「この提案は、本当にお客様のためになっているのかな…?」
営業職やコンサルタント職をやっていると ついつい考えてしまうことでしょう。
自分の力でお客様を幸せにしたい、今の仕事は果たしてお客様を幸せにできているのか と。
この記事で紹介する石戸美香は、お客様への提案が受け入れられ契約になっても安心せず、サービス提供中のお客様の成果に最もこだわり、多くのお客様から厚い信頼を得てきました。その中でも大きくクローズアップされた支援が「笑っていいとも!」でお馴染みの株式会社スタジオアルタ様。企業様とプロ人材と連携してプロジェクトを実施した結果、継続的な赤字の状態を3ヶ月でV字回復させ企業存続の危機を救うきっかけとなりました。 この事例はヤフートピックスの注目記事としても話題になり、石戸の活躍はサーキュレーション9月度の「泣ける仕事賞※」に選ばれました。
「クライアント企業と向き合う時は、その社員の家族まで考える」を信条とする石戸。この記事では、石戸がそのような想いを持つようになった背景や、現在立ち上げの責任者をしているカスタマーサクセス部署について、インタビュー形式で掘り下げています。
※ 泣ける仕事賞 売上以外の成果や日々の仕事のプロセスの中で、周りのお客様や社内のメンバーに感動を与えた社員に贈られる賞
1.お客様の成果に尽力し、経営難の状態を3ヶ月で回復
石戸美香|カスタマーサクセスユニット
金融業界で営業・カスタマーサポート・販促企画を経験した後、広告業界の大手企業にて法人向けソリューション営業で活躍する。その後、「プロシェアリング」の仕組みとマーケットに可能性を感じ、サーキュレーションに入社。サービス業界の企業を担当するチームのリーダーを経て、2019年10月からカスタマーサクセスチームの立ち上げを担う。
ーー 9月度「泣ける仕事賞」受賞おめでとうございます! 今回の受賞のきっかけにもなった株式会社スタジオアルタ様のプロジェクトについて教えてください。
石戸:スタジオアルタ様の社長と初めてお会いしたのは、売上の大部分を占めていた「笑っていいとも!」の放送が終了し、始めた新規事業も苦戦されていたタイミングでした。4期連続で赤字を計上してまさに危機的な状況で、「人もいない、お金も無い、ノウハウも無い」という状態を何とかしたいというご相談を頂いて開始したご支援でした。
ーー「笑っていいとも!」が終わってから大変な時期があったのですね…。どんなプロジェクトをご提案したのですか?
石戸:事業戦略やマーケティングに明るいプロ人材をご紹介し、まずは売上の大部分を占める広告事業の売上拡大に焦点を当てました。当時は赤字が続いていた状況のため、まず黒字化が見えないことには中長期の計画も語ることもできません。ターゲット顧客や競合分析、自社の強みの再発見から提供価値の見直しを行うことにより、サービスの磨き込みを行いました。
そして、戦略通りに大手クライアントからの大型受注を頂くことができ、組織の雰囲気も少しずつ変わっていきました。結果、プロジェクト開始からなんと3ヶ月で黒字化が見えるところまで辿りつきました。
ヤフートピックスの注目記事として取り上げられた、スタジオアルタ様のV字回復劇
ーー 継続的な赤字の状態を3ヶ月でV字回復、ドラマのような素晴らしい事例ですね! 逆に苦労したことなどありましたか?
石戸:プロジェクト開始後よりも、ご提案の段階が最も大変でした。正直なところ、当初社長からご相談をいただいた際は弊社でご提案をするべきかかなり迷いました。連続で赤字を出していて、後が無い状態ですからね・・。
ーー リスクが高く、重圧の大きさが想像できます。どうして依頼を受けることにしたのですか?
石戸:「ここで私が提案をしなければ、社長や社員の方々、そのご家族の明るい未来がつくれない」と思ったからです。同時に、スタジオアルタ様の経営改革を実現きるのはサーキュレーションのサービス以外に無い、とも思っていました。そう思えた瞬間に、私の迷いは消え、一刻も早くご提案を進めなければならないと動き出していました。
その後、ご支援に入るプロ人材に私の想いを伝えてご協力を頂き、そして、考え抜いた提案をスタジオアルタ様にご納得いただきました。こうして関わる全員が腹をくくり覚悟を決めてスタートしたプロジェクトであり、その勢いもあって短期で大きな成果に繋げることができました。
2.前職のお客様が倒産、痛感した「契約の先にある成果」の必要性
ーー 「社長や社員の方々、そのご家族の明るい未来がつくれない」という考え方は、ビジネスマンとして非常に素敵なスタンスですね。しかし、本気でその姿勢を貫くのは、簡単なことではないように感じます。
石戸:そうですね。「お客様第一」とは誰しもが願っていることと思いますが、日々の業務や予算目標に追われる中で、それを忘れそうになる気持ちもわかります。でも、「なぜ働くか?」を考えた時に、私は困っている人をひとりでも多く救いたいし、チャレンジする人を応援して役に立ちたい。本質から目を逸らさないようにしています。そう思って働きたい人は私に限らず多いんじゃないかな。
ーー 素晴らしいですね。お話をしていると、石戸さんから顧客の成果に対して強い「覚悟」のようなものを感じます。何か原体験があったのですか?
石戸:はい、前職でお世話になっていたお客様との経験が今に影響を与えています。前職は広告営業の仕事で、競合優位性の高いサービスで「売る型」が決まっていたため、お客様も喜んですぐにご契約をして頂けることが多かったです。
しかし、とある建設系の企業様が、お取り引きをしていた時に倒産するという事態がありました。後にわかったのは、その企業様は広告投資できる財務状況ではないにも関わらず、多額のお金を私に預けていたということです。
ーー 石戸さんが直接の原因では無いと思いますが、お客様のことを考えると辛いですね…。
石戸:このことを知った時、大きなショックで目の前が真っ暗になりました。もし私がもっとお客様に寄り添って財務状況を理解して、そのお客様に合わせた本質的な提案ができていれば、結果は違ったかもしれません。そのお客様は家族経営をしていたので、その家族の方々にも大きなご迷惑を掛けてしまいました。子供が大学に通う年齢で、とても大事な時期だったのに…。
ーー そのお客様を考えると私も胸が痛いです。この経験があって今の石戸さんがあるのですね。
石戸:そうですね。この経験があって「もうお客様のためになる提案しかしない」と誓いました。私は経営者ではないけれど、経営者の方と向き合う中で彼ら以上に会社の課題を考えたり、その会社で働く従業員やその家族の幸せも考える。これを当たり前にしていきたいと思っています。
3.想いを持って立ち上げる「カスタマーサクセス部署」
ーー 現在、サーキュレーション初となる「カスタマーサクセス部署」の立ち上げに取り組んでいるようですが、この経験に紐づいているのでしょうか?
石戸:はい、サーキュレーションへの転職を進めている時から「将来的にカスタマーサクセス部署の立ち上げに関わりたい」と思ってました。サーキュレーションのサービスを知った時にその可能性に感銘を受けたのですが、ご契約後に専任でプロジェクトマネジメントをする担当がいればもっとお客様の成功に貢献できると感じてました。そして、2019年10月から念願の部署立ち上げを任せて頂き、仕組みづくりに奮闘中という状態です!
ーー 目標が叶い素晴らしいですね!ところでカスタマーサクセス部署ってどんなことをするのですか?
石戸:端的に言うと「契約後の成果にコミットするための品質管理」を行う部署です!
サーキュレーションのサービスは、法人のお客様が抱える経営課題に対して、担当コンサルタントがその解決策を定義し、課題解決の知見を持つプロ人材をプロジェクトベースでマッチングし、担当コンサルタントが間に入りながら課題解決していくコンサルティングです。
これまで、お客様へのヒアリング〜提案〜契約〜プロジェクトマネジメントは、すべてひとりの担当コンサルタントが実施していました。そして今後カスタマーサクセスは、お客様の成果に直結するプロジェクトマネジメントを専門的に実施するような関わりをします。
ーー プロジェクトマネジメントとは、具体的にどのようなことをするのですか?
石戸:以下のようなイメージです。
❶ 企業様とプロ人材とのプロジェクトに定期的に同席しながら進捗管理を実施
❷ 定期的な訪問と顧客アンケートを実施しながら、プロジェクトの課題や不満を洗い出して軌道修正
❸ 企業様と密に関わる中で、動いているプロジェクト以外の経営課題を見つけて改善のご提案
❹ 外部活用に慣れないお客様と、外部としての稼働に慣れない個人には、プロジェクトを円滑に進めるノウハウを内製化
つまり、法人のお客様とプロ人材と信頼関係を築きながらプロジェクト成功に向けて併走するポジションです。担当コンサルタントとカスタマーサクセスとで業務を切り分けるのではなく、連携しながら組織的にお客様の成功に向けて取り組んでいきます!
ーー サービス提供後の成果にこだわる、コンサルティングとして本質的な要素ですね!
石戸:もちろん、上記にあげたような行動はこれまで担当コンサルタントも実施してきました。そして、プロジェクトの成果にも同じようにこだわってきて、ご満足いただいているお客様は数多くいらっしゃいます。ただ、まだまだ目指すべき理想には近づけていないとも思っています。よりお客様の成果にこだわり、このタイミングで、今まで以上にプロジェクトの品質を高めるためにカスタマーサクセスを立ち上げたということです。
4.お客様と共に発展し、新しい業界を創っていく
ーー BtoBサービスのカスタマーサクセスはこれから世の中のトレンドになりそうですよね!まだまだ立ち上げの段階かとは思いますが、これからはどのようなプランを描いていますか?
石戸:まずは無事に立ち上げを完了させたいですね!!現在サーキュレーションは「プロシェアリング」という業界を創ることをひとつの目標としてますが、市場を変えていくにはカスタマーサクセスが不可欠だからです。
ーー 業界を創るにおいて、カスタマーサクセスはどのように寄与するのですか?
石戸:業界を新たに創り、そこから市場が拡大するには、サービスを活用していただいた企業様が成功体験を積むこと、つまり「プロシェアリングいいね!」という感触を持っていただくことが大事です。
現在のプロジェクトの多くは、経営課題を抱えている企業様にご提案させて頂いたものが多く、言うならば「自社のリソースや採用などでは対応できないから試してみよう」という状態です。もちろん、それもとてもありがたいことです!
しかし、カスタマーサクセスが目指すのはその先。他に選択肢が無いからプロシェアリングを使っていただくのではなく、成長戦略のひとつとしてプロシェアリングが第一想起されることをゴールとしています。そのような世界観をカスタマーサクセスから創っていきます!!
ーー とても素敵ですね。業界を創るにはお客様の成功体験は不可欠ですね。
石戸:はい、まだ走り出した組織なので最小単位のメンバーで地道に頑張っていきます。その後は、より強固なサービス提供をしていくためにメンバーも拡充していけたらなと思っています。
ーー カスタマーサクセスを拡大するにおいて、石戸さんはどのような人と一緒に働きたいですか?
石戸:人や社会の役に立ちたいとピュアに思える人、と働きたいです。私たちの仕事は経営改革に関わらせていただくため、お客様以上にお客様の未来を考えパートナーとして伴走することが求められるからです。
入社時点では、明確な目標やビジョンを持っていなくても良いと思っています。それよりも、自分以外の誰かのために全力になれる、目の前のことに地道な努力ができる人と一緒に働きたいと思っています。「お客様の成功」を一緒に考えて切磋琢磨できたら最高ですね!
ーー ありがとうございます!カスタマーサクセスのこれからの拡大、応援しております!!
株式会社サーキュレーション's job postings