BAKE INC.は、2022年3月末現在、国内外で125店舗(国内68店舗・海外57店舗、FC店舗を含む)を運営しています。各店舗で販売するお菓子の美味しさはもちろんのこと、お店で働くメンバーや店装、包材、そして制服も、ブランドの世界観を表現する大切な要素です。
今回は、これまで意外と語られてこなかった「制服」について。
新ブランド「八 by PRESS BUTTER SAND」の制服を制作してくださった、株式会社セブンユニフォームのデザイナー 池尻知己さんにお話を伺いました。
新ブランド「八 by PRESS BUTTER SAND」の制服ができるまで
―「八 by PRESS BUTTER SAND」の制服について、特徴やこだわりポイントを教えてください。
大自然を感じるブランドカラーを使った生地に、タイロッケンコート風のバックルが付いた鮮やかな蛍光グリーンの腰紐がアクセントとなっています。
「八 by PRESS BUTTER SAND」は、和でも洋でもない、型にとらわれない新しいお菓子のブランドということで、その感覚をいかにユニフォームで表現するか、何度もディスカッションを重ねてつくりました。
―まだ世に出ていない新ブランドの世界観を制服で表現していくには、微妙なニュアンスの理解が求められそうです。
多くの企業様がユニフォームを発注される場合、最終段階でご相談いただくことが多いんです。しかし、BAKEさんの場合は、昨年(2021年)の5月、まだ「八」というブランド名が決まる前のかなり早い段階からご相談いただいて、ブレストを繰り返しました。
ディスカッションしていく中で、谷崎潤一郎さんの「陰影礼賛」の話をして意気投合したのを覚えています。BAKEさんが新ブランドで何を表現されたいのか、「和」の世界観や和と洋の垣根を越える感じをどう表したいのか、その感覚が共有できた瞬間だったんですよね。金本凜太朗さんのお写真もとても参考になりました。
―まさか、制服の話に「陰影礼賛」が登場するとは!八の制服は作務衣のように見えますが。
作務衣ではなく、洋服(シャツ)の型を使っているんです。和服と洋服は別物なので、単純に和洋折衷を表現しようとすると、着心地にも見た目にも違和感が出てしまいます。
八の場合、お店のスタッフさんたちがお菓子を作ったり並べたり接客をしたり、いろんな動きをされることを考慮して、洋服をベースにしたデザインを3パターン提案させていただきました。