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【対談】市場をつくる面白さ。お薬手帳アプリの普及へ、マーケティング経験を生かした挑戦

「答えがないから面白い。市場はこれから開拓する」

そう語るのは、harmo(株)代表取締役である石島 知さん。

「次の世代にも必ず残るインフラを作る」

そんな想いを持つ、カスタマーサクセス&マーケティング部副部長の髙野 雄一さん。

この度、電子おくすり手帳のサービス展開をするharmo株式会社(以下harmo(株) )では、マーケティング経験者の募集をすることになりました。業界の先駆者として、薬局・医療機関向けのマーケティング戦略と、患者さま向けの電子おくすり手帳アプリのマーケティング戦略を一緒に取り組みたいと思っています。

そこで石島さんと髙野さんに「harmoのマーケティング戦略」について面白さや難しさを伺いました。

<左:髙野さん / 右:石島さん>

🔔harmoとは?

harmo(ハルモ)は、個人がご自身やご自身の家族の医療・健康情報を管理・活用するためのPHR(パーソナルヘルスレコード)システムです。中核サービスである「harmoおくすり手帳」は、約44万人が利用し、全国2万軒以上の調剤薬局で利用されています。薬局や医療機関にお薬手帳システムを導入することでより一層、患者さまとって使いやすいサービスとなっています。 harmoは、生活者一人ひとりの健康価値向上に貢献しています。

🔔Profile

harmo(株)代表取締役 Co-CEO
スタマーサクセス&マーケティング部 部長兼務
石島 知

2012年にソニー株式会社入社し、オーディオ機器の海外マーケティングに従事。2014年ビジネスプランナーとしてharmo事業に参画。ソニー時代からharmoの経営戦略の立案、実行に携わる。2019年6月harmo事業のシミックグループへの承継を主導し事業部長としてharmoの普及に尽力する。2021年10月harmo株式会社を創業。代表取締役CEOに就任。2022年に難病・希少疾患患者さま向けサービスを開発するノックオンザドア株式会社のシミックグループへのM&Aを主導。ノックオンザドア株式会社取締役を兼務。慶應義塾大学大学院SDM研究科修了。


harmo(株) カスタマーサクセス&マーケティング部 副部長
髙野 雄一

工業高校卒業後、株式会社ニフコに従事するも、大学進学をあきらめきれず、東京理科大学へ入学。2015年、富士通Japan株式会社(旧:富士通マーケティング)に入社。2020年にシミックヘルスケアインスティテュート株式会社harmo事業部でマーケティングマネージャーとして勤めた後、2021年10月harmo株式会社 営業開始に伴い現職に就任。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)修了。

革新的なスタートアップでの挑戦

――なぜ今このタイミングでマーケターの募集を始めましたか?

石島
このタイミングで募集した経緯は大きく分けて2つあります。

1.世の中の医療DXの流れが加速

2023年3月に厚生労働省が発表した、電子お薬手帳におけるガイドラインの改定が行われ、電子お薬手帳がPHR※として再定義されました。それに伴ってharmoのプロダクトである「harmoおくすり手帳」もPHRとして進化を遂げてきています。また、2024年には診療報酬改定が行われ、医療DXがより一層進む予定です。そのため、医療DXのニーズが拡大しているのでマーケターを募集する経緯となりました。

※PHR(パーソナルヘルスレコード)…個人の健康・医療・介護に関する情報のことをさしています。個人の健康・医療・介護に関する情報を一人ひとりが自分自身で生涯にわたって時系列的に管理・活用することによって、自己の健康状態に合った優良なサービスの提供を受けることができることを目指すとしています。(引用:https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/koreisha-ICT/PHR.html )


2.リニューアル中のプロダクトがまもなく本格リリース

現在リニューアル中の医療機関・薬局向けのプロダクトがようやく本格リリースを迎えます。それに伴い、医療機関・薬局向けのマーケティング活動を本格化する予定です。また、患者さま向けのアプリに関してもリニューアルを予定しさらに使いやすくなります。

市場の需要と、プロダクトリニューアルのタイミングが重なりマーケターを募集することになりました。マーケティング部門は、CS&MK(カスタマーサクセス アンド マーケティング)部で働くことになります。私は、harmo株式会社 代表取締役Co-CEOの役割とCS&MK部長を兼務しています。そのため、私の直下で一緒に働く経験者の方を現在探しております。

――マーケティング活動で大事にしている考えを教えてください。

石島
私たちは、「ユーザーである患者さまの課題を解決すること」を一番の起点として考えています。これは、全ての業務において最も大切にしています。

患者さまの課題を解決するためには、患者さまの解像度を高める必要があります。例えば、私たちのユーザーとなる患者さまはどのような疾患を持っている方か、どんな薬を飲んで、何に困っているのかなどを明確にします。その上で、どういうシーンで、どんなプロダクトやサービスを使ってもらうと、その患者さまにとって価値に繋がるのか、などの仮説を立てて、トライアンドエラーができるような活動をやっていただくことになります。


髙野
患者さまの解像度を高めることに関しては、「患者さま向けのマーケティング戦略」だけの話ではありません。医療機関・薬局向けのマーケティング戦略でも患者さまのことを知っておいてほしいのです。なぜなら、医師・薬剤師などの医療従事者の方々は、日々患者さまのために活動しています。そのため、患者さま向けの施策であっても、医療機関・薬局向けの施策であっても、その先には患者さまがいることを常にイメージしながら施策を考える必要があります。

―――ユーザー(患者さま)を増やすことについて、どんな未来を目指していますか?

石島
harmoは、患者さまの「薬の体験を最適にするプラットフォーム」をビジョンとして掲げています。それを実現するために、日本一、患者さまの薬の課題が集まる事業者になることを目指しています。

患者さまの課題解決を進めることで利用者が増える。利用者が増えるから課題が集まる。この課題をharmoのサービスを通じて解決することもしていきますし、harmoと関わる医療従事者を始めとするパートナーの方々と共有し、一緒に患者さまの課題解決を目指していくこともやっていきます。

すべては、患者さまの課題に寄り添うことからスタートしていきます。患者さまの課題解決をするために事業やプロダクトがある。ここを絶対に忘れないようにしていきたい。

正直に申し上げると、長年事業をやっていると、色々なステークホルダーが増えていきますし、顧客の種類も増えていきます。そうすると、「誰のためにやっているのか?」が見えなくなってきたりするんですよね。だからこそ、我々の事業は絶対に患者さまの課題解決を中心に置くと、改めて決めました。

私たちは、患者さまのデータや主観的な声をもらうことで、そのデータや声をもらい、分析し、患者さまにフィードバックをしていきたいと思っています。

例えば、最近では、慶應義塾大学との共同研究において、患者服薬ニーズを収集・解析し、患者選好に基づく育薬(医薬品・製剤最適化)のためのエビデンスの創出を目指した活動なども取り組んでいます。

https://harmo.keio-di.jp/


髙野
大きな未来に向けた現状の課題として、harmoおくすり手帳がPMF(プロダクトマーケットフィット)する状態を目指しています。”マーケティング”と聞くと、いわゆる一般的なプロモーション活動をしてユーザー数を増やす活動に捉えられがちですが、私たちが創りたい世界は、harmoのPMFを達成させ、世の中にとってなくてはならない存在にすること。そのためには、冒頭で石島さんが話した「ユーザーの解像度を向上させること」が重要になります。まずは患者さまの声をプロダクトに反映させる取り組みからしたいと思っています。

―――難しさや厳しさはどのようなところになりますか?

石島
難しいところは、医療業界全体で、まだまだ電子お薬手帳等のPHRサービスを活用した医療体験が新しいため、これまでの習慣を患者さま、医療従事者ともに変えていく必要がある点です。

1.患者さまに対する難しさ

先ほども述べましたが、医療機関の先生方が患者さまに適切なフィードバックをするためには、患者さまがアプリ内にお薬のデータを貯めていき、harmoを介して医療従事者の方々に共有する必要があります。しかし、現状ではきちんとデータを貯めていき、医療従事者に対して共有するという習慣形成が十分ではありません。我々としては、プロダクトそのもののUX・UIの改善も進めていきますし、多種多様な患者さまの習慣形成に繋げて頂けるような適切なコミュニケーション・デザインも進めていく必要があります。医師・薬剤師が見てくれて、個別に最適化された服薬指導を受けた、という体験が患者さまにとって必要だと思っていますので、ここはマーケティングチームのみならず、開発、運用に至るまで、全社的に取り組むべき課題です。


2.医療機関に対する難しさ

医療機関の先生方が電子お薬手帳等のPHRのデータを見たうえで患者さま一人ひとりに合った適切なフィードバックをする状況を作ることもまだまだ難しいんです。そもそも、医療機関におけるデジタル化はまだまだ他業界と比較すると途上の段階です。医療の領域では、個人情報の取り扱いがかなりセンシティブでデータの活用等が他業界よりも慎重にならざるを得ませんでした。

ただし、2023年4月からおくすり手帳に関する厚生労働省のガイドラインが変更になり、「紙よりも電子の推奨」といった記載が明記されるなど、医療Dxの取組は今まさに始まったという状況です。そのため、医療現場において電子お薬手帳等のPHRサービスが活用されていく事例はこれからどんどん生まれてくると思っていますし、これらの課題も解決できる兆しは見えてきていると思います。

髙野
個人的な感想ですが、私は他業種からの入社でしたので最初は、医療業界は業界ならではのルールや常識に慣れることが大変でした。「郷に入れば郷に従え」が半分、常識の壁を壊していくぞという意気込みが半分くらいでちょうどいいと思います。

また、業務の難しさのひとつとして、harmoが現在求めているマーケティングは、「医療DXとしてITを使って業務効率化をさせましょう!」という話ではない、ということです。

「ITを使った医療業界の変革」であることに変わりはないのですが、患者さまファーストの考え方で、harmoおくすり手帳が患者さまにとって”新しい価値”となるように考えるところが、難しくもあり正解がないから面白い部分でもあります。経営方針やビジネスの方向性を踏まえてマーケティング戦略を考えられるかが大事ですね。

―――このポジションで得られる経験と面白さについて教えてください

石島
マーケターとしての職能を向上させつつ、事業作りにも携われることが面白いのではないでしょうか。私自身は大学時代からITベンチャーのサービスマーケティングやイベントのマーケティング等もやっていました。ソニー時代にはプロダクトのグローバルマーケティング担当やITプロダクトのマーケティング担当をしていたことがあります。

ソニーの時のプロダクトマーケティングの際には、プロダクト企画・開発、価格設定、流通(製販)、プロモーションなど全体像を把握して統合的にマーケティング業務にあたることができますが、全体感は分かるものの実務的には市場分析業務と各部署との調整、コンサルティングスキル等が中心になっていました。

ITベンチャーのマーケティングの際には、マーケティング・コミュニケーション領域が多く、各企画におけるターゲットユーザーの設定、コミュニケーションプランの策定、各種施策の実行など、常に変わる商材でその都度戦略検討・戦術検討・実行を素早く回していくといった業務が中心でした。その後、事業企画や経営に入っていき、より上流工程に携わるようになってきました。色々な現場でマーケティングに携わってきましたが、上流から下流まで全ての工程を把握できる環境は貴重だなと思います。

harmoの場合には、上流工程である経営サイドとの距離は非常に近いですし、同じチームにはCS、Salesチームもいます。また、エンジニア、PdM、事業開発といった部署との距離感も非常に近いです。

そのため、ビジネスの全体像や方向性を把握しつつ、各部署の動きも踏まえて、マーケティング戦略立案・実行までを責任者として推進できる環境は、マーケターとしての幅を広げられる機会になると思います。

逆に、プロダクトがダメだからとか、CS、Salesが・・・といった言い訳は通用しません(笑)そこにも主体的に関われるからこそ、マーケターとして最も顧客解像度を高く持ち、顧客の代弁者になりつつ各所と調整していけるコミュニケーション力と実行力が求められますね。何事も、自分事として調整できる力が求められます。経営の意思とマーケターとしての専門性を活かし、全体最適と具体の行き来ができる面白いポジションなんじゃないかと思います。間違いなく、鍛えられる環境だと思います。

髙野
新しい事業を作ることの中心にいる経験ができることが一番面白いと思います。今は0→1のフェーズでもあり1→10のフェーズでもあります。具体的に、0→1はマーケティングとして決まったルールなどはなく、思うような組織を作るところからスタートします。1→10は、今のharmoの事業そのものです。harmoは10年目ですが、やっとこれから浮上できる市場になり、挑戦できる環境があります。

2つのフェーズを同時に経験できますし、責任者としてご自身の想像力と創造力を十分に発揮できる自由度はすごく魅力的で面白いと思います。


―――これから一緒に働く方に対して一言メッセージをお願いします!

石島
harmoは大切な人をもっと大切にするためのサービスだと実感しています。PHRサービスの先駆けとして、同じ志を持つ方と必ずこの市場を普及させたいと思っています。harmoを通して思いやりや優しさといった感情があふれる社会の実現に少しでも貢献したいと考えています。

髙野
次の世代にも必ず残るであろう事業を、今作っているところに携われるのは、貴重ですし、なかなか多くない機会だと思います。これをチャンスと捉えて、一緒に事業を作っていただける方と一緒に働きたいと思っています!ご応募お待ちしています!

<harmo(株) カスタマーサクセス&マーケティング部メンバー一同>

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