1
/
5

残業を月10時間以内に抑えるために効果的だった運用アイデア(10個)

今、弊社の倉庫部屋には、まるで不良債権のように「掛け布団」が積まれています。
それは、以前、私の至らなさから、やってもやっても仕事が終わらない、デスマーチを呼び込んでしまったときの遺跡です。
(当時、特に頑張ってくれた、Nくん、Nくん、Mくん、本当にごめんなさい)

その時は、ワンピースでいえばインベルダウンのマゼラン獄長のように、どんな手を打っても事態が好転しない、結果、自分も黒ひげに瀕死に追い込まれる、そんな状況を迎えていました。

あれから数年経ち、試行錯誤の結果、ようやく月間の残業数を10時間以内に抑えることができるようになりました。これから同じ航路を通る方もいるのかもしれませんので、参考までにその取り組みを紹介していきたいと思います。

1.全体会議を週1から月1へ

「リーダーのアドレナリンが出ている間は、会議にかかるコストに気付かなくなる。」これは大きな課題だと思います。

これまで、惰性で行ってきた(かもしれない)会議体を見直し、全体会議を週1回(1時間)から月1回(1時間)としました。全体会議上での内容も、「担当案件を通じて得た生産性の向上の取り組みの共有」テーマにしぼり、ノウハウや成功事例の共有を行いました。それ以外の一般的な連絡事項はSlack上で行うようにしました。

※社内メンバー間でメールのやり取りはほぼゼロです。

また、チーム単位で個別に行うミーティングも今は行わず、必要に応じて個別に声をかけて話す、というシンプルなコミュニケーションになりました。

最初は「意思疎通がうまくいくのか?」と不安になりましたが、問題はおきていないように思います。その代わり、マネージャーがメンバーに対して、普段のコミュニケーションの中で意図を伝えるようにしてくれています。

経営者視点で全員にメッセージを伝えても、それが意図通りに伝わる効率はそんなに高くないのですが、それが、マネージャーの人望によって今は解決できているように思えます。本当に感謝です。

2.毎月の稼働割合を5%単位で調整

弊社のような「デジタルオペレーションの代行」という事業だと、毎月の案件が事前に決まります。そのため、1か月の業務計画が立てやすくなっています。

そこで、毎月の各メンバーの稼働を100%として、どの業務にどれくらいの時間を使ってほしいかを5%単位で設定し、それを基準に業務をすすめてもらうようにしています。また、その割り振りどおり行えたかという振り返りを月報という形でフィードバックしてもらい、次の稼働に反映し、精度を高めるというやり方を採りました。

この方法はかなり効果的で、お客様から預かったコスト(=稼働時間)をどうすれば有意義に使えるか、また、内部の業務改善や学習効果でできた余剰稼働に対して、お客様に新しい価値を提供する、というところにもつながっています。

3.1案件の複数人体制の徹底

一つの案件には、かならず複数のメンバーが携わるようにする。そのメンバーたちは誰でも同じ仕事ができるようにする。これも、重要事項とし、今は徹底できる体制を組んでいます。

業務負荷の偏りをなくすことにつながり、結果として、全体の残業時間の低減につながりました。

以前は体制的にも、メンバーのスキル的にも余裕がなく、1つの案件に対して、1人のメンバーが独占的に携わるという時期もありました。その結果、弊社としては忘れられない事故が起き、お客様にも迷惑をかけてしまいました。

今では、個人に依存しない複数人体制を徹底するという考え方は、会社の基本的な考えとなっています。

4.多能工の推奨から餅は餅屋への転換

SNSの黎明期には、企業SNSに「スーパーヒーロー論」という理想がありました。ユーザーのコミュニケーションを一手に引き受ける天才的な多能工社員が、企業のコミュニケーションを一手に引き受けるという考え方です。

弊社でも、過去にはそのスーパーヒーローを派遣するサービスを用意していましたが、「なんでもできる一人の人より、チームで得意分野を分担して進めたほうが強い」ことに気付き、一人のスタッフが複数のスキルを積むよりも(これを望むスタッフが多くいるのは確かなのですが)、専門スキルを持ったスタッフを育成することで、全体の生産性を高めることにしました。

結果、個々のメンバーが独り立ちするまでの教育コストが抑えられ、早期の戦力化につながりました。

5.自己流禁止、引継ぎはプロセスをコピーするところから

「自分のやり方で納得のいくように仕事する」

これを禁止しました。先人たちの積み重ねで洗練させてきたやり方をまずはそのまま真似て、その上で生産性に対して、新しい価値を提供できるようであれば改善する。

というやり方を行うことで、企業としての効率的な方法を継承していくことにしました。

6.仕事の「切り出し」と「引きはがし」

メンバーに対して、自分の仕事の中で経験の浅いメンバーにやってもらう仕事を作る「切り出し」という作業と、上司の仕事の中で自分まかなえる仕事を自発的に引き取る「引きはがし」という作業をお願いしました。これにより、自分の業務で切り出せる業務がアルバイト/インターンスタッフなどの経験の浅いメンバーにも割り当てられることで、業務量の平準化が行えるようになりました。

7.単発仕事を受けない。ストック事業に専念

弊社はTwitter/instagaramなどのSNSを中心とした、デジタルオペレーションを運用する仕事が中心です。以前は、デジタルマーケティング系のWebサイト制作など単発の仕事も受けていましたが、特別なことがない限り、受けないようにしました。

結果、既存業務の効率が高くなり、全体としての生産性向上につながりました。

運用仕事と、単発の仕事は、考える種類が違うので、どちらかに寄せたほうが働きやすいということでしょうか。

8.同じ働き方の価値観を持つ方と仕事をする

これも重要な要素かもしれません。

「個人のパフォーマンスで最大限の効果を出す」、「人海戦術で最大限の効果を出す」などお客様が求めるタイプもいろいろあります。

どちらかというと、弊社は「生産性の高い運用スキームを一緒に作り上げる」という考えに近いのかなと思います。

9.仕組化、自動化、システム化

これは、当たり前だと思うので、省略。

10.何より自分が早く帰る

私自身の話ですが、メンバーに対して「頑張っている俺」アピールをやめました。

代表の人間がずっと会社にいたら嫌ですし、何より代表が事務所にいて、個別の案件に口をはさんで、いいことなんてないですね。(運用案件では、個別の担当者に情報が集まるので、一般的には(一定以上のスキルのある)運用担当が一番精度の高い判断ができると思っています。)

私は、業務終了時点になると、なるべく人に会う予定をいれたり、企画をまとめたり、会社にはいないようにすることにしました。

今も、酔拳使いのラフテル「プロント」で新しいアイデアを考えます。この原稿もそこで書いています。それも、今となっては残業を月10時間以内に抑えるために役立っているのかなと思います。

駆け足で、まとめてみましたが、かつての盟友のツイッターで「2年前はデスマーチ」という内容を発見し、「いまは違うよ」というメッセージを伝えるために、この記事を書いてみました。

株式会社バケット's job postings
1 Likes
1 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
Like Shinji Akiyama's Story
Let Shinji Akiyama's company know you're interested in their content