や管理部門の責任者が、足りていない状況です。今後、海外ビジネスを伸ばしグローバル企業として成長していくためには、責任者レベルの採用が不可欠。ゆくゆくは海外子会社の社長になれる人材、海外の管理責任者になれる人材へのアプローチにも力を入れていこうと思います。
現状、ポストの数に対して社内の候補者が不足しているため、そこはやはり経験ある方のキャリア採用を進めていくことになるでしょう。ただし、優秀な人材はなかなか転職市場に出て来てはくれません。そこをどう動かし採用まで漕ぎつけるのか、本気で考えていく必要がありますね。
――中期経営方針のひとつ、「強い本社を確立する」とは?
まずは、シャープが進める2024年度の取り組みについて、簡単にお話しましょう。目指すところは、“持続可能な収益構造の確立”です。
シャープには液晶ディスプレイなどの「デバイス事業」と、家電や複合機などの「ブランド事業」があるのですが、その収益には大きな差があります。全社的に業績が伸び悩む中にあっても、ブランド事業は好調。特長技術を活かした事業展開により、堅実な業績を上げています。
そこで今後は、ブランド事業により注力すべく“抜本的な構造改革”を行う計画。そのために必要なのが、本社機能の強化=「強い本社」を確立することなのです。
具体的には、ITによる経営スピードの向上やAI活用による業務の効率化(DX戦略)、ブランドマネジメント(コーポレートブランド戦略)、トップダウンマネジメントの実践、人材戦略などに力を入れていく計画です。
――人材戦略について、くわしく教えてください
人材戦略の考え方のベースは、シャープの経営方針のひとつである『人を活かす経営』。「若い柔軟な発想をもった社員に、どんどんチャレンジして活躍してほしい」という強い想いのもと、様々な施策を実行していきます。
たとえば、若手活躍を後押しするために「スピーディな昇級」「メリハリのある年次昇給」「賞与制度のブラッシュアップ」などに取り組み、人材獲得力を高めるために「若手優秀人材の報酬水準引き上げ」や「福利厚生の拡充」などを目指します。人事としてやるべきこと・やりたいことがハッキリと見えている状況。こうした取り組みをさらに深堀りしながら、着実に運用していきます。
――人事部門を率いるにあたり、大切にされていることは?
私たちが、人材採用や育成の現場で大切にしたいこと。それは、「シャープらしさ」を再認識することだと思っています。シャープは、面白くてワクワクするような商品やサービスを生み出せる会社。それができる人材を採用して育てることが、私たちのミッションだと思うのです。
実現させるためには、今の仕組みを見直す必要がありますし、エンゲージメントを高めるためには投資も必要です。それらの課題を一つひとつクリアしながら、働くことを楽しめる環境づくりを進めていきたいですね。
――シャープが求める人物像についてお話ください
今、シャープは構造改革の真っ只中にあります。もちろん、いつまでも続くわけではありません。新しいビジネスでブランド事業を伸ばしていくというのが、会社の方向性。“シャープらしい”モノづくりに立ち返り、「面白い!」と思ってもらえる企業に進化します。
その中で期待したいのは、自ら新しいことにチャレンジしようという気概がある方ですね。AIをはじめとする先端技術に造詣のある方は、ぜひ挑戦していただきたいし、新規事業の立ち上げにも携わってほしい。また、世界視野で活躍したい方も大歓迎です。世界には未開拓の市場もありますから、一緒に挑んでいただきたい。活躍の場はまだまだ大きく広がっていきます!