日本の隅々まで行き届いたサービスを武器に
淘汰が進むMDM市場の中で、国産ベンダーとして存在し続ける意義。その根幹は日本の国民性に根ざした細やかなサポートにあると言います。
鈴木
―MDM市場は非常に特殊です。2010年くらい、MDM市場が立ち上がったばかりの頃は約50社ほど参入していました。しかし現在残っているのは、国内外を含めてもわずか数社。特に日本企業として継続しているところは非常に限られています。
なぜ淘汰が進んだかというと、理由は明快。MDMの開発や運用には、iOSやiPadOS、Windows、Androidといった主要OSをすべて理解し、各社が提供するSDKやライブラリに対応する必要があります。ただ単に対応するのではなく、自社のサービスとして安定的に提供できるレベルに仕上げなければならない。これは相当の技術力と人件費を要します。さらに、日本国内のMDM市場規模自体は200億円にも満たず、新規参入の魅力が乏しいというのもあります。
だからこそ、今も国内で残っている国産ベンダーが担う役割は大きい。外資製品は、言語面でのハードルやサポートという点で、合わないと感じることもあると聞きます。私たちは日本の国民性に根ざした細やかなサポートを提供し、使い手に寄りそった言葉で伝えることで顧客に安心感を与えてられていると感じます。それが国産メーカーとしての存在価値にもつながっているのです。
また、この精神の根幹は世界にも通用すると考えています。たとえばベトナムをはじめとする新興国ではMDMベンダー自体が生まれておらず、外資系が進出して独占している状況です。その中で存在感を発揮するには、日本のユーザーに寄りそったサービスが肝となるはず。日本において国産ベンダーが存在することは、グローバル視点で社会インフラを鑑みても、極めて重要だと考えています。
売るのは、製品ではなくサービス
単なるソフトウェアの提供にとどまらず、顧客の課題を包括的に解決する姿勢を大切にするインヴェンティット。そのためには「Whole product」の提供こそが肝要です。
鈴木
―私たちはこれまで、「mobiconnect」を中心にソフトウェア開発を行い、販売を行ってきました。しかし、我々は製品だけを売っているわけではないと考えています。かつては技術一辺倒の会社でしたが、顧客が直面している課題を丁寧にヒアリングしていく中で、課題解決を共に考えるパートナーとして信頼を得られるようになりました。今のインヴェンティットの特徴は、製品を売るメーカーというよりも、それを使って包括的な提案ができる「サービス業」としての姿勢。顧客の課題解決を軸に、サポートから製品まで一貫した「Whole product」を提供しているんです。
私たちにとって、事業の本質は製品を販売することではなくサービスやプロダクトを通して顧客の課題を解決することです。本格的にセキュリティ事業を始めたのも、お客さまが持つ課題全体を包括したサービスを提供したかったから。だからこそ、メーカーでありながら他社製品を組み合わせての提案もしています。それが私たちの柔軟さであり、競合との差別化につながっていると思っています。
そして、こうした姿勢を支えるのは社員一人ひとりの意識です。インヴェンティットの社員は真面目で率直な人が多く、顧客に誠実に向き合うことができます。その強みを生かしながらも、本質を見極める力や前向きに目標へ立ち向かえる意識をさらに伸ばしていきたいと感じていて。だからこそ会社として教育に力を入れていますし、「人生の軸を持ち、ホスピタリティを発揮できる人材」を求めています。
大切なのは「やれるかやれないか」ではなく「やるかやらないか」というスタンスです。挑戦を恐れず行動できる人材が集まることで、課題解決力が強化され、引いては「Whole product」の質が高まると考えています。
グローバルにも通用する営業力を
インヴェンティットの強みは日本の手仕事を思わせる丁寧で親身なサービス。しかし、価値は届けなければ意味がありません。だからこそ今、全社員が営業マインドを持つことが重要です。
鈴木
―インヴェンティットの大きな課題は「イノベーションをどう広げるか」です。良い製品を作って現場のユーザーに喜ばれても、契約を決める部門には届かず採用されないことがある。これでは革新は起こせません。そこで必要になるのが営業力です。
営業とは一部の担当部署だけの仕事ではなく、全社員が「顧客にどう価値を届けるか」を意識することが肝要。加えて、販売パートナーとの関係強化も不可欠です。右から左へ製品を流すのではなく、付加価値を加えて販売できるパートナーと協力することが成果につながります。同じ価値観を共有できるパートナーを増やし、直販とパートナー販売を組み合わせたハイブリッド戦略で進めていきたいと考えています。
そしてその視野はもちろん、日本国内にとどまりません。今後は東南アジア市場、とりわけベトナムを足がかりにグローバル展開を進めていく予定です。日本は人口減少の局面にあり、市場の拡大は見込みにくい。一方で東南アジアは経済成長が著しく、モバイル普及率も高い傾向にあります。現地のパートナーと協力しながら進出することで、次の成長を実現していけたらと。
そのために英語力も重要なカギになってきます。セキュリティ分野の最新情報は多くがアメリカ発であり、情報収集にも英語が必要。さらに現地パートナーとのコミュニケーションにも必須です。英語を「特別なスキル」ではなく「手段」として捉え、全社的な英語力向上にも力を入れられたらと感じています。
「やるかやらないか」で挑む姿勢を胸に、インヴェンティット株式会社はこれからも国内外で顧客の課題解決に挑み続けます。そのためにも、自分の武器を生かしたいという方と一緒に働けたらと思います。