代表取締役社長 苦田(にがた)へのインタビュー。社員に求めること、めざしてほしいことをまとめました。
※ちなみにこのヘッダ画像は、昨年「探さない…待つの」ブルゾン○○○をテーマにしたときの様子です。(2018年4月追記)
株式会社キャブをつくる前
「苦田社長の経歴は、講演やセミナー、プレゼンテーションでも紹介していただいています。生まれは東京で、幼いころから各地を転々とされたということでした」
苦田:両親とも国家公務員で、2年に1回赴任地が変わっていました。万年転校生だったから子供なりに苦労もしたけど、おかげで誰とでもすぐ仲良くなれるようになった。そんなこんなで子供の頃はあまり勉強していなかったけど、いい先生に出会って数学に夢中になり、大学は数学科へ進学しました。
「そして、大学では秋山仁教授との出会いがあったというセミナーでも好評のエピソードが……」
苦田:大学時代、秋山仁教授の運転手として、いわゆる鞄持ちをさせてもらいました。メディアに出ている方だけあってやっぱり厳しいところもあって勉強になりましたね。「東京無線」と呼ばれるほど道にも詳しくなったし。鞄持ちの経験は、社会人になってからも本当に役立ちましたし、秋山先生に感謝しています。
(秋山教授です)
「はじめは広告代理店へ就職されました」
苦田:伯父と姉が広告代理店に勤めていて、面白そうな仕事だなと憧れていました。人と接することが好きだから、広告代理店の営業にチャレンジしてみたいと思った。就職した会社では、1番の売上げを上げようと目標を立てて、達成して、独立して会社を立ち上げました。
現在
「設立時は官公庁のお仕事をしていたのですね」
苦田:旧建設省などで営業をしていたこともあって、役所のお百度参りからはじまって、自治体や独立行政法人のホームページガイドラインの策定、国土交通省のホームページなどを受注しました。
3~4期目ごろに、ある偶然の出会いからホテルのWebサイトを提案する機会をいただき、リニューアルを手がけ、そのホテル様と長いおつきあいをさせていただく中で、ホテル・旅館の仕事を専門にするようになりました。
「ホテル・旅館でやっていこう!と決めた理由はありますか」
苦田:ホテル・旅館の方は、接客が好きで、お客の喜ぶ顔を見たいという気持ちが働く動機になっている方が多いから、学ぶことが多いんです。経営者や総支配人も、尊敬できる方ばかり。私も人を喜ばせることが好きですが、この人たちにはかなわない、まさにおもてなしのプロなんだと素直に思います。
そのような方たちとお仕事ができたら幸せだなと思ったのが、ホテルに集中するようになった理由です。
お客様のホテルに宿泊すると、お便りやプレゼントをいただくこともあります。心のこもった言葉が苦田の宝物。
「今は、東京にいることが少ないぐらいですね」
苦田:日本中を飛び回るのが夢だったから、すごく楽しい! 飛行機は、子供の頃からパイロットにサインをもらって集めていたぐらい乗るのも見るのも好きです。
パイロットやキャビンアテンダントは子供にも親切だし、紳士的でカッコイイですよね。今思えばホスピタリティが高いところに憧れていたのかもしれない。CAの方のサービス力や対応力は、ビジネスマンとしても勉強になるところが多いですよ。
そして、もちろん、ホテル・旅館も大好き。今のように、会いたい・話したいと言ってくれるお客様がいて、全国を飛び回れることに本当に感謝しています。
ホテルのITセミナーなどへ、講師として招かれる機会も増えています。
株式会社キャブについて
「社長からは、制作よりもお客様とのやりとりや、対応方法について指導をうけることが多いです」
苦田:エンジニアは技術のことだけわかればいい、Web屋だから不作法でもいい、というのではなく、「Web屋だけど、ホテリエに負けないぐらい気がきく」と言われるようになってほしい。
もちろん、社員の技術力や制作のスキルには信頼を置いていますが、技術的には特別なことをやっているわけではないと思っています。そしてほかにも制作会社はいっぱいある。でも、お客様がなぜキャブとおつきあいしてくれるかといえば、「ウチのことをわかっていてくれる」「気分よく仕事ができる」というほんの少しの気づかいや気づきだったりするんです。
だから、私は、そこは厳しく言います。
「消費者がホテルを選ぶ理由も同じですね」
苦田:普段、社員がお客様とのやりとりの中でしていること全てが営業活動。その中で、気づかいが認められれば自然と仕事が増えていく。皆がお客様に信頼されて、仕事が増える人間になれば最高。
私は、お客様から担当者のことを「○○さん、頼りになります」「○○さんのおかげです」とほめていただけるのが一番嬉しいんです。
全国の風景や、飛行機からの風景を撮りたいと思い、カメラもはじめました。
今後どういうことをしていきたいか
「応募された方からもよく質問されるのですが、今後の展望はどのようにお考えでしょうか」
苦田:今は北海道・沖縄にもお客様が増えましたが、ホテル・旅館は全国にありますし、困っているホテル様もまだまだ多いと思います。現に、うまく活用できていないというご相談も多い。
Webサイトは一度作ったら終わりというものではなく、育てていくものだという思いから、運用数もどんどん増えています。
コーディングについてはオフショア企業との協力なども考えていますが、しばらくはまだWebサイトを軸にキャブの仲間を増やしていきたいと思っています。
その中で、新たな特許となるようなツールもできるかもしれないし、特許のおもてなしコンテンツⓇとマーケティングオートメーションなどを連携させた新しいコンテンツの開発も進めていきます。
「Webサイトもまだまだ変化しますね。やはりエンジニア求む!です」
苦田:もともと、おもてなしコンテンツⓇは、私が沖縄・北海道へ出張に行くときに「何を持っていけばいいだろう?」と悩んだのがきっかけ。お客様に話したら「それいいね!」という感じで、実現することができた。
技術的には難しいことじゃないかもしれないですよ、でも、「こうすればユーザーに役立つかも」「きっとクライアントのあの人が喜んでくれる」と発想することが大事。
そして、その発想を、現実的に「こうしたらできるんじゃないですか」と形にしてくれるエンジニアがいるから特許が取れた。
今後は、一人一人が発想して、一人一人が作れるようになったらもっと役立つものができるかもしれない。
「ユーザーの反応を実感できるような仕組みを開発したいエンジニアは増えていると思いますし、ディレクターにもプログラム志向が必要ですね」
苦田:エンジニアだからディレクターだからと壁を作らないで成長してほしい。それがお客様に役立って、仕事も大きくなる、そういう会社を目指したいですね。