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こんにちは、コミックスマート人材開発部小畑です!
今回は「マンガ家の職業価値を向上させ、子供達の憧れの職業にする」ことをミッションに掲げているコミックスマートのマンガ編集部所属の若手エース村上さんをご紹介します。
村上さんは2016年に新卒でセプテーニグループへ入社し、コミックスマート株式会社に配属されました。新卒1年目からこれまでマンガ編集部で"おもしろいとマジメ"に向き合っています!今回のインタビューではGANMA!で連載している『ブラック企業へようこそ!』の企画立ち上げから、作家さんとの制作秘話までお伝えします!
◆誰かのココロを動かす何かをつくりたいと思った学生時代
大学生の時は、国家公務員になるべく、予備校にも通っていました。しかし、就職活動中、自分が本当にやりたいことを考えたときに、出てきた答えが、「バンド活動」「演劇活動」「映像制作」でした。共通して言えることは、誰かのココロを動かす何かをつくること。「なにか」を考えたときに、日頃、自分で音楽制作をしており、「音楽はデジタルを通して聴く」ことが自分の意識の中では強かった理由から、デジタル領域やアプリを通して誰かのココロをワクワクさせる仕事がしたいと思いました。結果的に、「世の中を動かす音楽アプリをつくりたい」という志のもと、就職活動を進めていきました。
広告業界に決めた理由は、何かの魅力を伝える仕事に対しても関心を持っていたということもあり、いつかアプリをつくるために、広告業界のクリエイティブやコンサルティングでスキルを磨いていこうというキャリアステップを描いていたからです。
そうした理由からセプテーニグループに入社を決めましたが、実際に配属されたのはネットマーケティング事業を行うセプテーニではなく、メディアコンテンツ事業を行うコミックスマートでした。考えてもみなかった職種で、当然音楽と関わりある仕事でもなかったのですが、大学時代、作り手に憧れていた自分が、”マンガ家というクリエイター”を支援する立場になるということで、使命感が持てました。実際、マンガも1000冊持っているマンガ好きでもあったので。
◆おもしろいとマジメに向き合う
入社当初は、まずマンガ家さんの気持ちを知るために、Gペンとマンガの原稿用紙を買って模写してみたり、手探りしながら編集のイロハを学び始めました。企画の立て方から、企画を通すためのロジックであったり、作家さんとの打ち合わせの進め方、交渉ごとなど、編集として大事なことは尊敬する先輩たちから学びました。現在は3年目になり、自分がOJTで教える立場に変わりました。
マンガ編集の仕事は、「おもしろい原稿を入稿するというミッションにコミットする。そのために必要なことは全部やる」ことだと思っています。今は連載作品8本を担当し、同時にデビュー前の新人作家さんと企画作りをしています。業務は多岐に渡りますが、ここで、新企画の立ち上げにフォーカスしてその内容を簡単にご紹介します。
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◆作家さんと二人三脚で作り上げる新企画
新企画が立ち上がるまでの流れは以下の通りです。
・作家さんと打ち合わせをして企画書のたたきを作成いただく
・作家さんと企画書の修正をする
・企画案が固まってきたら1話のプロット(※1)と全体のプロットを書く大枠が決まった段階でネーム(※2)に入ります
・原稿の軽い下書きをする
・1話の内容が固まってきたら1話のネームを完成させる
・原稿のサンプルと1話のネームと企画書をもって編集長へ提出
・企画が通れば連載決定
・連載に向けて2話以降のネームや原稿を作家さんと一緒に考える
上記が企画から新連載が決定するまでの一連の流れです。
連載中の作品を育てながら、新連載の立ち上げなど、編集部の仕事は多岐にわたることも魅力の一つだと思います。
(※1)プロット:物語の構想
(※2)ネーム:コマ割り、コマごとの構図、セリフ、キャラクターの配置どを大まかに表したもの
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また、この度担当した新企画作品『ブラック企業へようこそ!』が連載開始するまでの裏話・秘話も少しお話しします。
『ブラック企業へようこそ!』の作家さんであるミナヤマカエル先生とはスカウトを通じて出会いました。出会ったときは、ドラマ系のコメディを書くのが上手な方だなと思っていました。
新企画のストーリーを考えるにあたって、最初は、「主人公のお嬢様がお金がなくて、節約を迫られる、節約コメディ」に決めました。しかし、この企画をもって編集長へ1度目の提案をしたところ、編集長からは、「今の若い子たちにもっと刺さる内容の企画がいい」ということで没になりました。そのあと考えたのが、ブラック企業に勤める主人公の恋愛をコメディタッチで描く『ブラック企業へようこそ!』でした。
今回は特別に『ブラック企業へようこそ!』のネーム第2稿~第4稿までの一部分をお見せします!
●ネーム第2稿
●ネーム第3稿
●ネーム第4稿
第2稿~4稿にかけてのキャラクターの表情の変化がよりストーリーを物語っていますね!
GANMA!編集部では、GANMA!アプリ内でのヒットに加えて、GANMA!の外部においてもグッズ展開、書籍化、アニメ化といった2次展開できるような作品作りを目標としています。多くの読者におもしろいと思ってもらえるようなヒット作にするべく、ストーリーは先生と一緒にアイデアを出し合い作っています。
作家さんの要望と編集者のプロとしての経験値をいかした共同作品をつくるため、企画の引き出しを増やせるよう日頃からインプットは惜しみません。
インプット方法は沢山あるのですが、今回は3つご紹介します。
1つ目は副編集長から学んだことなのですが、映画鑑賞をすることです。さらにストーリーや感想を自分の言葉で説明すること。映画とマンガは短い時間で楽しませるコンテンツなので似ていると思います。これにならって作家さんに書いていただく企画書は情報量を少なくし、核を決める映画風のポスター1枚にしてもらっています。
2つ目は当たり前ですが、マンガを読むことです。電子書籍の投資額はきっとコミックスマート内No.1の自信があります。
3つ目は人間観察。すれ違う人の会話を聞き、どんなシチュエーションかを想像することがおもしろいです。
渋谷で女子高生が「さっきのおじさん、ジャガイモ食べてたよね。」という話をきいて、どういう状況かを想像してみたりします(実際の話です笑)。人の深層心理を追うことが好きなので、Twitterもニュースの関連ツイートを見ることの方が好きです。
インプットする中で大事だと思うことは、一般的な考えをイメージし、持つことです。より多くの読者に読んでもらえるように、この表現を使ったら理解されるまで何秒かかるか、と客観的にネームをチェックしているので、その時の指標として大事な感覚だからです。
◆GANMA!のヒットラインを超えるヒット作を作るために
マンガ編集を3年経験してきて、まだまだ若手で経験不足な所もありますが、若手だからこそ出来る、今のスマホ世代が「めちゃおもしろい」といってもらえるようなマンガをつくりたいと思っています!
インタビューは以上です。
既に次の新連載企画は決まっているようでしたので、どんなストーリーになるのか楽しみです。