【特別対談】本当の顧客主義を体現する「カスタマーサクセス」で働く魅力(後編) | クリニカル・プラットフォームのブログ
職種として大きな注目を集めている「カスタマーサクセス」は、当社事業の成長においても欠かせないパーツといえます。今回は、テイクアンドギヴ・ニーズ、グリーを経て、Kaizen Platformにて...
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職種として大きな注目を集めている「カスタマーサクセス」は、当社事業の成長においても欠かせないパーツといえます。今回は、テイクアンドギヴ・ニーズ、グリーを経て、Kaizen Platformにてカスターサクセスとして勤務した後、現在はフリーランスとして多くの企業に対してカスタマーサクセス支援を手掛ける岡田奈津子さんに、カスタマーサクセスというポジションの魅力や難しさ、展望などについてお聞きしました。前編・後編に分けてお届けしますので、今回は前編です。
鐘江
岡田さんは、いつ頃からカスタマーサクセスとして活動されているんですか?
岡田
2015年初めからで、前職のKaizen Platformでカスタマーサクセスの立ち上げメンバーとして入社しました。Kaizen Platformはサンフランシスコで設立された会社で、当時すでにシリコンバレーのIT企業では、カスタマーサクセスが在るのがスタンダードだったんです。最初はミッションもしっかり決まっていなかったので、試行錯誤しながら進めていく感じでした。
鐘江
アメリカではよくありますよね。
岡田
当時、日本にはカスタマーサクセスの職種の方はほとんどいなかったですし、本なども出版されていませんでした。あれから3年、最近日本でもムーブメントが来ていますよね。ここ数年は毎年のように『カスタマーサクセス元年』といわれてきましたが、今年は特に盛り上がりを感じています。
鐘江
たしかに、私自身もカスタマーサクセス関連のカンファレンスに、今年の5月に参加しました。
岡田
日本ではまだ馴染みの薄いポジションだけに、どの企業のみなさんもまだ手探り状態であるということも言えますよね。カスタマーサクセスとは、自社サービスを通じて顧客の目標を達成し、そして顧客をより成功に導くための改善を継続する、この一連のサイクルを担っていくわけですが、細かく分けていくといろいろな役割があります。
ただ、どの役割であっても共通で求められるのは、「顧客の声を代弁できるかどうか。」だと思っています。社内では、どうしても内向きの力学で議論が進みやすいものですが、プロダクト目線だけではなくて、顧客目線を持ち続けることが非常に大事です。顧客目線を正しい形で、タイムリーに代弁するのがカスタマーサクセスで、時にはプロダクトマネージャーと意見をぶつけあいながら、両方の目線で改善を図ることが大切です。ここでの意見対立は100%建設的な議論だと思っていて、カスタマーサクセスの大事な役割のひとつです。
鐘江
当社が提供するクラウド電子カルテ「CLIPLA (クリプラ)」で求めるカスタマーサクセスは、カルテ上での上手なセットの組み方や、登録する薬剤の表示順をどうすれば使いやすくできるかなど、使い方の細かなTipsをクリニックに伝えていくことが重要だと考えています。その細かな積み重ねがクリニックの効率化に直結していきます。また、お客様の実績データや成功事例を集めていきながら、他のクリニックに提案していくようなコンサルテーションもこれから期待する部分です。
岡田
新しいシステムをすぐに使いこなしていくことは、電子カルテでなくてもすごく難しい事です。おそらく「CLIPLA」で大事なのも、導入して一か月ぐらいのオンボーディング(ユーザーに手ほどきし、慣れさせるプロセス)ではないでしょうか。
鐘江
例えば、他の会計系やHR系のクラウドサービス企業においてもオンボーディングの専任担当がいるものですか?
岡田
はい。他社事例で言えば、オンボーディングチームといった形で、チーム化されているケースもあります。一対一で電話や対面で導入支援を行うのが理想ですが、複数のクライアントの方対象にオンライン・セミナー、というのもありですよね。
オンボーディング期間が終了すれば、ヘルプページの拡充など、オンライン上の施策も重要になってきます。お客様が自走できているのが理想的な状態ですので、同じサポートを行い続けるのではなく、その状況にあわせた適切な対応が必要になってきます。
鐘江
そうなんですよね。CLIPLAでもヘルプページをこれから整備していくところです。先日とある皮膚科のクライアントに取材訪問した際、何気なく新機能についてヒアリングをしたところ、ご存じなかったという事がありました。その場でお教えをすると、「すごく便利ですね!」とお褒めを頂いたのは良かったのですが、本来であればリリース時から使っていただくべきだったんですよね。カスタマーサクセス部では、こういったケアも含めて、とにかくクライアントの皆様がCLIPLAの最適な使い方をできるお手伝いをしていって欲しいと思っています。
岡田
何を優先して改善していくか、という事ですよね。「皮膚科の先生にどうしても使ってほしい!」という機能であるならば、いち早く電話をする、というアクションがあって良かったのかもしれません。誰に向けた新機能リリースかという視点は非常に大事ですし、「CLIPLA」はその視点を持ち合わせていると思うので、あとはその最後の一歩を、カスタマーサクセスの方がアクションするということなのだと思います。
鐘江
当社のカスタマーサクセスでも、業務の中で医療に関する基礎知識を覚えていっていただくのですが、他のBtoBクラウドサービス企業の場合、例えば「HR」「労務」とか、「会計」などの知識をどこまで求めているのでしょうか?
岡田
入社の段階では、全然詳しく無い方もいらっしゃると思います。会社がおこなうトレーニングや業務の中で自然と覚えていく事が多いのではないでしょうか。
それよりも大事なのは本質的なゴールを示すことで、お客様の課題をどう解決するか、もっと大きな話をすると社会をどうしたいか、そのためのツールであるということを話せることが非常に大事です。労務管理やコミュニケーションツールなどのコーポレート系サービスでしたら「働き方改革」とか、マーケティングツールだとシンプルに「売上アップ」になるんじゃないですかね。
鐘江
当社もそれでいくと、医療者の働き方改革を実現するというのはキーワードのひとつです。当社のスローガンは、「Better Quality with Less(質の高い医療を、より効率的に)」です。手を抜くのではなくて少ない労力で、高い効果を残せるような支援をおこなっています。それが、クリニックの働き方改革につながっていくものと考えています。
岡田
どのクリニックでも、効率的に業務を進めたいのですよね?
鐘江
もちろんです。ただ、このままで良いと考える方がいらっしゃるのも事実です。その場合は提案が難しい場合が多いのですが・・・
岡田
なるほど。いろいろなハードルがありそうですね。でも、それらの課題を可視化していき、そして解決していくのが「CLIPLA」なのですかね。カスタマーサクセスの方の役割もダイナミックで面白そうです。